IT業界四方山話

IT業界を批判的に書いたnoteがイチャモンつけられてしまったそうで。
業界に長く居る身として、何か書いた方がいい気がして筆を取りました。
例え一面的だろうが、批判は批判で、事実は事実として、そうですねって、受け止めればいいのにね。
「ウチは違う!」ならそれでいいじゃないですか。

1.IT業界のブラックさの由来について

個人的に理由を挙げるとするなら、大きくは三つあります。

①.技術の発達に対応できる人が少ない
仕事道具がちょっと変わった、とかでは済まないレベルで技術が発達してしまっていて、これに対応できる人が需要に対して圧倒的に少ないです。
微妙な例えですが、プロ野球選手から野球観戦してヤジ飛ばしてるだけの人も全部ひっくるめて「やきうの人」ってラベリングした場合と
「IT業界で働いてる人」が同じになってしまうくらい、能力差が大きいです。

そして世の中からは三軍以上の実力を求められているものの、選手からコーチ、監督に至るまで人手が全く足りません。
ヤジ飛ばしてるだけの人なら余るほどいるのが悲しい限りです。

②.サービスレベルの要求が急激に上がった結果、人も組織も追い付けてない
動いて当たり前のサービスを提供するのは分野を問わず大変ですが
幸か不幸かIT業界もその仲間入りを果たしてしまいました。
※今でもよく落ちるサービスは割とありますが!

ただし、それもここ20年くらいの話だと思うので、多くの会社で上位の管理職・経営層がその変化に事実上ついていけてないのではと思います。
昔(その人たちが若かった頃)の感覚で組織を運営している人、多いんじゃないでしょうか。自己流だ!とか言ってね。

経産省やIPAからは契約を初めとして様々なガイドラインを出してますが、見ている人ってどれだけいるのだろうと思います。
炎上プロジェクトのフォローに入り、締結された契約書の内容を見て頭を抱えるというのは、PMの通過儀礼の一つではないでしょうか。
勿論ちゃんとしているところも見たことはあります。

③.ずっと人を使い捨ててきた
最近は改善しつつあるように思いますが、あくまでここ最近の話であって、この爪痕はとても大きいです。
現実を直視する前提に立つなら、これに異論ある人はいないと思います。
もし異論のある方は、新卒時の同期の何割が生き残っているのか数えてみてはいかがでしょうか。もし沢山残っているならば、それを学生さんに説明してあげると、皆安心できると思います。
何割残っていると皆安心してくれるんでしょうね。

改善のタイミングは、体感的には2016年頃が境目で、それ以前はそれこそ80時間以上の残業は当たり前で転職活動をする暇もなく、会社を辞めたかったら『体を壊すか精神を病むか鬼籍に入るか』の三択を無言の圧力で迫られていた人は多かったと思います。現場猫も真っ青ですね。
ちなみに個人的な正解は『会社を休んで(サボって)転職活動をする』です。

この③は本当に問題で、責任感がある多くの人が潰えてしまいました。
年輩で生き残っている人達は、スペックが高いか、鉄人(只管タフ)か、要領が良いか、あるいはたまたま運が良かった人でしょう。
私は要領2割、幸運8割で生き残ったクチですね。

2.これからIT業界を目指す人達へ

一次受けと言われるような会社(◯◯系列上位、××総研、△△コンサルティング等々)に入っても、よく言われているような問題は程度の差こそあれ基本的に回避できないと思います。
これは転職系のサイトのコメントからも分かると思います。
どこも地獄やんけ。

IT業界には覚悟して飛び込んでください。

3.それでもIT業界で戦おうと思っている人達へ

人には様々な背景があると思います。キツイ戦場で戦わざるを得ない人もたくさんいると思います。
ようこそIT業界へ。上手く生き残っていきましょう。

③の問題は改善しつつあるので、これからの人達はあまり気にしなくても大丈夫だと思います。多分。
②の問題は、ヤバいと思ったら即異動・それがダメなら転職してしまいましょう。会社と社員はお互い利用し合う関係なので、あなたにとって一方的に不利だと思ったらその職場を離れた方が良いです。
ただし、同じ会社の中でも特定の部署(役職者・古株)だけ突出しておかしいというのもよくある話です。まずは異動を希望して様子を見てみる事をお勧めします。おかしい人が残っている理由を深く考えてはいけません。
①の問題は、どうしようもない話なのですが、敢えて言うならば次の2点に慣れておくと無事に生き残れる確率が上がると思います。
それは『新しく何かを学ぶ』『学んだことを自分の中に落とし込む』です。

今後も新しい技術や手法が必ず出てきます。なので若い内から学ぶことに慣れておいた方がいいです。厳密に言うならば、学ぶ習慣を忘れないようにする、でしょうか。学生のうちは皆勉強してましたよね。
『自分の中に落とし込む』の基準は、個人的には『図を描いて人に説明できる』が達成できればOKと思います。簡単なようでいて、これが意外と難しいのですが、できるようになると楽しいと思います。ドヤ顔もできます。

この2つに慣れておけば、仮にIT業界を去る事になっても、人生におけるスキルとして、他の業界でも役に立つのではないかと思います。

4.さいごに

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
各人言いたいことは色々あるかと思いますが、まぁ、あれですよ。

みんなで幸せになろうよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?