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25 : 正規版Version1.3.0以降の新機能

25 : 正規版Version1.3.0以降の新機能

 この本の執筆時点での正規版は1.2.8ですが、次の正規版Version1.3.0は、2013.12.4日にリリース予定ですので、この本が発行されている時にはもうリリースされているはずです。
 現在(執筆時)は先行プレビュー版1.2.9RCがリリースされていて、いち早く新機能が試せるので、色々触ってみました。

(なお、2014年5月現在の最新バージョンは1.3.3です)

 いくつか簡単にご紹介しますので、ぜひ最新バージョンにアップデートして、色々触ってみてください。
 アップデートはもちろん無償ですし、ごくまれには新しいバージョンになってそれまでなかった不具合が出てしまうという場合もなくはないですが、通常はそれまでの不具合が幾つかは解消されていますし、新しい機能も搭載になります。
 なるべく不精をせずに(笑)アップデートして、バージョンは常に最新のものを使うことにしたほうがいいかと思います。
 不安でしたら、他の人の新バージョンのレビューをいくつか見てからでもいいかとは思いますが。
 私はだいたいアップデートされたらすぐに飛びつきますので(笑)、私のサイトやツイッターなどでも使用感を投稿しています。よければご参考になさってください。

 以下はセルシス公式サイトでアナウンスされたVersion1.3.0の主な新機能です。

・「LT変換」機能が搭載されます 【EX】
カラー(またはグレー)の3Dモデルや2Dの画像データを、輪郭線とトーンによる階調表現のついた、マンガらしい表現に変換することができます。

・レイヤー効果にライン抽出が追加されます【EX】
レイヤーの画像データから輪郭線を抽出し、マンガらしい表現を行うことができます。トーン効果と組み合わせて階調表現も行うことができます。

・レイヤー効果に水彩境界が追加されます【PRO/EX】
従来の[フチ]のほかに[水彩境界]が設定できるようになります。

・集中線・流線の作成・編集ができるようになります【PRO/EX】
[流線]、[集中線]ツールが追加され、集中線、流線を作成できるようになります。

・フォントリスト機能が追加されます【DEBUT/PRO/EX】
よく使うフォントだけをリスト化して一覧表示できます。

・フォントのプレビューが表示されるようになります【DEBUT/PRO/EX】
[テキスト]ツールなどでのフォントの一覧が、そのフォントで表示されます。

・パース定規に図形ツールがスナップするようになります【PRO/EX】
[図形]、[直線]、[折れ線]などをパース定規にスナップさせて描画できるようになります。

・タブを増やさずにページを開くようになります【EX】
[次のページ]コマンドなどでページを開くときに、新しいタブで開くのではなく、現在のページを置き換える形で開かれるようになります。

・画像の線の色を描画色に変更できるようになります【PRO/EX】
[ラスター]レイヤー、[ベクター]レイヤーにおいて線の色を選択した描画色に変更できます。

・表示しているレイヤーをコピーして統合できるようになります【PRO/EX】
[レイヤー]メニュー→[表示レイヤーのコピーを結合]で、元のレイヤーを残したまま、表示しているレイヤーをコピーして結合できるようになります。

 集中線や流線などの効果線は、フィルターなどではなく「図形」ツールの一種になりました。
 そんなに重くもないみたいですし、ちょっとした集中線や、密度の高い流線なんかも早いです。
 これはかなり実用性の高いツールになると思います。

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 LT機能もかなり実用性高いと思います。3DLTや写真の2DLTだけでなく、カラーの模様素材なども、モノクロ二値の原稿の絵に合わせた画面にできます。

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「水彩境界」も、ブラシのオプションではなく「レイヤー効果」なので、重くもならないしいつでも変更することができます。

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 この本の執筆(2013年11月下旬)後、クリスタは2013年12月4日にVer.1.3.0、2013年12月20日にVer.1.3.1、2014年2月27日にVer.1.3.2、2014年4月10日にVer.1.3.3がリリースされています。 

 2014年5月現在の最新バージョンはVer.1.3.3です。

 このうち、Ver.1.3.1とVer.1.3.3はそれぞれ前バージョンの修正パッチという側面が強いです。Ver.1.3.0以降の大きな追加の機能はVer.1.3.2で搭載されました。

 Ver.1.3.2の主な機能は以下のようなものです(セルシス公式サイトより転載)

・[編集]メニュー→[色調補正]と[レイヤー]メニュー→[新規色調補正レイヤー]に[グラデーションマップ]が追加されました
[グラデーションマップ]では、画像の濃淡に合わせて、選択したグラデーションの色を置換して彩色します。 カラーバリエーションの作成などに利用できます。

・キャンバスの表示倍率を印刷時のサイズで表示できるようになりました
[表示]メニューに[印刷サイズ]が追加されました。[印刷サイズ]を実行すると、キャンバスの表示倍率が実際に印刷されるサイズと同等になるように変更できます。仕上がりイメージを確認するのに利用できます。

・[ごみ取り]フィルターが追加されました
[フィルター]メニュー→[線画修正]→[ごみ取り]フィルターが追加されました。
ページ全体や、選択範囲内のごみを一括して修正できます。また、オートアクションに組み込んで使用することもできます。

・サブツールにユーザー自作のアイコンを設定できるようになりました
[サブツール]パレットのメニューから[サブツールの設定]などを行うとき、画像ファイルを読み込んでアイコンとして使用できます。自作のアイコンなどを利用して、ツール選択時の視認性を高めることができます。

・[編集]メニューに[画面の色を取得]が追加されました
[編集]メニューに[画面の色を取得]と[ウィンドウを隠して画面の色を取得]が追加されました。
キャンバス以外でも、PCのデスクトップやブラウザで表示した画像など、様々な場所から描画色を取得できます。

・[カラーヒストリー]パレットが追加されました
[カラーヒストリー]パレットには、選択した色の履歴が表示されます。前に使用した色を選びなおしたり、イラストで何度も繰り返し使う色を選択する際などに便利です。

・[ページ管理]メニューに[共同作業]が追加されました【EX】
複数人でページごとに分担する作業を管理しやすくなります。Dropboxなどのストレージサービスや、ネットワーク上の共有フォルダに共同作業用データを配置して、どのページを誰が編集中であるかを管理でき、誤って上書きしてしまうといった作品ファイルを共有した際のトラブルを防ぐ設定を行えます。また、作業ログの確認やコメントのやり取りもできます。

・[素材]パレットのメニューに[整列方法]が追加されました
このメニューで[登録順]を指定すると、選択したフォルダータグで表示される素材の数が多くなる場合においてCPUへの負荷が軽減され、表示を高速化できます。

 1.3.1以降の新機能のレビューなどは、リリース時にサイトで公開していますので、そちらもご覧になっていただければと思います。

正規版1.3.2公開!

グラデーションマップでグリザイユ

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