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vol.65 RAWとJPEGのレタッチ耐性を比較してみた

このnoteは写真を0から始める方向けマガジン「始めよう、写真」の記事です。初めてご覧になる方はぜひvol.1からどうぞ


みなさんこんにちは。
さて、今回は、以前のnoteでも話しましたRAWデータとJPEGデータの違いをレタッチの観点から解説していきたいと思います。
そもそもRAW、JPEGってなんだ?という方々はこちらのnoteをみてもらえるとより理解しやすいかと思います。

以前のnoteでもお話したようにJPEGよりもRAWの方がレタッチ(現像)する場合は向いています。
しかし、なんとなくイメージが湧きにくいかなと思いますので、実際にJPEGとRAWの違いをレタッチを通してふか〜く理解していこうと思います。

比較①

元データはこちら。

画像1

このデータをRAWとJPEGでそれぞれいじっていこうと思います。

ではまず、RAW現像をやってみます。
とりあえず、山の部分を明るくするために、シャドウを持ち上げてみようと思います。

画像2

スクリーンショット 2020-12-08 10.43.22

とりあえず、シャドウを+96、ハイライトを-28をやりました。
これと同じ調整をJPEG画像にも行いたいと思います。

全く同じ補正をかけたJPEGがこちら。

画像4

自分でもやってみてびっくりしました。
こんな違うとは…
並べてみるとこんな感じ

図1

シャドウ部がRAWでは持ち上がり、色情報もしっかり残っているのに対し、JPEGは全く持ち上がっていないことがわかります。
さらに地平線のあたりの部分、ハイライトを落としているので、RAWはハイライトが下がっているのに対し、JPEGではあまり下がっていないことがわかります。
RAWデータは写真の生データというだけのことはありますね。

比較②

では次に、あまり明暗差の少ない写真で比較してみます。

画像6

これを今回はこのような調整をしてみたいと思います。

スクリーンショット 2020-12-08 11.05.04

露光量を+1.15、コントラストを+95、シャドウを+35してみます。
並べてみるとこんな感じ。

図2

あまり明暗差が無い写真であればJPEGを補正しても、過度な補正でなければあまり違いはわからないですね。
ただ、やはり山の斜面(シャドウ部)の色がちゃんと残っていないせいか、JPEG画像の方は少し暗めになっていますね。

撮影したデータの色を正確に忠実に再現するためには、やはりRAWデータがいいことがわかります。

比較③

次は、グラデーションをみてみたいと思います。

画像9

元のデータはこちら。
これをこのような補正をしてみようと思います。

スクリーンショット 2020-12-08 11.20.49

そして並べてみるとこんな感じ。

図13png

空のグラデーションの部分をみてもらえるとよくわかるのですが、JPEGのデータの方に、少し段々になった階調が見えるかと思います。
これは、「トーンジャンプ」といい、階調が失われてしまう現象です。主に色情報のデータ不足で発生する現象です。RAWデータでは、あまりトーンジャンプが発生していないのに対し、JPEGではかなりはっきり見えるかと思います。(わかりやすいように明瞭度を高めています。)

さて、今回は3枚の写真を用いて今回はRAWデータとJPEGデータを比較してみました。レタッチをする前提の場合、RAWで撮影しておいた方がいいということがわかったかと思います。


データサイズは大きくなりますが、それ以上にレタッチでとても役に立つのがRAWデータです。

まだRAWで撮ったことが無い方、レタッチしたことが無い方は、ぜひRAWを使ったレタッチの面白さに触れていただければと思います。

ではまた。

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