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WHYから始めよ! サイモン・シネック|経営ノート

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スッキリ好き


ゴールデン・サークル。人はあなたがそれをしているWHYを買う

〈ゴールデン・サークル〉は、円の中心から始まる。すべてがWHY(なぜ)から始まるのだ。

「WHYから始めよ!」Simon Sinek

この本の結論は、すべてこの一行に集約していると考えている。簡単な一行のようで、非常に奥が深い。

人は明確なことの説明から始めて、不明瞭なことは説明をしないか後回しにする。結果として、大半の組織や人間が明確に説明できる自分のしていること(円の外側:WHAT)→ 明言が難しい自分がしていることの理由(円の内側:WHY)の順で考え、行動し、コミュニケーションをはかる。

しかし、傑出した存在になるには、円の内側:WHY(理由)→ 外側:WHAT(していること)へと向かう順に考え、行動し、コミュニケーションをはかることが求められる。では、なぜWHY(理由)から始めれば市場で傑出した存在になれるのか?なぜなら

人々は、あなたのWHAT(していること)を買うわけではない。あなたがそれをしているWHY(理由)を買う。

「WHYから始めよ!」Simon Sinek

だから忠誠心のある(熱狂的な)ファンがつき、抜きん出た存在になれるというわけだ。ここのところは、個人的にアタマで理解はできるが経験的に受け入れられない部分である。生活者が購買決定をする際に、企業のしているWHY(理由)をどれほど考えているだろうか?最終的には、価格やスペック、品質や買いやすさなどが大きく左右してくるのではないだろうか。

つまり、大半の生活者は企業のしているWHY(理由)を買うまで成熟していないのではないか。結局のところ購買決定は、企業のWHAT(していること)やHOW(手法)に大きく左右されているのが現状ではないだろうか。これは、企業側に明確なWHY(理由)がないために生活者側としても企業のWHAT(していること)やHOW(手法)で選ばざるをえない状況だともいえる。


エシカル(ethical)な時代へ

しかし、これは今までがそうであったというだけの話。飽和の時代に入っていくこれからは、変わってくる可能性は大きい。私が「経験的に受け入れられない」のは消費の時代を生きていたからであって、未来の話ではない。

最近は、大企業を中心に経営が変わってきていることを痛感している。SDGsというGoalsにむけて、企業として今していることの理由を明確に説明する経営者が増えてきている。また投資ではESG(環境・社会・ガバナンス)投資が広がってきていることもあり、経営として「世のため人のため」になぜそれをするのかを真剣に考えている経営者も増えてきている。

これは飽和の時代を迎えるにあたって、どのようにして持続可能な社会をつくっていくのかを本気で考える局面にきている表れだと考えている。とてもいい流れである。そうなると、なんでもかんでも売れればいい、利益さえ出ていればいい、生活者や労働者から搾取をして株主の配当を増やせばいいといった倫理観の欠如した経営は淘汰されてくる。

なんでもかんでも売れればいいという経営にWHY(理由)はない。WHYがないところに終始一貫したWHAT(していること)もない。そのような企業や人間が、人の心をつかむことはできない。人の心をつかめない企業や人間は、常には選ばれない。これからはそういう時代がくる。そういう時代に欠かせない原則を、最後に引用する。

ビジネスの目標を、あなたがもっているものを単純に欲しがる相手との取引成立に置いていてはならない。あなたが信じているものを信じてくれる相手との取引に集中すべきだ。自分たちの理念や信条といったものを信じてくれる相手とだけビジネスをおこなうように慎重に取引先を選びはじめたとき、初めて信頼関係が芽生えるのだから。

「WHYから始めよ!」Simon Sinek


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