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【部下必読】朝令暮改!すぐ怒る!ハズレ上司の対策方法

先日、建設事務所勤務の方から、仕事の悩みについて相談を頂きました。

職場に相談出来る人がいないらしく、私でよければ、ということでリモート相談会を開催。

相談できる人がいないという時点でだいぶつらい職場環境なのですが、
上司のオバさんが、何を言っても話を聞いてくれない、屁理屈で返答する、という調子のいわゆる「お局様」でその対応がツラいというのが最大の悩みとのこと。

お局様とは、職場に長く勤めているベテラン女性社員で、口調・態度・性格がきつい人の暗喩ですが、詳細を聞いてみるとまさにこのタイプ。

古株のお局上司から日々強く当たられ、否定され、ろくに話も聞いてもらえない、、、という調子で、毎日辞めたいと考えているとのこと。
そりゃ辞めたくもなります。

上司ガチャ問題

こういった配属先の上司に対して不満を抱いてしまうことを「上司ガチャ」と揶揄されます。多くの企業では、会社に入って、どういった上司になるかは運が影響します。

就職の決め手はなんであれ、自分と合っているから就職するという判断になったと思います。しかし、企業の内情として、社員への経営理念浸透の程度や、「リーダーシップ教育がどれくらい施されているのか」という定性的な部分は事前に測れないものです。

配属予定の上司が面接してくれたとしても、面接というオフィシャルな場で構えた状態ではなかなか普段の自分は出さないもの。

その人の性格的な「正体」を見分けるのは、特に社会人経験の少ない新卒のタイミングでは難しいのではないかとも思います。

今回の相談者のケースのように、
上司がとんでもない人だったと後々わかるケースというのは「騙された感」も相まってかなり精神的に負担がかかります。

株式会社アッテルによる2022年3月の調査では、
「上司ガチャ」にはずれた経験のある人は実に約8割だったそうです。

引用:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000046088.html

お局社員対策

社会人一社目なので、最終的には転職エージェントに登録して
営業と話を聞き、まずは外の世界を見るのが良いでしょうという
アドバイスをさせていただきました。

個人的には、このような精神的に辛いまま無理に働いて
悪戯に精神を病むよりは、その職場から早々に離れる方向で
転職活動に勤しむのが一番だと考えています。

とは言え、辞めるまでの期間は嫌な上司と
相対しなければならない時間が続きます。

対処法はどうすれば良いでしょうか。

お局様の傾向をまず整理してみます。上述の株式会社アップルの調査結果から、ハズレ上司達の特徴のなかでトップ3の回答は以下のような項目です。

・指示が分かりにくく一貫性がない
・高圧的な態度をとる
・すぐに怒るなど感情的になりやすい

後から調べて驚きましたが、今回の相談者に教えてもらったお局社員の特徴とほぼ合致していました。
これらの特徴に対してそれぞれ傾向と対策を考えてみます。

業務指示への対策

指示が分かりにくく一貫性がないという傾向に対しては、二つに分けてみましょう。

指示の曖昧さ

まず、指示の曖昧さに関しては、明確に文章化してもらうことです。仕事に関して曖昧のまま仕事を続けると必ずミスや伝達漏れが起きます。

指示は、特に初めの段階においては可能な限り詳細にする必要があります。これは上司の役目です。

高等伝達では詳細に説明しても記憶に頼ることになり、曖昧さを助長してしまいますので、その対策として「必ず指示はメールや文章に残して渡す」という作業を徹底することです。

一見手間に思えますし、多忙な現場において細かい指示をしていると時間に追われ進む仕事も進まない状況になると思われるでしょう。

しかし、そういった状況であるほど、部下が記憶に頼って作業することで発生するミスによって手戻りが発生し、そのトラブル解決に時間が取られるリスクが高くなります。

部下も確認が必要な際には、まずその指示内容を文章を振り返り自己解決を試みます。それでも解決しなかった不明点についてのみ上司に確認しますし、ある程度不明点の解像度が高まった状態で質問するため、上司も答えやすくなります。

指示の一貫性のなさ

次に、一貫性がない、という傾向についても、結果的にはこの対策が効果的です。

朝令暮改などと言われますが、指示がコロコロ変わる理由は、上司の思考が
整理されていないためです。

仕事歴が長いベテラン社員の中には、記憶やスキルに頼るあまり、ドキュメントや文章に落とし込むことを敬遠する方がいます。

思いつきで指示をしてしまうと、作業内容の検討不足であることがほとんです。その指示の目的が的外れであったり、効果が低い非効率な作業であったり、前提条件に漏れがあって作業自体が意味のないものであったりします。

これは文章に落とし込むという作業の中で、理由や背景、条件、アウトプットのイメージなどを上司がまず十分想定することで回避できます。

指示をするための文章を書いている最中に、上司の脳内で再度整理され、ブラッシュアップした内容が文章として出力されます。結果、精度の高い「指示」が出来上がるというわけです。

その指示も十分でない場合には、堂々と部下は指摘ができます。複数の意味にとれる文章表現がある場合や、指示の具体的な「期限」「対象」「プロセス」などが盛り込まれていないならば、確認しなければ進めることができないからです。

確認を求めている最中に、上司の中で再度、指示に関する内容が整理され、指示自体の内容が変化することもあり得ます。

部下にとっては、「確認をしていたら指示の内容が変わった」という現象が起きますが、実作業を進めていなければ手戻りはありませんし、繰り返されれば上司本人がバツの悪い思いをしますので、次第に指示内容についてもよくよく考える上司に成長するきっかけにもなります。

上司の向上心次第ではありますが、部下が上司を育てる、という構図ができ、お互いに尊敬し感謝し合う関係性の構築にも一役買うことができます。

文章化はメリットしかありません。

文章で指示をしない上司ほど、自身の役割に怠慢であると私は考えています。

口頭指示が多い傾向にあれば、まず文章で送ってもらうよう誘導しましょう。

内容を正確に把握したいため、と言う理由でメール等で送ってもらうよう依頼するか、指示された内容を逐一文章化し、確認を依頼すると良いでしょう。

感情的な態度への対策

ハズレ上司の特徴には以下2点がありました。

・高圧的な態度をとる
・すぐに怒るなど感情的になりやすい

これらは感情や態度といった、性格に影響する内容です。
ここでは、「すぐに怒る上司」と「高圧的な上司」は同一とみなします。

感情的な上司への対策

理由は後述しますが、まず対策としては、冷静に怒っている相手にこちらの感情を伝えると良いと思います。

これは実際に私がよく行うのですが、上司、またはお客様であったとしても、高圧的な態度を取る方には、その態度によってこちらがどう言う感情を抱いたかを正確に伝えるようにしています。

例えば、こちらの対応に対して、高圧的に非難されたとします。

私の場合は、その言葉の一つ一つを記録し文字に起こします。相手の方に対しては、その文字に起こした言葉を一つずつ見せながら、私の抱いた感情を説明します。あくまで冷静に。

「このように発言されたが、事情がありこの対応していた点について考慮いただいておらず、大変寂しい」
「このように発言されたが、認識が違っていた。ご期待に添えず大変悲しいと思っている。」

と言った具合です。

事前準備として、伝える内容を言語化し、台本を作ります。

十分に相手の反応を予測したシミュレーションを行うなど、独り言でリハーサルをこなしてから望むと良いと思います。

私も、そういった対人関係のクレームの際には、まず台本を書いて、人知れず話す練習をしてから、二人きりの時間をもらって直接話すようにしています。その台本は対面であれば持参するようにしています。別に見られたとしても、これから伝えることなので特に問題ないはずです。

実際、台本を用意しておくと、作る過程で意見を整理できますし、いざ話すときはカンペを出して練習通り読むだけなので楽です。

感情を伝えると言うのは、胸の内を吐露することです。怒られてマイナスな感情が生まれるのは当たり前です。その感情を自分が与えてしまっていると感じて、それでも輪をかけて怒るという人は経験上多くありません。

私もその台本を読み終えた後は、お互い冷静に今度のことについて話し合うことができた経験があります。相手は改善をどうする、こちらは対応としてこうする、と言った具体的な行動プランを話し合え、建設的な意見交換に入るための前提条件になります。

相手が怒っているほど、こちらは冷静に対応するのも重要です。
時間を置いても良いと思います。
逆撫でしないようなタイミングを見て、自身の感情を伝えてみることで、深く理解し合える関係性を構築する一助になります。

なぜ上司は怒るのか

すぐに怒る、高圧的になる、というコミュニケシーション手段を取る上司は、シンプルに自制心を失っていることに他なりません。

「怒る」とは、本来精神的な脅威に対して、対抗するための行為です。

脅威とは「怖い」「不安」などといったもののほかに、「悲しい」「虚しい」「寂しい」などの一次感情が元になっています。「悲しい精神状態」のような状況を脅威と見なし、怒りによって対抗するのです。

「怒り」は二次感情と言われ、これら一次感情が発達した結果生まれる感情です。

怒りの発生には段階があります。
何らかの精神的脅威を感じた(1段階)、その脅威に対抗するために怒りに変化した(2段階)、という流れで発生し、本来、怒りは意図的な動機があります。

なぜこのように部下に怒ってしまうかといえば、怒ることで部下が脅威で亡くなるからです。

上司にとって部下は脅威です。例えば、部下の普段の行動は、このような脅威に変換されています。

  • 部下が仕事に失敗した → 上司である自分が詰められてしまう

  • 部下が陰口をいった → 上司である自分が他で権威を落とされている

  • 部下が仕事で結果を出した → 上司である自分が会社に不要と思われる

  • 部下が意見してきた → 上司である自分の言うことを信じていない

これらはあくまで思考の例ですが、「やっかみ」のようなものを抱いているベテラン社員は多いです。過去私も何度もこういった、いわば幼稚な社会人の態度に晒された経験があります。

本来そんなことを考える理由や理屈は全く持ってないのですが、これは認知の歪みが上司の中で発生していると考えられます。

会社において十分に自己実現できていない社員に多くみられ、徐々に自身の成果に原因が多くあるためという歪んだ思考に陥ってしまうようです。

お局上司は、よく会社やクライアントの文句を言っていないでしょうか?

文句を言う、と言う行為には、責任は自分よりもその対象に多くあるという思考の現れです。文句を言っている時間があれば、自分で改善行動を取れば良いだけですし、一流のビジネスマンは決してマイナスの言葉を他者に吐くことはありません。

こう言った認知の歪みはさまざまな種類があります。多くみられる「敵意帰属バイアス」は、ブログ記事にまとめましたので参考としてください。

内的な理由で上司は怒り、高圧的になってしまったとしても、24時間怒り続けると言うのは人間のバイオリズム上不可能です。

対策としてはタイミングを見て、まずは高圧的な態度を取られた結果、どのように感じたのかを話すと良いと思います。落ち込んだのなら落ち込んでいると言うことを伝え、仕事のパフォーマンスが影響していると言うことも併せて伝えましょう。

結果それは事実であると言うだけで、企業としては何らか対策を打つ必要があります。上司の問題とみなせば、配置転換やリーダー研修が試されますし、部下に問題があるとすれば、スキルアップのためのトレーニングなどが打ち手になるでしょう。

上司が自身で改善するという意識改革が起きれば最高の結果です。

いずれにしても、部下が人間関係で辛いと思っている状況を一方的に我慢する必要はありません。従業員は会社を選ぶ権利があります。無条件に終身勤め上げる必要は現代日本ではありません。

まとめ

お局社員、ハズレ上司対策として、以下を解説しました。
・曖昧な指示に対しては、指示を文章でもらう
・高圧的・感情的な上司には、部下の感情を伝える

ハズレ上司のもとで働く不遇な部下の方の参考に、少しでもなれば幸いです。

ではまた。

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