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【コラム】ただのレンタル店と思ったら大間違い。

 さて、突然ですがみなさまは「書店」と想像してまずどのようなお店の名前が思い浮かぶでしょうか?
 大きなところですとやはり丸善さんとかジュンク堂さんとか紀伊國屋書店さんとかでしょうか。大阪なんかですと駅前によくブックファーストさんがあったりします。私の地元・京都ですと宮脇書店さんも強いです。

 書泉グランデさんとか、文教堂さんとかも有名ですよね。
 アニメイトさんなどのアニメ関連特化の専門店で本を買う、という方も多いかもしれませんね。

 町の書店さんなら◯◯堂とか◯◯館とか、そのような名前が普通になるのでしょうか。あ、コメントで「うちの周りのとこは◯◯だよ~」とかお書きになってしまうとお住まいの特定につながっちゃうので、思い浮かべるだけで結構です。


 さてここで意図的に名前を出していない巨大チェーンがありますね。
 はい、タイトルでもうお察しのことと思いますが、そうですTSUTAYAさんです。
 Tポイントカードのところですね。

 大阪で「蔦屋書店」として創業して以来CDやビデオなどのレンタルで国内最大手であり、大阪梅田にある「蔦屋書店」といった書店や「TSUTAYA図書館」の経営もおこなっています。

 書店単体としてというよりはレンタルコーナーとの併設という形が多いと思われるので、純粋な書店としてカウントしてよいものかという観点からさまざまなご意見もあろうと思いますが……

 フランチャイズ契約をおこなってるお店も含めてですが、純粋な書店としては1位の未来屋書店(イオン施設内に入っていることの多い書店さん)を圧倒的に引き離して店舗数で国内トップだったりするのです。これはもしかしたらみなさんにとって少し意外なのではないでしょうか?

 
 それだけではありません。TSUTAYAを展開しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCCと表記)さんは多くの子会社を持つ巨大グループなのですが、レンタルや書店経営だけでなく、出版部門でも一大勢力であることを知っている人はこれまた意外と少ないはずです。
 
 かつてCCCさんが主婦の友社さんや徳間書店さんといった、みなさんがご存知の老舗出版社を買収したことは、書店業界に詳しい方ならご存知と思います。

 ですがこんなのは氷山の一角。
 実はCCC傘下にある出版社は特に雑誌部門でかなり多いのです。

 『Rail Magazine』や『Car MAGAZINE』といった鉄道やクルマなどのホビー部門に強いネコ・パブリッシングさん。

 『フィガロ・ジャポン』や『Pen』『Newsweek日本版』を出しているCCCメディアハウス(旧・阪急コミュニケーションズ)さん、『美術手帖』などを出版する美術出版社さんも。

 絶版となったコミックスを復刊させることで知られる復刊ドットコムさんや、comicoさんのコミックスやなろうさんの小説などを展開するアース・スター・エンタテイメントさんもCCCの傘下なのです。


 出版関連の巨大グループとしては音羽グループ(講談社さんetc)と一ツ橋グループ(集英社さん、小学館さんetc)が有名で、現在ならKADOKAWAさんやソフトバンクグループさんetcがそこに割って入っている、といった構図だろうと思うのですが――

 今後CCCさんが巨大出版グループとしてさらに勢力を強めていくのかもしれません。書籍販売、出版の両方の今後をうらなう上で、CCCさんの動向はつぶさに追っていくべきでしょうね。

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