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ミック&マティック

こんな時間になりましたが、今日はシステムの話。

システム(system)を論ずるときに使われる言葉に、システミック(systemic)とシステマティック(systematic)という、似たような2つの言葉があります。

システミックは「システムとして」という意味であり、システム全体を「丸ごと全体として」という意味で用いられます。ホリスティック(全体として)という言葉とややニュアンスが近い言葉ですが、システミックという言葉は日本では馴染みが薄く、あまり耳にしません。俯瞰的、包括的、全体的という日本語が使われているのが実態です。

一方のシステマティックは、システムを要素還元論的に分解して理解するとともに、分解された要素を再構成してシステム全体も理解する、というやり方。日本語では組織的、系統的だそうで。「システムズ・エンジニアリング」という考え方の基本は"システマティックであること"だそうです。

ではさて『SDM:システム・デザイン・マネジメント』というのは、システミックとシステマティックのどちらなのでしょうか?

これは全体主義か?還元主義か?という二項対立ではなく、答えは両方なんでしょうが、後者のイメージが強いのは要素としての"部品"を組み立てて全体という"製品"を作ろう!という「システムズ・エンジニアリング」の精神が、先に製造現場に根付いてしまったから、なのかもしれませんね。"組織"というイメージも"人"が主語なのはここに理由があるのかも。人材開発と組織開発は、本質的には全然違うんですけどね。

一度培われたイメージを変えるのは、新しいことを植え付けるよりも難しい。どうやって意識を変えるのか。悩ましい課題ですね。


[2023.03.23投稿]


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