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vol.61 目では見えない現象を捉える。長秒撮影のすヽめ

このnoteは写真を0から始める方向けマガジン「始めよう、写真」の記事です。初めてご覧になる方はぜひvol.1からどうぞ


こんにちは。
さて今回は、タイトルにもある「長秒撮影」の魅力を語っていきたいと思います。
この撮影方法は一眼カメラなどのカメラでないと撮影できない写真なので、ぜひカメラを持ったら撮ってみて欲しい撮り方のひとつです。

長秒撮影とは

長秒撮影とは、その名前の"長秒"の通り、長い秒数で撮影する手法です。
長秒撮影は長時間露光とも呼ばれ、夜間の星の撮影や、日中のNDフィルターを利用した撮影などのことを指しています。
(カメラのセンサーに光を当てることを露光といいます。)

NDフィルターに関してはこちらのnoteで紹介しています。

シャッタースピードを調整することで、目で見ることができない風景を写真で捉えることができます。
例えばこちら。

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これは、シャッタースピードを30秒にして撮影した写真です。
雲海は、ゆっくりと動いているため、長時間露光を行うと、このように流れた跡が写り、滑らかな表現ができます。

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また、このような水の流れも長秒撮影で表現できます。
この写真は、2秒間のシャッタースピードで撮影しています。
特に渓流や滝などは、シャッタースピードが少し変わるだけで水の表情が異なってくるので、その作品にあったシャッタースピードを見つけることも楽しみの一つです。

その他には、雲の流れを長秒撮影で流す方法もあります。

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この写真は240秒、すなわち4分間の長秒撮影をしています。4分間の間、動いた雲と、海面が綺麗に流れていることがわかります。

あとは、星の撮影なども長秒撮影ですね。

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このように長秒撮影は、普段私たちが見ることのできない幻想的な世界を作り出すことができてしまいます。
長秒撮影の魅力がだんだんとわかってきたでしょうか?

さて、それでは長秒撮影をやるにあたって、必要な装備をまとめていきます。

長秒撮影に必要な道具

長秒撮影を行うためには、必要最低限これだけの道具は必要かなと思います。

・シャッタースピードが調整可能なカメラ
・三脚
・NDフィルター
・レリーズ

まずカメラですが、これは普通の一眼レフカメラや、ミラーレスカメラならば大丈夫です。マニュアルモード(もしくはシャッタースピード優先モード)にして撮影を行います。

次に、三脚です。長秒撮影はシャッターを長時間開けておく必要があるため、手持ち撮影で撮影すると、手ブレにより写真がブレてしまいます。
そのため、ブレをなくすために三脚が必須です。

次にNDフィルターです。日中に長秒撮影を行う場合、そのままシャッタースピードを長くしてしまうと、F値やISO感度だけでは適性な露出にすることが厳しくなってきます。そのため、NDフィルターを用いて、レンズに入ってくる光量を減らすことで長秒撮影を可能にします。

(適性な露出ってなんだ?という方はこちらに↓)

そしてレリーズは、三脚で撮影する際は必須なものです。
レリーズは、カメラシャッターを押した際の振動が長秒撮影を行う写真に影響する事のないように、カメラのシャッターの部分だけを遠隔で操作できるようにしたものです。これを使う事で三脚を使用した撮影の際に、確実にブレをなくすことができます。
実際にレリーズを使用せずに撮影した作例を見てみましょう。

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この写真の中央を拡大すると

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このように薄く風車がぶれて写っていることがわかります。
このようなブレをなくすためにレリーズを使用して撮影を行います。
また、カメラの機種によっては、タイマーレリーズという機能があり、設定した秒数の後に自動でシャッターが切れるなどの設定ができます。この機能を使用して2秒後にシャッターが切れる設定などにすると、レリーズなしでもブレを起こさず撮影ができちゃいます。

また、三脚で撮影する際にもう一つ気をつけなければならないことがあります。それは手振れ補正です。
手振れ補正機能は、手持ち撮影を行う際に、カメラが手振れを検知してブレを抑えてくれる機能です。しかし、この機能が三脚を用いた撮影の際には、逆にブレを引き起こす原因になることがあります。

手振れ補正は、手ブレを検知してブレた方向とは反対にカメラやレンズの制御を行うことで手ブレを打ち消しています。
しかし、これが三脚に固定されたカメラになると、カメラは動いていないにもかかわらず、手ブレ補正機能が誤作動してしまい、逆にブレた写真を撮ってしまうことがあります。
そのため、三脚を使って撮影する時は、手振れ補正があるカメラやレンズはOFFにして撮影を行うようにしましょう。

長秒撮影はブレが天敵です。上記のようなしっかりとした対策を行って撮影を行いましょう。

長秒撮影は、私たちが普段見る事のない世界を捉えることができます。
カメラで撮らないとその世界を把握することができない、とっても魅力的な長秒の世界をぜひ多くの方に楽しんでいただければと思います。


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