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石の上にも三年?転職のタイミングとは

「入社後すぐ再就職」という記事が日経に掲載されていました。採用担当者にとっては大問題ですね。転職者優位の現状になったことで振り回されてかわいそうに。。

その記事の中に書いてある理由としては、募集要項と配属業務の違いなどが理由として挙げられていました。
SEになりたいと面接で伝え、その仕事もできると人事に説得され内定を受けたものの、いざ働いてみると荷物の運搬を繰り返す日々。すぐに転職活動をスタートしたとのことでした。

なるほど。採用担当者さん、自業自得では? さっきのかわいそう返して。

その記事によると入社直後の4月中に転職サイトへ登録した方の人数は2007年の約32倍とのことです。
終身雇用神話を誰も信じなくなったこと、新卒最強神話を誰も信じなくなったこと、そもそも「働く」という概念が少しずつ変化してきている為に、「会社に雇用される」という考え方から「会社を利用する」という考え方へ主体が企業から個人に変化してきていることが一因として考えられます。

とはいえ、1か月で見切るのはあまりにも早すぎるのではないかという声も、どこからともなく聞こえてくる気がするのも確かです。
辛くともそこにいれば見えてくるものもある。そこで耐えるからこそ強くなれる。すぐに好きなことばかりできると思うな。と。

確かに一理ある。 気がする。

でも、サッカー選手になりたい人がバットを渡されて素振りばかりさせられていたら、きっとほとんどの人が、練習方法をすぐに変えたほうがいいと言うでしょう。
音楽家になりたい人が鉛筆を渡され、デッサンばかりさせられていたら、同じくすぐに環境を変えた方がいいというでしょう。

SEになりたいのに、荷物の運搬ばかりさせられて、いつかSEとして働ける部署に行けるからと言われている人がすぐに転職を考えるということは、サッカー選手になりたい人がバットを手放しサッカーチームに入ることと何が違うのでしょうか。音楽家になりたい人と何が違うのでしょうか。

石の上にも3年。辛くともそこから得られるもの、見えてくるものもあります。しかし、沼の上には3年もいたらもはやはまって抜け出せないどころか、3年を待たずして沈んで窒息死です。うまく出られたとしても、泥や異臭が体中に染み込んで新たな環境に行ったときに、受け入れてもらえないことでしょう。

人の時間には限りがあります。人は環境に良くも悪くも染まっていきます。
辛い環境がすべて悪ではないとしても、悪にしかならない環境は少なからずあり、人生を棒に振ってしまうことはいくらでも起こる。
今いる環境と、自分自身の価値観、想いを照らし合わせて、自身の進退を考えることは何よりも重要なことです。

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