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シナリオセンター8週間講座折り返し!印象に残ったことをまとめる

2月10日からシナリオセンターの8週間講座に通っています。

もともと、ドラマのシナリオを読む方なので、こういうお作法があるのだろうと予測はついていたんですが、それでもいろんな発見があってドラマを見る目が変わりました。脚本技術について理論的に理解できるのが、楽しすぎる。

脚本上の技術的な部分を腹落ちさせながら見てみると、同じシーンでも別の感動があります。ちょっと鳥肌が立ってしまうほど。

折り返しに来たので講義で印象に残った部分をまとめてみます。

脚本は指示書

脚本は柱、ト書き、セリフで構成されています。柱で時間と場所、ト書きで俳優さんの動きやある程度カメラに収めるもの、セリフで俳優さんが発する言葉が指定されています。

脚本は作品ではなく、映像を作っていくための指示書。人によって理解が異なるような、曖昧なことを書いてはいけない。

例えば、「太郎は愛おしく、花子を見つめた」というト書きがあるとします。愛おしい表情ってなんだろう? 人によって解釈が異なってしまう。「愛おしげに目を細めた」とか「じっと見つめた」とか書かないといけない。

どこまでト書きで俳優さんのお芝居を指定するかも脚本家によって違うようなので、ここまで書いていない脚本も多いのかなと思います。

映像に映らないものは書かない

意外と多いんです、映像に映らないものって。例えば時間、感情、人間関係など。わたしが確かに! と思ったのは目的でした。小説なら全部地の文で説明できますが、脚本はト書きで説明できません。映せないから。

12時って示したいなら、「時計が12時を指している」「お昼のチャイムが鳴った」とか、感情や人間関係を見せたいならセリフや仕草で示すしかないし、目的を見せるなら小道具を使って示すしかない。

タバコがなくてイライラして、買いに行こうといしているなら、タバコが空っぽになったのを見てるシーンとか、イライラして箱を投げつけるシーンとかを描かないといけないんです(他にもいろんな方法がありますが)。

『半沢直樹』を見ていたら、テロップでその瞬間の時間が示されてました。半沢がしてる腕時計を映すカットを挟むより、堺雅人さんの表情を優先したんだと思いますが、結構無理やり感があって笑いました。

柱が変わったら誰がいるか書く、男性は苗字、女性は名前

柱が変わるということは、現場では撮影する場所が変わるということ。脚本は指示書なので、その場所に誰がいるのかを書かないといけません。

また、脚本からキャスティングする役者の身体性を明らかにするために、男性は苗字、女性は名前というルールもあるようです。とはいえ、親子が出てきたりするとややこしいので、男性でも下の名前になってることもある。

何度も本打ちをして、関係者間で誰が男性で誰が女性かは分かりきってるので、男性でも下の名前で書いてることとも多いのかな(ドラマのシナリオ本読むと男性も下の名前で書いてある)

カットバックと回想

異なる場面を交互に見せるのがカットバック、過去の映像を途中に挟むのが回想です。

カットバックだと、感情を増幅させたり、緊迫感を出したりすることができます。例えば、誰かが部屋に向かってる映像と、誰かが部屋で待ってる映像を交互に見せて、実は違う部屋に向かってました、などサスペンスドラマとかでよくみるドキドキさせられてしまう手法です。

回想は、過去の映像を挟むことで人物の行動に説得力を持たせることができます。

『おっさんずラブリターンズ』6話の走っている牧のシーンも、ただ走らせておくより過去の回想が入ると、なぜ必死に走っているのかに説得力が増します。『半沢直樹』で、ちょくちょく雨の中土下座するお父さんの映像が挟まるのも、悪い上司を徹底的に追い詰めるという行動に説得力を持たせるため。

登場人物の行動はどんな経験によるものなのかがわかることで、見てる人は心を動かされます。そのために何を見せるべきか考えるのが重要なんだと実感しました。今見ている映像によって、こんなに心が動いているのはなぜか考えて、カットバックか! とか、回想が入るからか! とか考えると面白い。

発想について

ストーリーには24個の型しかないらしい。この型にアイデアを掛け算することで独創性のあるストーリーが生まれるとのこと。

発想の仕方として、既存の作品の構造だけ借りてくるという方法を教えてもらいました。桃太郎だったら「仲間を集めて敵を倒す」、かぐや姫なら「異世界から誰かがやってきてなんやかんやする」。枝葉を極限まで削ぎ落として、幹だけにしたらここまでシンプルな構造になる。

『アンナチュラル』は桃太郎っぽいなとか、『カラオケ行こ!』は、かぐや姫か?とか考えて、楽しかった。

人物の作り方、魅力的な人物とは

人物を作るためには、履歴をまとめることが大切らしい。性格、境遇、職業、人間関係、ポリシー、癖など。ポリシーを裏付ける過去の経験やそれゆえの決め台詞を作れるとなおよし。『半沢直樹』とかわかりやすいですね。しかも、強調されるように過去回想が入るのでなおさらです。

『silent』のプロデューサー・村瀬さんの書籍に入っていた『silent』企画書を読んだら、紬が「なに?」の手話だけ上手くなるという設定まで書かれていて、企画の時点でここまで決めておくのか、と思った。

あと魅力的な人物とは、憧れ性と共通性(欠点、弱点)があることが特徴とのこと。例えば『イチケイのカラス』の入間みちおの場合、裁判官という職業なのに事件にとことん寄り添うのが「憧れ性」で、周りを振り回しがちな上に、ふるさと納税をしまくっているおかしさが「弱点」。確かに魅力的なキャラクターにはカッコよくて憧れるところもあれば、どうしようもない弱点もあるというキャラが多いような。

キャラクラーをきっちり決めておけば、口調や行動に迷わなくて済むというのを課題をやりながら感じました。みんな同じような口調にならないように、自分の口癖がキャラにでないように気をつけないと。


講義は残すところ、あと3回(これを書いている間に1回終わってしまった)。ちなみに課題で書いているのは、200字詰め原稿用紙8枚。最終的には10枚になる。8週間講座のあとにゼミに進んだら、20枚シナリオを書くことに。コンクールだと50〜60枚。長編を書く場合、構成が一番心配。アイデアが湧いてくるかも不安。とりあえず今年は楽しく書く、コンクールに応募することを目標にやっていこう。


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