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LUMIX G100 をスチル機として選びました

冷静に考えると、「カメラを写真機として選びました」って、何を当たり前のことを言っているのかって感じですが、一応メーカー側がVlog用を謳っているモデルにも関わらず、静止画用途メインでG100を選んだという話です。

カメラ探しの旅

G100にたどり着くまでの道のりに、しばしお付き合いください。

新しいカメラが欲しくなるまで

もともと写真には興味があり、いつか趣味にできたらという思いもあったんですが、あくまで音楽というメインがあったこともあり、これまで本格的にハマるには至っていませんでした。まぁ正直に言うと、沼にハマるのが分かっていたので自制していたという方が正しいかもしれません。これまではあえてレンズ交換のできないコンデジを選ぶことで、あくまで写真とライトに付き合うようにしてきました。

さらに、iPhoneを持つようになってからは、手軽で高機能なカメラアプリや編集アプリが豊富に揃っていることもあり、10年ちょっと前に購入した当時の高級コンデジCanon PowerShot S100も、いつしか持ち出す機会はほとんどなくなっていました。

Canon PowerShot S100

それが少し前に、ふと思いつきでこのS100を久々に持ち出し、あれこれ設定をいじりながら撮ってみたんです。すると何というか、一枚一枚を丁寧に撮っている感覚がiPhoneでは味わえない新鮮なもので、やっぱり楽しいぞと。それ以来、S100を頻繁に持ち出すようになりました。

しかし、高級コンデジといってもいかんせん10年以上前のモデルですし、センサーサイズも1/1.7型とそれなりです。本格的に使おうとすると、少し物足りなく感じる場面も出てきました。そこで、新しいカメラを検討することにしたのが始まりです。

コンデジを選ぶつもりだった

S100の前も、RICOH GR DIGITAL IIなど、これまではずっと、前述のとおりあえてコンデジを選んでいました。その流れから、今回もまた当然のようにコンデジを選ぶつもりでした。

そもそもS100をまた頻繁に持ち出すようになった大きな要因の一つが、軽量コンパクトゆえ、携帯することが苦にならないという点でした。何かと荷物が多くなる子連れでの外出がデフォルトであるため、これは非常に重要な要素で、子どもの面倒を見つつ片手でハンドリングしやすいという点も大きかったと思います。

このため、S100と同じような感覚で気軽に使えるものでないと、きっとこの趣味は続かないだろうと考え、まぁコンデジ一択じゃね?という感じでした。

え、コンデジ高くね?

まずは正攻法で、PowerShotシリーズの後継モデルについて調べ始めました。Sシリーズはすでにディスコンになっており、1インチセンサーを積んだ上位モデルのG7 X、G5 Xあたりにたどり着くわけですが、S100を当時3万円台で新品購入していたこともあり、正直「え、高くね?」と感じてしまいました。中古の型落ちですら結構なお値段です。

他メーカーのコンデジも軒並み高く、しかもモデルの選択肢も少ない。どうも最近は、スマホとバッティングしづらい高級機だけを残し、エントリー〜中級機はほとんどラインナップから姿を消してしまったようで、市場としては縮小の一途という感じです。かろうじて残されているその高級機でさえも、最新モデルの発売が数年前という状況。そうこうしているうちに、上述のG5 Xもディスコンになってしまいました。

さらに、半導体不足による影響もあるようで、市場に在庫もほとんどありません。「納期6か月」などがザラで、たまに見つかる即納可能なものにはプレ値がついていたりします。つまり、そもそも限られた高級機しかラインナップにない上に、半導体不足や物価高騰が重なり、高い上に選択肢も在庫もないという、最悪の時期にコンデジの購入検討を始めてしまったことに気がつきました。

マイクロフォーサーズという選択肢

そこでたどり着いたのが、マイクロフォーサーズのミラーレス一眼という選択肢です。中古も含めるとそこそこのモデルのバリエーションもあり、選び方によっては比較的安価にシステムを組むことも可能。コンデジ並みとはいかないまでも、それに近いコンパクトなモデルも多いです。

今まであえて避けてきたレンズ交換式となるわけですが、望遠レンズを装着すれば子どもの運動会・発表会等にも対応可能という汎用性は、主な被写体が子どもとなった今、普通にものすごいメリットです(ちょうど運動会も目前に迫っていました)。まぁこの際、沼にハマるのも悪くないかなということで、覚悟を決めたら逆に気が楽になりました。

あえてのLUMIX

もともと宮崎あおいクラシカルなデザインが好きということもあり、最初は旧OLYMPUSのPENシリーズに目をつけていたんですが、いろいろ作例などを調べていくうちに、LUMIXの色味が自分の好みであることに気がつきました。ややコントラスト高め、黒強めで、どことなく渋い感じの色味が、今までiPhoneで写真を編集する際に目指していた色味に近い印象を受けたのです。これなら、撮って出し中心で運用できるかもしれないので、気軽に使っていけそうだなと感じました。

実は今回いろいろ調べるまで、LUMIXというブランドにそこまでポジティブな印象を持っていたわけではありませんでした。よくある話ですが、Panasonicということで、どうしても家電メーカーのイメージが強く、何となくフィルム時代からのカメラ専業メーカーと比較すると…という感じでした。

しかし、よくよく考えてみると、自分は昔からターンテーブルはTechnics派です。そう、なんとすでに、自己の表現活動のキーアイテムとして、松下電器産業製品が鎮座していたのです(ちなみにシェーバーと鼻毛カッターもPanasonic派)。この事実に気づいてからは、一気にLUMIXに対する抵抗感がなくなりました(謎の単純思考)。さらに、ユーザーシェアが低めという点も、「あえて」感があって逆に良くね?という、不治の中2病患者アマノジャクの心をくすぐる要因となりました。

GF9を購入

そんなこんなで、中古のLUMIX GF9を購入しました。標準ズームレンズと標準単焦点レンズがセットになった、ダブルレンズキットです。

LUMIX GF9

もともとコンデジ選びからスタートしていましたので、とにかくコンデジライクなモデルをということで、これを選びました。沈胴式のパンケーキズームにはOLYMPUSの自動開閉キャップを装着し、さらにコンデジライクに。

レンズ交換式としてはかなり軽量コンパクトですし、デザインもライカ風でかわいらしい。LUMIX機はUIが分かりやすくタッチ操作もスムーズなので、サイズの割に操作性も悪くないです。定評のあるL.モノクロームも使えます(Dや粒状効果は使えません)。

GF9 + LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH. (L.モノクローム)
L.モノクロームなら、ATのミニバンファミリーカーもシックで上質な雰囲気に

運動会に備えて中古の望遠レンズ(LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.)も併せて購入し、広角〜中望遠、標準、中望遠〜望遠をカバーするレンズも一応揃いました。さらなるレンズ沼やアクセサリー沼の幕開けとも言えるかもしれませんが、カメラ選びの旅としては一旦終了となりました。

そう、GF9が壊れるまでは…

GF9を即返品

思えば入手直後からあやしさはあったんです。なんとなくコントロールダイヤルが空回りすることがあるなぁと。ただ、そこまで気になるほどではなかったので、まぁこんなもんかと思っていました。

それが、購入後2週間を過ぎたあたりで、完全にコントロールダイヤルが反応しなくなりました。GF9の場合、絞り等の各種パラメータ調整はタッチ操作でも可能なのですが、さすがにね…ということで、わずか3週間足らずで返品となりました。

G100を購入

壮大なイントロを経て、ようやく本題です。

ムシャクシャしていたけど誰でも良くはなかった

運動会も目前に迫る中、手元に残されたのは1本の望遠レンズのみという状況で焦り始めます。 GF9を割と気に入っていただけに、返品となったのは結構ショックで、もともとそんなに抵抗のなかった中古品へも若干の不安感が芽生えていました。もう一度中古のGF9を探すという手もあったのですが、ちょうど良い出物にも出会えず、次は失敗できないという妙なプレッシャー感と、不良品に当たったムシャクシャ感が重なり、気づいたら新品のG100をポチッていました

LUMIX G100

半ば勢いでポチッてしまったわけですが、一応以前から気になっていたモデルではあったので、そこまで消極的な選択というわけではありませんでした。「ムシャクシャしていた。誰でも良かった。」ではなかったです。実際使ってみると、より新しい上位モデルなので当然ではありますが、GF9より優れた点が結構あります。以下、基本的にGF9との比較を軸にしながら書いていきます。

現行モデルでは最小・最安

GF9後継のGF10もディスコンとなった今、現行のLUMIXマイクロフォーサーズ機の中では最も小型かつ安価なモデルです。手頃なコンデジを探していた身としては、正直これが一番の決め手となりました(結果的に当初の予算はオーバーしていますが…)。

GF9がかなりコンパクトだったので、それと比較するとさすがにデカく感じるかなと心配していたんですが、実際手に取った感じとしては、GF9にファインダーが乗っかっただけという感覚です。持ち歩く際にはそんなに差は感じません。むしろグリップがしっかりしているので、片手で持った際は軽く感じるくらいです。

愛嬌のあるデザイン

一眼カメラ然としつつもかなりコンパクトで、直線基調のシンプルなデザインは、ライカSLシリーズをミニチュア化したような、何とも言えない愛嬌があります。チルトではなくバリアングル液晶という点も、「オレ、ちっちゃいけど本格派なんだぜ!」とアピールされているようで微笑ましく、何とも言えない愛嬌があります(2回目)。造りや質感は決して安っぽくはないのですが、コンパクトさからくる良い意味でのオモチャ感があり、何とも言えない愛嬌があります(語彙力)。精巧な造形のガチャガチャに抱く感情(「何コレ、リアルでかわいー!」ってなるアレ)に近いかもしれません。

前述のとおり、自分はもともと宮崎あおいクラシカルなデザインが好き(2回目)なわけですが、G100のデザインは特にクラシカルな方向というわけではありません。しかし、逆にモダンに振っているわけでもないので、ストラップやレンズフードなどのアクセサリー類でどちらの雰囲気にも持っていけるんじゃないかと思います。加えて、説明が難しいのですが、どこか質実剛健な雰囲気が結果として醸し出すクラシカル感みたいなものがある気がします。 ある種の「渋さ」とか「イナタさ」「道具感」みたいなイメージでしょうか。まぁその方向性ではFUJIFILMが代表格かと思いますが、G100の場合、前述の愛嬌も併せ持っているためか、FUJIFILMほどオシャレに昇華している感じではなく、「渋かわいい」的な独自路線のような気がします。

ちなみに、GF9の振り切ったクラシカル感の演出は、かわいらしさと同時に若干のあざとさも感じられるもので、G100のそれとは結構イメージが異なります。GF9ももちろん嫌いじゃなかったんですが、より飽きがこないのはG100の方かもしれません。

バリアングル液晶

これは一長一短あります。正直、ちょっとしたローアングルなどは、サッと角度が変えられるGF9のチルト液晶の方が手軽で使いやすかったです。光軸上に画面があるのも自然で気持ち良いですし。特に子どもが被写体の場合、ストラップで首から下げた状態のままお腹あたりの位置から狙うと、ちょうど子どもの目線のようなアングルで撮れるのがおもしろいんですが、この撮影方法はチルトの方が断然楽でした。

ただ、縦向きのロー/ハイアングルなど、バリアングルでないと撮りにくいものもあります。カメラを向けられていることに気づいていない子どもの自然な表情を撮ろうと、少し無理な角度から狙うような場合、バリアングルの方が圧倒的に自由度が高いです。

まぁチルトでできることは基本的にバリアングルでもできるわけで、逆(バリアングル→チルト)だったらあきらめる部分も出てきたかもしれませんが、細かな使い勝手の差は結局慣れなのかなと思います。液晶の違いよりも、ファインダーという選択肢が増えたことの方がデカい気がします。

ファインダー搭載

これが意外と大きな違いでした。当初、ファインダーのないS100の後継探しということで、あまりファインダーの有無にはこだわっていませんでした。しかし、GF9に望遠レンズを付けて構えた際、自然に顔をカメラに近づけ、そこにあるはずのないファインダーをのぞこうとした自分がいました。

実は、父親が生前カメラに凝る人だったので、物心ついた時から一眼レフ(当時なのでもちろんフィルム)が身近にあり、構え方も幼少期に教え込まれていました。今回、コンデジやiPhoneと違い、左手でレンズを支えるように持ったことで、自然と当時覚えた構え方をしようとしてしまったようです。別に英才教育自慢をしたいわけではないんですが(実際構え方とか構図の話をちょっとされただけ)、「一眼と言えばファインダーをのぞくもの」みたいな感覚が自分の中にあるんだという発見があり、自分でも少し驚きました。

G100には、色味が若干アレなものの、比較的大型で見やすいファインダーが付いています。一眼レフ的な構え方で自然に使えますし、やっぱり「写真撮ってる感」があって楽しいです。物理的に周辺視野がカットされるので、背面液晶による撮影より没入感があるんですよね。ただ、調子に乗ってファインダーでばかり撮っていると、同じようなアングルの写真が増えがちということにも気づきました。ちゃんと動けば良いだけの話なんですが、ついつい普通に立ったまま、ただファインダーをのぞきこんで撮ってしまいがちなので、意識的に背面液晶と使い分けて、ローアングルなども混ぜるように心がけています。

また、よく言われることですが、日差しの強い屋外では単純に背面液晶が見えづらい場合があるので、ファインダーは実用面でも普通にメリットがあります。運動会なんて正にこのシチュエーションでしたので、身をもって実感できました。

要はファインダーも背面液晶も適材適所だと思うんですが、選択肢が増えたことがデカいのかなと感じています。

スチル性能

GF9との比較という観点で不満がないのは当然として、G100単体で見た場合、メカシャッターの最大速度がもうちょっとだけあればなーという気はしますが、今のところ大きな不満とまで言えるものは特にありません。まぁまだまだ一眼初心者ですので、これから使い込んでいくうちにいろいろ見えてくるかもしれませんが。

使い勝手の部分など、USB-Cにして急速充電と給電にも対応して欲しかったとか、ちょっとした不満がないことはないですが、正直そんなものは「軽量コンパクト」という圧倒的な性能を前にしてすべて許せてしまうという感じです。本当に「小さいは正義」だと思います(言ってみたかった)。

そして、やはり色味が好みです。

G100 + LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.
G100 + LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.
G100 + LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
G100 + LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
G100 + LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
G100 + LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 II ASPH. / POWER O.I.S
G100 + LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 II ASPH. / POWER O.I.S
G100 + LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 II ASPH. / POWER O.I.S
G100 + LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 II ASPH. / POWER O.I.S

サムネがすでにキットレンズではないので今さらアレですが、レンズも少し追加しています(レンズについてはまた別記事にしようかと思っています)。パナライカ15mmが調子良すぎて基本つけっぱなしなんですが、なるべくいろんなレンズの作例を載せてみました(と言いつつキットレンズの作例がないですが…あと縦向き多めですね)。

今のところ、あえて「JPEG撮って出し基本 + macOS/iOSの標準「写真」アプリでちょこっと編集」で運用している(これについても別記事にしようかと思っています)のですが、もともとの色味が好みなので編集にかける時間が少なくてすみ、非常に気軽に楽しめています。

動画性能

正直、あまり思うところはありません。Vlog用を謳っておきながら、ここが微妙だったせいでSONY機の影に隠れてしまっているという市場の評価のようですが、自分の使い方としては基本スチル、たま〜に数分の記録動画という感じなので、まったく問題ないです。

まとめ

コンデジを求めて始まったカメラ探しの旅は、結局マイクロフォーサーズのミラーレス一眼というゴールを迎えました。コンデジでもなければ、最初に選んだモデル(GF9)でもない、G100が相棒となったわけですが、なんだかんだ結果的には良かったと思っています。本当に「小さいは正義」(2回目)を体現したモデルだと思いますので、「Vlog用」などのイメージに捉われずに選んで正解でした。これからしばらくは、コイツと気軽にゆるく写真を楽しんでいこうと思います。

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