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DEEP IN MODULAR #モジュラーシンセ 備忘録⑤ モジュラーライブに向けて

昨年夏ごろからモジュラーシンセにはまりにはまって、モジュールもアレコレ売ったり買ったり作ったりこねくり回してだいぶ手に馴染んでまいりました。

始めた当初は、「触っていて面白い」という非常に単純な欲望に突き動かされてやっていたんですが、新たに手に入れたモジュールの機能やパッチの仕方等をネットで調べていると、様々な人たちのモジュラーライブの動画をちらほら目にするんです。自室で一人黙々とやってるものから、大きなフェスでのライブまで。まぁいろいろあります。そんな動画を観漁っていると「ライブやりたいなぁ」などという助平心がむくむくと湧き上がってきました。そんな勝手な夢想にふけっているとき、程よいタイミングで心優しき後輩から、彼がオーガナイズするパーティでモジュラーライブをやってくれとオファーを頂きました。ありがたやありがたや。って、そのパーティってもう本日なんですけどね。

ライブに向けてここ数ヶ月考えたことをつらつら書いておこうと、今回はそういう趣旨のnoteです。

「モジュラーらしさ」とは

どうせやるならグルーブボックスやソフトシンセじゃちょっとできないことしたいよね、というのが全モジュラー愛好家の矜持ってもんでしょう。なーんてそんなこと言ってると手が止まってしまうので、ざっくり考えたいと思います。まずはライブをやってみることが大事。

モジュラーを使ったライブパフォーマンスというと、ざっくり言ってしまえば、アンビエント/実験音楽的なものダンスミュージック的なテクノかのどちらかだと思うんです(乱暴!)。今回お誘いいただいたパーティはミニマルなテクノ/ハウスな内容。自分以外の出演者はみなDJなので、一晩の流れから言っても実験音楽ってのはなしでしょう。自分が普段やっているDJもテクノ/ハウスな音がほとんどなので、今回のライブはそういう方向性でモジュールのチョイスを考えています。

しかし「モジュラーらしさ」で言えば、アンビエント/実験音楽的な音の方が向いている気がします。例えばドローンのように持続音を長いタイムスパンで変調させたり、ランダムな音階、ランダムなタイミング、さらにランダムなモジュレーション等々はモジュラーシンセが得意とするところです。エクスペリメンタルな実験音楽風なものにはぴったりなツールでしょう。この偶発性をDTMで表現するのはなかなか骨の折れる作業ではないかと思います。(VCV Rackのようなモジュラーのシュミレーターなんかもありますが…)

とはいえダンスミュージックにモジュラーが向いてないということはないです。昨今リリースされるミニマルテクノはモジュラーを使っていると思しき曲も多くなってきている印象です。しかしそういう曲でも、鳴ってる音すべてがモジュラーというのは少ないと思います。その理由はおそらく、シンセ音にしろリズムにしろ、繊細な作り込みにはモジュラーは向いてないからではないかと思います。(特にライブで即興でという話になるとなおさら難しいかなぁ)

ライブセットを考える

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ではどういった方向でライブパフォーマンスの音作りを考えるかといえば、アナログオシレーターの野太い音をノイジーに変調させて奇数ステップの音階を4/4のシンプルなリズムに乗せる…というような荒々しいハードミニマルっぽい感じを狙った方がいいのかなと思っています。

ぶっちゃけクラブでのモジュラーライブといえば、私にとってのロールモデルは、数年前のSurgeonです。あの感じをもう少し自分ぽい好みの音に落とし込みたいなぁと思ってます。

ちょっとDTMでは出せなそうなヘンテコCVモジュレーションがかけれればモジュラーらしくて面白いかなと思います。とはいえ、今回持ち時間は1時間なので、音色とリズムのバリエーションをどれだけ作れるかで、飽きずに聴けるライブができるかなと考えております。

上画像が今回のセットです。5種類のオシレーターと3種類のシーケンサー。これにさらにSQ-1。リズムのシーケンスはいろいろ考えましたが、割り切ってBeatstep Proです。チューリングマシンとマーブルズで面白いフレーズが作れればいいですね。ウォグルバグは使いすぎるとくどいから気をつける。エフェクトはチープなエコーとStrymonのリバーブでフィードバックをブインブインさせて展開つくれるかなぁ。あとはもう諸々その場で考えるしかないですねぇ。あとはお酒に飲まれなければちゃんとできるはず!これ一番大事かも。

というわけでライブで最も大切なことは、「酒は飲んでも飲まれるな!」です。いやマジで。では今日はこんなところで。




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