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【コラム】よく行っていた書店の閉店に接して書いた思い出など

※ここではかつてよく行っていたお店の閉店を知った時に書いた記事ふたつをまとめて再編したものです。
 本をまとめて買う時は基本的に、実家暮らしの頃は京阪祇園四条、一人暮らしをはじめてからは大阪のキタ中心街まで出ていましたね。

・コミックランド梅田店
 

 ブックファーストさんは大阪ではかなり大きなチェーン店で、店舗の多くを駅前や駅ナカに構えていることに特徴があります。コミックランド梅田店さんはブックファースト系列で唯一のコミック専門店でした。

 大阪梅田の地下街は『梅田ダンジョン』とたとえられて有名ですが、その端にある『泉の広場』が名物スポットとして知られていたと思います。
 泉の広場から出口の階段へと至る通り道、そのもっとも隅に位置していたのが、ブックファーストコミックランド梅田店さんでした。

 小さなお店ではなかなか置けないであろうコミックやラノベなんかをわざわざ遠出して買いに行ってました。勤務先がなくなった関係で従業員自身の客注とかができなくなったので、私が初期からプレイしているゲームのノベライズなんかもそこで予約したのですよねー。懐かしい。

 おそらく私の勤務していたところと大して変わらないくらいで、売り場面積にしたらそれほど大きなお店ではなかったのですが、コミックやライトノベル・アニメ・ゲーム関連の雑誌に絞って商品展開しておられたので、品揃えに関してはけっこう充実していたのですよね。
 私が好きだったマンガがいろんなお店を巡ってもなかかかなくって。置いていたのはそこだけだったので、非常に助かったのも覚えています。知名度はあまりなかったかもしれませんが、非常に好きなマンガでした。今にして思えばもっとちゃんとした形でご紹介したかったですね……

 前述の『泉の広場』は、地下商店街『ホワイティうめだ』全面改装工事に合わせて撤去される、ということはかなり知れ渡っていたニュースでありましたが、考えてみればその商店街に属していたコミックランドさんも当然そういう話になるよなあ……と遅まきながらに気付いたのでした。

 今は、以前に増して多数のお店が軒を連ねる梅地下(ウメチカ)有数の飲食店街となりましたね。開業当初行ってみたら、ウクレレかなんかを演奏しながら呼び込みしていた方がいてびっくりしたのをすごく覚えています。
 現在の情勢ではそうした呼び込みは難しいかもしれませんね。以前までの生活が早く戻って、飲食店街も活気づくといいですね。

 梅田の堂山周辺にお詳しい方ならご納得いただけると思うのですが、あの一帯はアニメイトさん、とらのあなさんが近くにあり、しかもメロンブックスさん、あと茶屋町になりますがMARUZEN&ジュンク堂書店さんも出店して来られたので、かなり競争が激しいんですよね。
 かつてはTSUTAYA梅田堂山店さんもありましたし(跡地にスギ薬局さんが入りました)
 そんな中今までお店を維持してこられただけでもすごいと思います。


・ジュンク堂書店京都店 

 都心部に大型書店を構える『ジュンク堂書店』さんの『ロフト名古屋店』と共に『京都店』が令和2年2月末で閉店しました。
 この記事をはじめて書いた時から1年が経ったんですね……
 
 この発表が知れ渡るや、ネット上でも多くの本読みの方や作家さんなどが危機感を募らせておりました。
 名古屋には一度か二度しか行ったことがありませんで……多くは語れませんので私は京都店について少し触れさせていただこうと思います。


 阪急河原町四条駅を降りてわずか数分。京都でもひときわにぎやかである繁華街の中心地に位置しており、まさしく一等地。そこにそびえ立つ立派なビルがジュンク堂書店京都店でした。

 折に触れて何度か書いておりますが、わたしは今大阪で一人暮らししておりますが実家は京都にあります。実家住みの頃はよくお世話になっておりました。それだけにすごくショックでした。
 
 以前にもチラッとお話したかもしれませんが、たぶん10代の終わりから20代の前半くらいまででしょうか。わたし哲学の方面にのめり込んでいた時期がありまして。文庫を中心に、お堅い本を買い漁っていたんですよね。大してわかりもしないのに。
 全然そうは見えないでしょ(笑) 
 やっぱりどうしてもそういったジャンルはどうしても大型書店さんに行かないとあまりなくて。特に一昔前は。
 そういう本が欲しい時に最初に見に行く書店さんはジュンク堂京都店さんだったと記憶しております。

 なお哲学関連の積ん読はとんでもない量残ってます……(血涙)
 一生かかって読み切れるのか……

 
 大型書店ならではのあるあるだと思うんですが……
 何度も行ってるとどこの階、どこのコーナーに何があるのかはだいたい覚えてくるんですが、わざわざ別の大型書店さんに行って同じように覚えるのはしんどいですよね。
 というか、別の店もまわってみるかー、ってなった時、いつも行ってるところだとすんなり見つかるのに、

「どこ、あの本どこ……? コーナーどこ……?」

ってなって軽い迷子状態になっちゃう。

 わかりやすいところに平積みしてあるベストセラーみたいなのじゃなくて専門書みたいなのですとなおさらです。

 フラッと立ち寄る駅前の中小規模の店舗さんはともかく……
 大型の場合、ヘヴィーに利用している人ほど決まった書店さんの品揃えを信頼してご利用なさるんではないでしょうか。
 なので大型書店さんの閉店って、利用者からしてみれば損失度が図りしれないのではないかな、と思ったり。
  
 いや見つからないなら検索しろよ、店員に聞けよ、というツッコミが予想できますね? それはごもっとも。ごもっともなんですが……! 
 迷子状態も楽しいと言いますか……! 
 急いでる時以外はむしろすすんで探索しちゃうと言いますか……! 
 わかってくりゃれ~

 
 著名な作家先生なども述べておられますが、書店というのは本との出会いの場である、というのと同時に、文化の発信地でもあるんですね。
 その地域に書店がなくなってしまえば、本を読むという文化そのものが衰退してしまう。
 書店という売り場がなくなれば、本の行く先がなくなり、作家さんも自分の書いたものが売れなくなって苦しくなる、という悪循環に陥ってしまうのですよね。
 
 あんな大きい書店さんでも閉店してしまうのですから、いつまでもあると思うな親と書店、ですね。この苦しい時代にいまも現役で書店員として働いておられる方々には頭が下がります。
 苦しい時代だからこそ、なんとか現場の人達には報われてほしい、と強く願う日々です。

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