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ワインの中の リストラーズ

競争の世界は ひとを疲弊させる。
今の世は 競争ばかり。

仕事でも 家庭でも 人間関係でも。
人より抜きん出たい 大事にされたいと もがいてあがく。

それに疲れて果て ふとんの中にもぐりこみたい日もある。
もぐりこみすぎて外には出ない日々もあった。
が そうなると今度は焦る。
置いていかれたような焦燥感と 世の中についていけない罪悪感。

 
競争の世界が もしなかったら?


気持ちが 安定するかもしれない。安心するのかもしれない。
でも そこには向上がない 努力がない。
世界を進ませる進化がない。発展もしない。
 
安定には ダイナミックが似合わない。
いつしか希望もなくなってしまう。
 

では、調和の世界はどうだろう。

調和は  ハーモニー。
誰も勝たない 誰もが負けない。
 
チカラを認め 引き出し合いながら 円の周囲を少しずつ 大きくしていく。
ゆっくりと ゆったりと。らせんを描くように。

居心地がいい。ここなら居られる。ずっと夢を見られる。
気分よく揺られて 流れに身をまかせるように。
 
だが やっぱり展開に欠ける。
もっと広がり 上を目指したいと願う ひとの本能が反発する。

 
どちらもが必要なのだろうか。
何かを目指す心と 調べを合わせる心。
 

リストラーズは、その両方を体現しているように感じる。


ハーモニーの大切さは、音楽から学んだ心。
進化の願いは ひととして生まれた本能に近いもの。
 
どちらも体現し続けるには 絶妙なバランス感覚を問われる。
多くのひとを魅了するとき むきだしの努力は重すぎるから。

ハーモニーの奥に そっとひそめて 創造の工夫に変えて 
これはどうかなと とりだして 魅せる。
生き方という大げさなものでなく 日常のなかに 静かに埋もれさせておく。
 
けれど
埋めたもの ひそめたものは熟成されたワインのように ひとを酔わせる。
なぜ酔うほどなのかに 気付かないまま。
 
リストラーズは どこか底が知れない。
さらに 先をたしかめてみたいと ひとを魅了する。


< 『 すこし愛して ながーく愛して 』  サン○リーRED
        (昭和55年)  CMコピー が 秀逸すぎる   >  


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