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フリーランスの働き方を考えた1年と、Web Designingのフリーランス特集

2022年が終わりますね。フリーランスで仕事を始めて丸16年が過ぎました。昨年、「15年もフリーで仕事してるんだな…」ということに改めて気付き、逆に「この先どうするんだろう?」という疑問を持ち始めました。15年後に同じように仕事ができている保証は全くないですし、そうなった時に何か別の仕事を見つけられる保証もない。来年、再来年、同じやり方を続けていてはいかんのでは…と思ってしまいまして。

片や、今年はライターを含めた「かけだし」さんたちの話をちょいちょい耳にするようになり。同時に、インボイス制度でフリーランスが大量廃業必至、みたいな話もちらほらと見聞きし。フリーランスってこれからどうなるんだろうと、考えざるを得ない環境でありました。

そういう蓄積があったから、というわけでもないのですが(少しあるけど)、2022年12月発売のWeb Designing 2023年2月号(ややこしい)では、担当する小特集で「フリーランスと良い仕事をするために」をテーマに記事を書かせていただきました。

フリーランス×制作会社の関係にまつわるデータとインタビュー

特集ではまず、現在のフリーランスの働き方に関するさまざまなデータを紹介しています。フリーランスという働き方を選んだ理由から、お金の話、制作会社側の考え方など、フリーランスの方と制作会社の方、お互いの理解の一助になることを願って構成を考えました。

特に、フリーランス協会さんの「フリーランス白書2022」と、グッドパッチさんの「デザインデータブック 2022(ReDesigner Design Data Book)」からは、大変多くのデータを引用させていただきました。ありがとうございます。ご興味ある方は、引用部分だけでなくぜひ元のデータをご覧いただけると良いかと思います。

続いて、インタビュー記事では制作会社の方々にフリーランスとの付き合い方をお聞きしました。今回ご協力いただいたのは、こちらの3社さんです。

どんなお仕事を、どのような形で依頼しているのか。報酬をどのように決めているのか。仕事の進め方にどんな配慮をしているのか。根掘り葉掘りお聞きしてしまいましたが、みなさま本当に快くお話ししてくださり、ありがたい限りです。結果的に、会社さん別にそれぞれの特色がくっきりと現れ、非常に興味深い企画になりました。

「フリーランスと良い仕事をするために」の正解は一つではなく、仕事の内容、環境、求めるものによってやり方を模索して、より良い方向を見つけようとしているという… 。当たり前と言われればそうかもしれませんが、机上の空論でなく具体例が持つ説得力は、印象に残る重みが違いますね。フリーランスとお付き合いのある制作会社の方はもちろん、フリーランスの方にも、きっと参考になる部分があるのではないかと思います。

企業はインボイス制度にどう準備すべきか

特集の最後に、インボイス制度についてfreee株式会社さんに聞きました。これね、ほんとに、どうにかならないですかねインボイス制度。法律で免除されているはずの税金(売上1,000万円以下)を納める仕組みに乗らなきゃいけないってこともそうなんですけど、ほんといろいろ面倒くさくて…。フリーランスにとってはいろんな意味でもはや営業妨害なんじゃないかという…。

一方で、すでに消費税納税事業者である制作会社にとっては、クライアントが仕入税額控除を受けられるようインボイス制度に乗るのは必須になるわけです(今のところ。制度が廃止にならない限りは)。そのために制作会社がどんな準備をしなきゃいけないのか。同時に、現状免税事業者のフリーランスと何を協議していけばいいのか。そういったお話を幅広くお聞きしました。

やはり、制度開始はfreeeさんにとっても一大事だそうで、お話をうかがった方は「主席コンサルタント兼インボイス制度責任者」という肩書きでいらっしゃいました。ツールの開発はもちろん、顧客への周知はほんとに大変そうですね。さすが、ご専門だけあって非常にわかりやすく解説していただきました。いやぁ。。。勉強になりました。個人的にもありがたかったです。

今回、Web Designingの記事ではざっくり「企業の経理担当者がやっておくべきこと」をまとめる形で締め括りましたが、実際にやるとなったら専門の資料やマニュアルが必要ですよね。2023年10月にやはりあちらこちらでひと騒動起きることになるのでしょうか…。

個人的にも仕事環境見直しの2022年

そんなわけで、改めて個人的にもフリーランスの仕事、働き方、将来について考えたりした年でした。多少は行動もしました。

まず、取引が特定の企業に集中してしまうのは良くないな、ということで新しい取引先を探し、ありがたいことに新しいお仕事をいただきました。継続案件もあってありがたいです。ただ、スケジュール調整はちょっと工夫しないと今後首を絞めることになりそうでヒヤヒヤしてます…。

お金の面では、小規模企業共済に加入しました。これ、今年になるまで知らなくて損してました。ざっくりいうと、零細企業や個人事業主が自分のための退職金を積み立てておけるような制度です。社会保険料と同じく、所得税控除の対象になります。加入手続きがクソ面倒くさいのが難ですが、年金ヤバいと思っているフリーランスの方にはぜひお勧めしたいです。

あとは、日本デジタルライターズ協会に加入することができました。加入2年以上の会員からの推薦がないと申し込みもできないので、ハードルが高かったのですが、仕事関係の方からの紹介を得て推薦をいただくことができました。文芸美術国民健康保険にも加入申し込みができましたし(これ、フリーランス協会の年次調査でも課題になっていたところなんです)、よかったよかった。

社員を雇用する社長と違って、フリーランスは自分がなんとかなっていればいいという気楽な立場がいいところ。それだけに、人生に対する見通しとか責任感とかのぶ厚さは段違いだなあと、同年代とか全然若い社長さんにお話を聞く度に思います。
個人的な来年の目標はそのあたりですかねえ(ふんわり)。

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