結局_人間はラベルを付けるのが好きなんだと思う__4_

採用担当者に告ぐ。面接での『弊社のことはご存知ですよね』って何なの?

こんにちは、カナダ(トロント)でフリーランスマーケターをしているKEI(@kishikawa1126)です。

フリーランスになってからも昔に正社員として転職活動をしていたときもずーっと思っていたんですが、面接官のあのセリフなんなんですかね。

『弊社のことはもうご存知ですよね』

とか、

『ホームページとかもう見てもらってますよね』

とか。

正直言いますけどね。知りませんよ

どっちが上とか決める気はありませんが、「入りたいから応募してきたんでしょ」みたいなスタンスが毎回イライラするのはわたしだけでしょうか?

聞き方が完全に「イエス」としか言わせないこの質問パターン。

特に(今流行りの)Wantedlyでは、気軽に「まずは話を聞いてみたい」というボタンを押して、企業側に「興味がある」ことを伝えられるようになっています。

それにも関わらず、いざ面談になるとこの質問。

誰もが知るようなグローバルまたはナショナルブランドならまだしも、スタートアップないしはベンチャーでこう聞かれるとめっちゃ萎えます。

しかもわたしの場合はプロフィールに「海外在住なのでリモートです」って書いているにも関わらず、定型文で「オフィスに遊びに来てください!」みたいな返信する採用担当者。

控えめに言って、採用担当から外れた方がいいと思う

忙しいのも分かるし、応募多数だということを鑑みたとしても、レス1つ丁寧にできない人が会社の行先を決める人事に携わっているとか恐ろしいですよ。

しかも面接ではこっち(応募者)が話すばかりで、採用側は全然話さない。なんやねん!ってなります。本当に。

わたしは日本のベンチャー企業で4年半勤務し、そのうち3年+は採用担当として書類選考から最終面談までを一貫して担っていました。

会社規模としては決して大きくありませんし、知る人ぞ知るといったブランドでしたが、面接で大切にしていたことがあります。

今回はそれらをまとめましたので、企業採用担当者には是非読んでもらいたい記事です。

『応募』という温度を理解する

まずはなんと言ってもこれですね。

採用側からすると大多数の応募の中の1人、または、数少ない応募の1人かもしれません。

求人掲載するにはコストもかかっていることでしょう。

でも応募側の心境も理解すべきです。

リクナビにしろ、Wantedlyにしろ、応募者は自分の履歴書を完成させればワンクリックでいくらでも応募できるわけです。

応募数に制限はありません。

中には「この会社で絶対働きたい!」という単願もあり得るでしょうが、基本的には、複数社に「とりあえず」応募している人が多いことを理解しておくことが賢明だと思うわけです。

自社の立ち位置を理解する

採用担当者がまず理解しなければならないのは『市場における自社のポジショニング』です。

それは競合のいる市場ではなく、一般的な『エコノミー』における自社の立ち位置を指します。

社内にいると自社の認知度が鈍ると思いますが、ここを正確に把握していないと、面談で「採ってあげる側」というトンデモ勘違いを起こします。

一般的な認知度がどの程度なのか、どう評価されているのか。

特に採用担当者は、この辺りを冷静に肌感覚に落とし込んでおく必要があります。

面接とは『お互いのストーリーを共有する場』である

わたしはたかだか数回の面接で企業にとってのベストパートナーを見極めるなんて不可能だと思っています。

面接で目の前に座る人はその背景に20年も30年もの歴史があるのです。

あなたが辿ってきたのと同じように、紆余曲折があって、それが味になってその「人」というブランドが形成されているのです。

それをたかだか数回の面接ですべてを知るなんて高が知れているんです。

じゃあ面接はなんのためにするのか。

それは『お互いのストーリーを共有するため』に他なりません。

多くの採用担当者は「選ぶ場」と勘違いしていますが、「何様ですか?」。

お互いのこれまでのストーリーを伝え合い、大切にしている想いなどを共有するんです。つまり、すり合わせの時間です。

お互いの共通項を見つけて、同じ思いでゴールに向かえるチームになれるかを確認する時間なわけです。

具体的には、まずは企業が自己紹介をして、大切にしている理念・届けたいミッション、価値を言葉にする。

応募者が調べてきているかいないかなんて二の次ですよ。

知っていようが知らまいが、大切なのは、企業をきちんと理解している人がその想いをその人の言葉で届けることにあるんです。

そのストーリーを聞いたうえで、応募者も自己紹介をする。

ちなみに、ここで採用側が見極めるべきは、『今』与えられた想いに対して関連キーワードを盛り込めるかどうかという対応力でしょうね。

採用活動とは企業ブランディングの一部である

あなたが面接で会った人の中には、あなたのブランドを「就職活動」または「転職活動」を通じて初めて知った人も多いです。

つまりその人たちにとってのタッチポイントは採用担当であるあなたです。

よって、あなた次第で、ブランドに抱く印象はプラスにもマイナスにも振れます。

採用に至らずしても、ブランドに感銘を受けて強く共感してもらえれば、顧客になってくれる可能性もあれば、口コミで紹介してくれる可能性すら秘めています。

採用過程では、営業せずとも営業しているのですから、なおさら「偉そうに選ぶ側」なんてスタンスはご法度なわけです。

ご縁がなくても「何かを得て帰ってもらう」ことを意識する

(これは個人面接での場合です。)

正しい言い回しが見つからず「偉そうじゃんw」と言われ兼ねないのですが、、

わたしが大切にしていたのは「ご縁」ということ。

今回の面接が「採用」という形で実らなかったとしても、お互いに費やした30分、60分という時間はかけがえのない『投資』です。

「あー、うちとは合わないやー」ということで淡々と切り上げることもできるでしょうが、それではその時間は単なる消費です。

採用担当者は多くの人を見てきているはずです。

その知見を活かしてアドバイスしてあげたらどうでしょうか?

ハイスペック過ぎて報酬の面で採用できないのであれば、他社でゴリゴリ業績を上げていて、それでいてミッションなどに共感できるところを提案してみるとか。

逆に「この人、営業より●●の方が向いてるかも?」と思えば、その提案もありですね。

「今のスキルに●●も追加されたら無敵ですよ」とかも知りたいでしょう。

特に20代の就職・転職活動では、こういったフィードバックは有り難いものです。

まとめ

わたしの座右の銘は「一期一会」。

この一瞬は二度と戻らない、唯一無二の瞬間なのです。そこに他者が加わればその貴重さはさらに意味を増しますよね。

面接で会う人も何かしらの因果関係があって、あなたに会うという事実に導かれたのです。

そのご縁を「大切だ」とか「貴重だ」と思えれば、採用活動は大きく変わり、企業にとっても素敵な出逢いが増えるのだと思います。

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