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【深い社会】13 組みわせたり分解したりのその先に

網羅を超えて、新しい何かを生み出すことにこだわったのが、ライプニッツです。

ライプニッツ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴットフリート・ライプニッツ

ライプニッツと言えば、数学や物理など、理系の印象ですが、
哲学・科学・政治・外交など、広いジャンルで活躍した人です。

ライプニッツの業績の一つが、「モナド論」
モナドとは、「単子」と訳されます。

古代ギリシャの哲学者たちの中で、すべてのモノは四大元素でできている、とされていたのは前述のとおり。
それとは別にデモクリウスが、「原子論」を主張しています。
「私たちも含め、すべては最小単位『原子』でできている。」
すごい考察です。

ライプニッツはこの原子論を引き受け、モノだけでなく、すべての思想、すべての概念も、最小単位の何かで構成されているのでは、と考えました。
これが「モナド」です。
もちろん現代科学に生きる私たちは、それが「原子」を指してるのだなと分かります。
ところがライプニッツは自然科学の世界だけでなく、社会科学の世界でも同じ原理を適用しようとしました。

ここにりんごがあります。
砕いてみました。
りんごの破片になりました。

もっと、砕いて砕いて・・・
すりつぶしてすりつぶして・・・
おそらく、水と繊維質、各種ミネラルになります。

さらに、細かく分けていくと・・・
Hとか、Oとか、になるでしょう。これも「モナド」。
これ以上分けられない最小単位。
自然科学ではそうです。

ここにりんごがあります。
砕いてみました。
り。
ん。
ご。
ひらがな1文字。これも「モナド」。
これ以上分けられない最小単位。
「言語」という社会科学ではそうです。

そう、ライプニッツの言う「モナド」とは、「記号」ととってもいいでしょう。
記号学の祖は「ソシュール」や「パース」と言われていますが、
もうこの頃から、記号の概念は誕生していたんです。
ライプニッツはさらに、考えます。
彼の知識の中には、ラモン・リュイの「ルルスの円盤」がありました。

「普遍語を組み合わせて、神の言葉を作る。
それぞれは意味のない言葉が結合して意味を作る。ならば・・・」

「私たちの周りにはたくさんの言葉がある。
言葉一つ一つを分解すると、アルファベット26文字になる。
ということは、このアルファベットを結合しなおせば、
その中には必ず、新しい発見があるはずだ。」

たしかに、まだ表れていない言語の中にはきっと新しい発見が含まれていることでしょう。
W・I・N・D・O・W・Sも、
I・P・H・O・N・Eも、100年前はなかったですしね。
この考え方を「人間の思想のアルファベット」と呼びます。
なるほどー。

さらに、ライプニッツはこの記号の組み合わせで、新しい何かを発見する方法を3つ挙げています。

1 総合
記号を組み合わせると、全体として新しい何かになります。
上位概念の発見です。

2 分析
記号を分解すると、その記号が生まれた因果関係がわかります。
下位概念の発見です。

総合も分析も繰り返して無限に続きます。
どこかで手打ちをすることになるでしょう。
この2つだけでは、発見の方法としては負荷が強いです。
もう少しお手軽に発見したい。
そこで、3つ目を挙げます。

3 目録
組み合わせたもの・分解したもの、それらの記号をリストアップします。
羅列された記号を眺めたとき、組み合わせ・分解、以外の視点で共通点や関係づけが起きてきます。
これも発見の方法であると言っています。

このような発想を持てたのも、ライプニッツの多種多様な仕事の中に「図書館司書」があったからでしょう。
彼が採用した目録方法が「カード目録」!
若者は知らないかもしれませんが、昔は図書館の在庫管理をカードでしてたんですよ。
本を動かすのはとても大変ですが、カードで目録を作っておけば、
その管理方法は自由自在です。

そして、ライプニッツは、世界中の知識の目録作りを夢見ます。
ああ、あれがあれば、新しい発見が様々に生まれるに違いない・・・
それは何でしょう。
そう、あれです。

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