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世田谷区DXへの階段

写真は花畑けの向こうの富士山です
さて、今回は、松村が想定するDXに至る道を書いてみたいと思います
まだまだ思考不足ですので、皆さんのご意見お待ちしております
技術と風土の二つの軸に分けて考えてます

【技術軸】

<1段目:デジタル化>

データや会話をデジタル化し、ひとまとめにしていくこと
ペーパーレスや見える化という表現もよく使います
業務システムの導入、行政手続きのオンライン化もこれに該当します
会話のデジタル化ツールとして、世田谷区はteamsを導入しました
紙や電話をやめるところから始めたいのですが、これがなかなか大変
紙からは、Wordファイルに切り替えるだけでなく、特定のデータベース(以下DB)内にWordファイルを格納するまでがデジタル化と捉えてます
できれば、この過程で、業務プロセスの見直しもお願いしたいところ

<2段目:情報共有>

次いで、
デジタル化された情報を(状況に応じ変化していく)関係者と共有していくことです
時代的には、情報を渡すのではなく、見に来てもらう方法が主流になりつつあり、区民との情報共有もオープンデータをうまく使っていきたいと思います
ここで大事なのはマスターDBという考え方です
Excelファイルを使うと似たような情報が複数共有されるため、どれが最新なのか、わからなくなってしまいます(マスターDBを見に来てもらうのが楽だし間違いがない)
 
一方、業務システムについては、共有用の情報を書き出すことができないことも多いため、
今後、更新もしくは導入する業務システムは、情報の書き出し(できれば読み込みも)ができるかどうかが選定条件の一つになると思います
この9月に世田谷区が導入した防災情報システムは、関係する人たち(含、防災ポータルを見る区民)と情報共有できる優れものです
 
情報共有に対する松村のスタンスは、「基本、庁内や区民と情報共有すべき。ただし、個人情報やプライバシー情報、入札情報、未決定情報その他法律等で定められた情報は、限定管理」

最近は、地域包括ケア、まちづくりセンターを中心とした社会福祉協議会、地域包括支援センター、児童館の4者連携、要保護児童対策協議会など、区役所と区役所外との情報共有ニーズも急激に高まってます。
Excelファイル授受という手間と時間のかかる方法ではなく、リアルタイムで共有できるような情報共有ツールを使っていくことが必須の時代になってきます
世田谷区ではまだまだこれからの分野ですが、ネット環境の整備が進んでおり、もう少ししたらいろいろ使えそうだと楽しみにしております

<3段目:情報分析・活用>

(共有された)情報を分析し、自業務の大きな改善や企画に活用することです
財務データ、ふるさと納税、空き家、公共施設、病院、地域活動団体、教育関係情報、区民の声など多くネタがありますし、EBPMとして今も断片的に使っているので、更に広く使えるような仕組みを作っていきたいところです

<4段目:DX(デジタル技術を使った革新)>

生成AIやメタバースなどデジタル技術を使って、区民サービス等に新たな付加価値をつくることです
この10月に実証を開始した高齢者の外出インセンティブ事業はこれにあたるのかな

今、世田谷区は、1段目を懸命に固めつつ2段目に移行を開始しようとしている一方で、3,4段目の種をまいている状態です
階段を上るにつれ便利に楽になるはずなので、がんばっていこう!

【風土軸】

風土については、1段目が最初ですが、平行して2段目以降にもチャレンジしようとしています(なかなか、すぐに結果につながらないのが悩ましいところ)

<1段目:安全安心、目的意識>

安全安心、風通しがよい、という言葉はよく使いますが、
ググると
「組織内で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態」
「チームの誰もが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」
なんだそうです

胸に手を当てて我が行動を振り返ってみると、まだまだだと反省します
特に上司が拒絶したり罰したりしがちですが、同僚や部下のケースもあります
なので、“安全安心“はメンバー全員で作る風土なんでしょうね

“安全安心な場”ができると、いろんなアイデアが出てきますし、そこにいる全員の幸福度があがります

皆が勝手なことを言い出したら「収拾つかない」「声の大きい人の意見で決まる」と不安になると思います
そのため“目的意識”と“見える化”が必要です

〇目的意識
目的を明示しておくと、議論が左右にぶれたときに元に戻れます
立ち話も含め、目的を共有してから、という習慣をつけるのがポイントです
以前のnote「さあ冒険を始めよう」でご紹介した“レク”でも、目的の共有から入っていただくようお願いしております

目的が共有されれば、次いで、リスクとコストと効果のバランスで何がベストなのかを話し合い、最後はその決裁の権限者が決める、というまでのプロセスと考えればそんなに混乱はしないのではないでしょうか

〇見える化
会話や会議ではなく、teams等、より多くの関係者が見えるところで、議論することで、より安全で論理的な結論(正論)につなげられます。

<2段目:柔軟なワークスタイル、サービスデザイン>

柔軟なワークスタイルについては、少子高齢化(生産労働人口急減)社会では、チームで仕事し、個個人がパフォーマンスの高い働き方を実現しないと、仕事にならないので必須です
その為に、だれもが安心して働き方を選択できるよう、制度を整えるとよいのですが、
これまでのお役所文化を鑑みるに「自分とは違う働き方を認める」というのに心理的ハードルがあるかもしれませんが、人それぞれ状況が異なりますので、慣れていくしかありません

サービスデザインは、デジタル庁によると
「多様な利用者のニーズを効果的かつ効率的に達成できるよう利用者中心(人間中心)を原則とする行政サービスデザインに取り組んでいくこと」
だそうです
利用者(含、データ処理する職員)目線でサービスを創っていくことと捉えてます

<3段目:問題発見・解決型組織>

ここが松村の任期4年間でなんとか定着させたい
問題とは、理想と現実のギャップです

これが風土となれば、DXの本質である「時代の変化に合わせ最適化し続ける」の土台ができるはずです

その為に、問題発見・解決するスキルを多くの職員が身に着け、この思考でお仕事いただきたいなあ、と願っております

環境は常に変化し、技術は常に進化している中、「現状でやむを得ないです」「問題ありません」とした瞬間、進化は止まります
 
横須賀市の窓口、北見市の書かない窓口や、渋谷区のDXなど、巷でもデジタル活用の好事例として取り上げられているものは、いずれも、何年もかけて、問題を発見・解決を繰り返しながら、サービスの完成度を上げてきているようです。
作ってしまったらそれでおしまい、となりがちなのを、サービスデザインの観点からも、常に、問題を発見して、解決していくサイクルを回したいので、何が必要か頭を捻っているところです
世田谷区DX推進方針ver.2で示す、区役所内も区民サービスも参加と協働のいずれも、問題発見・解決することで進化できると信じてます

おまけ 自治体の投資について

民間企業は、基本、投資することで売り上げを伸ばし、そこから再投資していくことで継続しています
自治体は、投資することで、区民サービスの向上を図りますが、それによって税収が上がるわけではありません
更には、人口減少社会に突入しており、単純に考えると、税収は減る方向にあります
そうすると、区民サービスを維持(できれば向上)しながら、コスト削減や効率化投資を継続し、浮いたコストで更にコスト削減や効率化投資を続けるサイクルを回す必要があります
デジタル化投資はその典型です
ただ、(物価高騰などもあり)デジタル化すれば勝手にコストが減るわけではなく、運用も併せて工夫することが必要です

もちろん稼ぐという選択肢もありですが、それにも投資(人と金と時間)が必要であり、かつマーケティングスキルと商売センスとそれらの組織的な蓄積が必要です(これまでの自治体では培われてこなかった部分)
区民サービスの向上をしながら稼げるとよいのですが、その辺がモヤモヤするので、また別の機会に取り上げたいと思います。

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