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クオリティーを保つ @リストラーズ

リストラーズの過去動画やWebサイトを見ていると 意外に野外でのショーが多いことに気付く。
特に10年以上前だと 季節関係なく野外ステージで歌うことが多かったようだ。

アカペラの場合、
普通に考えると少しの風でも声が流れてしまい せっかく正確な音程で発声していても 自分の声だけでなく お互いの声も マイクの角度によって声が逃げてしまうのではないかと想像している。

しかし PAさんの腕もあるのか その障害を最小限に抑えて 今 動画で聴いても それほど大きな違和感なく聴けている。

注目すると 歌う彼らの髪がなびくほどの風が吹いているのが分かるし、気温の低い季節にショーがおこなわれていたこともある。
 
また ちょうどよいくらいの季節と思われるKAJa!2007の動画では、観客の服装や帽子の様子から察するに 陽射しの強い暑さを感じるような気候だったのではないだろうか。


 
暑ければ暑いことで 寒ければ寒いせいで 体力が消耗され 大切な喉の潤いが容赦なく奪われていく。

筆者が 野外で 歌を歌ったのは せいぜいキャンプファイヤーや合宿くらいの記憶しかなく、自分の声が響いていなくても気にもしなかった。

しかし リストラーズの野外でのショーでは けっこう大きな課題になるのではないか。
マイクが単一指向性のものなのか 双指向性のものなのか 専門ではないので見ただけでは分からない。
 
広い場所の野外の場合だと、スピーカーの場所によっては 響きすぎたり
音の返りに差があったり 角度によってはハウリングを起こしたり 四方からの音の伝わり方にも時間差によって わんわん響いてしまい 聞き取りにくくなる。
 
野外音楽堂でライブを聞いたり 野外劇場で演劇などを見ると 声の響きが
何となくオーバーすぎるというか ステージ上のアーティストの動きとの時間差を感じてしまう。
光と音の速さの違いなのだから 違和感を持って当たり前なのかもしれないが。
 
もちろん今では テクノロジーの進化で 解決されていることも多いはずだ。
が、結成からしばらくの いちばんご自身たちを売り出したい頃には 思っているより ご苦労があったのでないだろうか。
 
マイクの持ち方や 当て方というか角度など、声を効果的に拾うためには
かなりの注意が必要なはずだ。
しかも 歌うだけでなく けっこう動いて踊りも入る彼らのショーを考えると 事前に 出来るかぎりの準備をなさっていたのではないかと想像している。

音程を揃えるために よく野村さんがハーモニカやミニ鍵盤を使ってメンバーに聞かせていらっしゃるが、その音でさえ 野外で聞き分けるには よほど
訓練していないと短い時間で聞きとれないのではないだろうか。

微風でも音は流れる。
空気のなかに 響きが吸い込まれてしまう。
 
このことは 彼らが あまりにも簡単そうに 屋外でのショーをこなされるので 見過ごしてしまいがちではある。
が、音に敏感で厳しい基準を持っていらっしゃるメンバーにとって ナーバスなことなのではないか。

できれば屋内で ある程度 安定した気温と 風に左右されない環境で歌うことが望ましい。
だが、たいていのアカペラの発表場所は屋外になってしまい、それをどう
解決していくかは意外に大きな問題だったのではないだろうか。

素人考えではあるが このことに思い至った時 彼らの実力を改めて知り、
日頃の練習や工夫がどんなものなのか 更に興味深く思うようになった。

常に 野外での練習もなさっているのだろうか。
本番前の調整をなさっているような B面のトップ画像のように?
 
風があっても 声が流れない工夫とは いったいどういうものなのだろうか。
声を 前面に押し出して 空気抵抗を躱すチカラ?
 
踊りながら 息を切らさずに歌い続ける肺活量を どう維持なさっているのだろうか。
かなり出来る男たちとして サラリーマン生活を続けながら? 

たとえば 屋内のカラオケであっても ちょっと歌いあげる風の曲を選んだり その場のノリに従って メチャクチャながらも振りをつけると 息が続かなくなって声が伸びない。
そういう経験があるかたは たぶん筆者だけではないと思う。

だが 出来てしまう 踊りながら歌えてしまう という意味を 深く考えてみもせず 楽しく動画を見ているだけで 想像していなかった。
 
20年間の年月、いや それよりも以前から合唱に関わっていらした経験が
あってこそ いかにも簡単そうに出来るということなのだろうが、そこには 絶え間のない訓練があるのではと思う。

昨年の9月頃だったか、
顔じゃない本じゃないの中に 久しぶりの合同練習の感想が書かれてあり、「体力が衰えている」という一言だけだったが それに言及なさっていたことがあった。
 
読んだときは、ごく簡単に ああ あの世界的な騒ぎのあとで 家で過ごす時間が増えてしまって 動く機会が減ったことを言ってらっしゃるのだなと思ったが、そのレベルの話ではないことに 今頃になって気付いている。

リストラーズメンバーが 高いクオリティーを保つためには 普通の体力維持のほかに プラスアルファが必要なのだ。

視聴者は PCやスマホ越しに 彼らが提供してくださる動画を楽しむだけ。
が、その陰に 忙しい本業の合い間を見つけては 体力や肺活量、声の維持につとめていらっしゃる姿がある。

そんなことなど考えず、ただ楽しめばいいんじゃないのと思われるかたも
いらっしゃると思う。
しかし どんな仕事、どんな創造にも 裏にある努力や研鑽を想像してみないままでは 本当の価値は見えないのではないかと思っている。

我ながら 面倒な性格だとは思うが、そのおかげで 彼らへの尊敬と感謝の
思いが深まると思っている。
 
オモテからは 見えず 隠された裏側を考えてみることは 自分を省みる機会にもなるような気がする。
と言ったところで 生活態度が大幅に改まるほど殊勝でないのが 残念な筆者ではあるのだが。
 
 
 
< 期待を超えるクオリティーを保ってくださるメンバーに感謝 ♡
                心からの敬意をこめて 大好きです! >

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