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「ついやってしまう」練習の作り方-人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

体験デザインとは?

体験デザインとは、人の心を動かし、自然と何かをやりたくなる状況を作り出すことです。ゲームデザインの中核をなすこの概念は、選手のトレーニングにも大いに役立ちます。

今回の参考書籍


体験デザインの要素

体験デザインには大きく三つの要素があります。

  • 直感のデザイン

  • 驚きのデザイン

  • 物語のデザイン

直感のデザイン(仮説→試行→喜び)

直感のデザインは、選手が直感で「こうしたらうまく行くかも?」と感じさせ、その仮説を試し、成功して喜ぶ一連の体験を作り出します。

この体験を繰り返すことで、選手は「喜び」を得ることでがき、トレーニングから離れられなくなります。

直感のデザインに必要なことは、選手が自分で仮説を立てられる環境を用意することです。「アフォーダンス」といいあなたが何かを見たときに思い浮かぶ「○○するのかな?」という気持ちのこと。

トレーニングのオーガナイズから、タスクを達成するために自然と選手が仮説を立ててトライできることが重要です。

大切なのは、〜〜しなさいと言われて試行したものでは喜びは得られないということです。選手自ら仮説を立てられることが重要です。

そのためには極力シンプルであり、かつ成功体験が適度に起こるオーガナイズにすることを心がける必要があります。

驚きのデザイン(誤解→試行→驚愕)

驚きのデザインは、選手の中の常識や前提を利用して、予想外の驚きを与えることです。

驚愕をあたえることで直感のデザインの連続だけだと生まれてしまう選手の「飽き」を防ぐことができます。

ここで大切なのは選手の「前提」や「思い込み」をうまく利用することです。

日々のトレーニングの中で、トレーニングのオーガナイズを大きく変え、今までの繰り返しから離れたタスクを与えることで選手に驚きを与えて、また新鮮な気持ちでトレーニングを行うことができます。

物語のデザイン(奔走→成長→意志)

直感のデザインと驚きのデザインをうまく組み合わたなかに、物語のデザインを組み込んであげることで選手の中に「物語」を生み出させることができ、サッカーへの意義やモチベーションの向上につながります。

シーズンのトレーニングの中でうまくいかない経験やチームメイトとの衝突など、各選手自身以外の部分で何か問題を起こし、それを乗り越える経験をさせてあげることで選手の中に成長を感じさせます。

その際に大切なのは選手自身が自分で問題解決の方法を選択して乗り越えることです。

この乗り越え方を指導者が教えてしまうと、それはやらされただけになってしまい、選手の中には物語が生まれません。自分で解決方法を選び乗り越えることで成長を実感することができるのです。

最後に

今回は「体験デザイン」の視点からトレーニングの構築の視点を紹介しました。

今回の考えの元になっている「ついやってしまう企画の考え方」では、任天堂のゲームクリエイターの方がなぜスーパーマリオが多くの人を魅了しているのか?などを題材に体験デザインについて説明しています。
もし興味があればぜひ読んでみてください。


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