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京阪・阪神直通計画を考える

これは2022年5月23日にTwitcasで配信した内容をブログ化したものです

はじめに

今回の記事は飯田さとし(当時大阪市議会議員)のツイートを参考に、たまたまこの提言をされた方と知り合うことがあったため、その討論をTwitcas上で実施することとなり、その参考資料として作成したものです。

阪神電鉄 本線、阪神なんば線

阪神電鉄 路線図(Wikipediaより)

京阪電気鉄道 京阪線

京阪電気鉄道 路線図(Wikipediaより)


中之島線

  • 京阪本線の10両化と複々線を目的

  • 天満橋~中之島間 3.0km​

  • なにわ筋線乗換駅​

  • 2001年着工​

  • 2008年10月19日開業​

  • 開業以来低迷で準急のみ

  • 元々西九条延伸からの阪神直通(千鳥橋付近で交差)が計画されていたが、紆余曲折あり、阪神は近鉄直通を優先させ開通することとなり、中之島線は中途半端な状態となった

中之島線路線図

鉄道規格比較

規格比較

三宮=京都都市部 運行比較

神戸三宮から既存の鉄道(JR,阪急)と阪神京阪直通を比較してみた(下図)
時間でいえばJR新快速が圧勝(新幹線の利用もあるが)、料金では阪急の圧勝となり、阪神京阪直通のメリットは非常に小さく、また阪急としては完全競合となるこの直通運転についてよく思わない可能性は大である

運行比較

甲子園へのアクセス比較

次に最もメリットがあると考えられる、阪神沿線と京阪沿線の相互移動について比較してみる、良い例として考えられるのは 枚方市から阪神甲子園球場への移動だろう。まず大きいのは現状乗り継ぎが二回発生する(京橋、梅田)その結果所要時間は53分となる。
直通運転の場合、所有時間は推定40分となり、かなりのメリットは期待できる
しかしここで問題となるのは甲子園に行く場合現状でも京阪電車・阪神電車を利用しているため、新規顧客増にはならず経営上のメリットがあるのかは悩ましいところである。

現状​

  • 経路​

    • 枚方市~京橋(京阪)​

    • 京橋~大阪(JR)​

    • 大阪~甲子園(阪神)​

  • 所要時間​

    • 53分(乗り換え時間含む)​

  • 料金​

    • 770円

直結

  • 枚方市~西九条~甲子園​

  • 所要時間​

    • 40分(予想)​

      • 枚方~中之島 24分​

      • 西九条~甲子園 14分​

  • 料金​

    • 700円(予想)​

      • 枚方~中之島 420円​

      • 西九条~甲子園 240円​

中之島線延伸計画案

それでは実際どういったルートで延伸するのかをみてみよう
千鳥橋から夢洲までのルートも併せて表示している

西九条直結案

中之島から西九条を中央市場付近を経由して最短で結ぶ案
これは1990年代後半に考えられていたルートである
西九条から千鳥橋にかけて阪神なんば線(当時 西大阪線)と併走し直結するというルート

西九条直結案(筆者作成予想図)

九条直結案

2017年、夢洲万博が決定した後に、夢洲への延伸が決まっている大阪メトロ中央線の九条駅に延伸し、夢洲から利用しやすく、距離も短いため万博までに間に合うという理由から公表された案である
今回、私の予想として、九条駅から西九条方面にかけて阪神なんば線と併走し乗り入れを行う案を作成した

九条直結案(筆者作成予想図)

【妄想】阪神夢洲直結案

阪神が夢洲直結を目指す、ウルトラCルート案(筆者妄想)
京阪が夢洲まで延伸した際、阪神なんば線伝法駅から分岐させ、阪神高速淀川左岸線の地上部を利用しUSJ方面に延伸し京阪に直結する案です
伝法駅周辺は現在高架工事を行なっており、完了後現在使用している線路用地1線分が空くため新規用地買収が不要で、左岸線も元々川だったところを埋め立てているため用地利用が可能ではないかと考えたルートです。15分から20分に1本であれば単線でも運用可能と考える

阪神夢洲直結案(筆者作成妄想)

​問題点

  • 京橋駅でJR東西線に乗り換えれば時間が掛かるが神戸方面への移動が可能

  • 阪神なんば線は全駅2面2線しかない​

  • 阪神・近鉄の相互乗り入れに配慮が必要​

  • 上記のことよりダイヤ上のネック、障害時のダイヤ混乱が発生​

  • 車両幅が2cm違うためホーム改良が必要の場合も​

  • 元町以西は6両ホームのみのため拡張が必要​

  • 阪神地区=京都地区の移動の場合 JR新快速で1時間かからない​

  • 費用的メリットが必要​

  • 阪神=京阪間の輸送需要があるのか​

  • 甲子園球場や京都競馬場などへの移動には便利

最後に

先にも述べたように京阪は最低でも九条、最高で夢洲への延伸は虎視眈々と狙っていて、すでに計画は進んでいると思われる。
2022年夏ごろに夢洲のでIR実施が決定した場合、この計画は一気に進むことが予想される。その際、阪神電鉄としても夢洲直結という大きなメリットが手に入る直通計画がまた動き出す可能性は大いにあるといえる。
採算性の問題や、競合となる阪急との調整など色々付きまとうが今後の展開に期待したい。

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