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わからない、と言える勇気を持とう

エンジニアを長くやってきて、最も大事にしているのが「分からない」と伝える勇気だ。初心者時代に先輩に教えていただいた言葉である。

人は年齢を重ねたり、キャリアが長くなっていくと、無知な自分を恥と感じる度合いが高まる。単純に「知らない」と言うことが恥ずかしいと言う思いが強くなる傾向にある。

なかなか「分からない」と言い出せなくなるものだが、しかし「分からない」と伝えないことには、分かっているものとして話が進んでしまうため、結果困ったことになる。つまり、ついていけなくなってしまう。

ことさら新人教育などはこの、「分からない」と言いやすい環境を如何に作り出すかが非常に大事であり、チームやコミュニティの場の形成の初期段階では、この文化を繰り返し繰り返し浸透させることが非常に大事だ。

チームの初めの方は、行動力あふれたベテラン勢が幅を効かして発言し、オラオラと物事を進めていく傾向にあるが、その裏で新人やその分野に明るくないロースキルのメンバーは萎縮してしまうことになる。

「分からなかったら何でも聞いてね」と声を掛けることをよくすると思うが、これはあまり効果が期待できない。

こう言った初期段階のメンバーは、分からないというか、「ちょっと待ってくれ」「置いてかないでくれ」と言う思いが先行してしまうので、具体的な質問が出てこないケースがほとんどだ。

メンバーは、「あなたたちの勢いについていけないし、内容もとびとびなので、全体的にちょっとスピードを落としてもらえませんか?」と言うのが本音だ。

これは僕がエンジニアとして、インフラ設計構築の仕事をしていたときにもよくあった。Solarisと言う誰も知らないOSのプロフェッショナルだった僕とお客さんとの会話に、ほとんどの新メンバーはついてこれない。

当たり前だ。そんなニッチな技術、一朝一夕で身につくはずがないし、こちとら10年以上やっているので、ついてこれたら奇跡だ。

「分からなかったら聞いてね」は、言うには言うのだけれど、まずは先輩から歩み寄ることが重要。

「この辺難しいと思うけど、どう?」とか、
「何か一つ用語の説明しようか?」とか、
「そうなんです、分からないんです、教えてください」と言いやすい問いを相手に投げかけ、恥をかかさなくとも知識を深められるようなコミュニケーションの取り方が良いだろう。

知らないことが恥なんじゃなくて、先輩が言うんだから知らないことが自然だ、と思わせることだ。

もちろん、「知らないことを恥ずかしがらずに質問してくるメンバーこそが優秀だ、そんなことでは甘やかしになってしまう!」と思われる人も多いだろう。

僕もそう思っていた口だ。

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