不妊治療の話 その3

前回はクリニックに通い始めて一年目前半の出来事、卵管造影検査とFT手術の話をしました。

今回は一年目後半の出来事、主なトピックとしては

FT後のゴールデン期間
人工受精(AIH)について考える
ストレスと親戚付き合い

です。

FT後のゴールデン期間

FT手術は無事成功、卵管の通りも良く、妊娠しやすいゴールデン期間に突入し、夫の体調も整えてタイミング法にチャレンジしました。

結論から言って全てダメでした。
4月にFT手術を受け、翌月よりタイミング法を開始しましたが、まあ周期通りにリセット。
憎いほど周期通りで、ほんのちょっとの期待すらさせてくれません。
何よりリセットが来た時のメンタルの不調は手術を受ける前より酷かったです。
年齢的にも妊娠する確率はそこそこあって、かつ術後のゴールデン期間というボーナスタイム。
このボーナスタイムの半年で妊娠するだろうと心のどこかで期待を持っていた分、リセットが来た時の反動は大きく、荒れました。

人工受精(AIH)について考える

ゴールデン期間5ヶ月目くらいでしょうか。
「次が駄目なら人工受精も視野に」と先生に言われました。
当時はかなりショックを受けました。
まだ当時は20代後半(29だったかな)、
「クリニックに通って適切なタイミングを指示してもらえばこの1年の間には妊娠すると思っていたのに。」「まさか自分が人工受精まで進まないといけないほど妊娠出来ないなんて……」

そんなことが頭に浮かびました。
金銭的なこと、すぐに家族を作ってやれない現状、親に孫を見せてあげられない申し訳なさ、罪悪感、年齢の焦り……いろんなことが頭を巡り、涙が止まらない日々でした。

通っていたクリニックでは人工受精のタイミングでクリニック内の説明会を必ず受ける必要があり、夫婦で受けました。
当時はオンラインだったと思います。
これがまあよく出来ていて、人工受精とは何ぞやという説明から上記のようなメンタルに寄り添ってくれる内容で。
皆がそういう精神状態になるんだよ一人じゃないよ悪くないよということは分かったのですが、それでもまさか自分が当事者に……という思いが強くて皆もそうだから大丈夫とはなかなか受け入れ難かったです。

そんな私を見て夫はまずステップアップするにしてもメンタルを整えてからでないと意味がないと判断。
実際ストレスが強い状態では妊娠しにくいともクリニックで言われていたり、自分で調べたりで分かっていたことなのでそれもそうだと納得。
先生にステップアップを勧められ、説明会に参加したのが9月だか10月だかだったので、とりあえず年内はこのままメンタルを整えることを優先し、年明け新しい気持ちで人工受精に切り替えることにしました。
(この年明けっていうのがキリもよく気持ちの切り替えもしやすくて良かったと思います。)
夫は年明けまでの年内2ヶ月は治療自体をお休みしたら?という感じだったのですが、私が拒否。
限りある卵子が段々減っていくのを、2ヶ月何もしないで生理で感じるのが嫌だったから。
ストレスにならない程度に何かしらの妊活は続けていたいと、2ヶ月は自分達でタイミング法をした気がします。
(この数ヶ月で自分の排卵周期は掴めたし、夫の漢方も処方されていたので)

クリニックと関わらない、自分達だけの妊活なので失敗してもまぁそうよね😔くらいでメンタルは終われるし、通院回数が減る分ドライブとか2人で気分転換のデートを持つ機会も増やしました。

ストレスと親戚付き合い

年明けから気分新たにステップアップの不妊治療。
ここで一番の壁となった問題が、年明けお正月の親戚との集まりでした。

私の実家は元々親戚付き合いが薄く、お正月と言っても家族のみ。家族も両親の他、まだ結婚してない弟がいるぐらいですから気が楽でした。
何より自分の家族ですし、こちらの事情もよく分かってくれています。

問題が夫の家。夫の家は毎年お正月に家族の他、親戚が数名集まって皆でお昼を食べるという昔ながらのスタイル。
夫のきょうだいには妹がおり、私と同い年でこの年に2人目の子供が生まれています。
その他親戚も私と歳の近い(年齢はあちらのが上ですが)女性が多く、皆子持ち。
要は結婚して子持ちじゃない夫婦はうちの家だけなわけです。
前回のお正月もしんどいなと思ったけれど、本格的に不妊治療のクリニックに通い始めてから初めてのお正月(しかも通い始めたタイミングで生まれた0歳児がいる!)はかなりしんどいなと思いました。
夫に正直しんどい、今回ばかりは行きたくないと打ち明けました。
自分は長男だし皆来るのにそれは困る、と言われましたがどうしても辛い、子供にも会いたくないし、会えそうにない、せっかく次に向かってメンタルを整えているのにこれが一番しんどいと号泣して訴え……
結局、私は体調不良ということにして一足早く自分の実家に帰り(いつも夫の実家→自分の実家の流れでした)、夫のみが顔を出すことになりました。

幸い、義両親もFT手術のタイミングで治療のことを伝えてもらっていたので理解はして貰いやすかったと思います。
周りもコロナの時期だったので体調不良で念のため家に、という理由も言いやすかったです。

そんなこんなでしんどいと思う人に会う可能性は徹底的に避けていた当時でした。
義妹の子も、産まれて数ヶ月後のタイミングで会ってはいて(抱っこする気なかったのに抱っこさせられてしまいました。が、ゴールデン期間だったのでメンタル的にはまだマシでした)、顔は見ているのですが、あまり関わりを持たないようにしたせいで今も懐かれている感じはしません。
不妊治療のタイミングと同時期くらいだったこともあり、普通に子供が出来てたらこれくらいの歳なんだなと今でも会う度思ってしまいます。

でもそれは子供には関係ないことですし、そんなこと言われても知らんがなって感じだと思います。
この2.3年に出来てしまった溝は自分にも子供が生まれて、時間が経てば解決してくれるものだと思っています。
こういった実家(義実家)に顔を出す等の親戚付き合いがきっかけで夫婦仲がぎくしゃくする例をSNSなんかで見たりします。
私も義実家に行く度に今日は小さい子がいるか?と夫経由で探りを入れてたので嫌がられても仕方なかったと思いますが、前回、前々回で話したように夫婦一緒に不妊治療をするということで、治療をお休みしてメンタル回復に重きを置いているタイミングであったり、普段の細かなメンタルの変化を共有して理解を得られていたのが良かったのかなと思います。

もちろんちょっと気にしすぎと呆れられる時もありましたが……。
不妊治療において、夫婦間の問題として寄り添うという行動はお互い大事になってくると思います。
共通の敵は「不妊」という現状であって夫(ないし妻)や周りではないのです。

次はそんなメンタルを乗り切って年明け、いよいよ人工受精を始める話です。

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