専門用語

専門用語は正しく使わなければならないと思う。でないと、議論が成り立たないからだ。専門用語には長い研究史があって、その中で成立した独特の意味を持つ。なぜこんなことを書き始めたのかというと、ある高名な学者の書いたものを読んでいたら、間違いを発見したからだ。本人は財政社会学者であって経済学者ではないと公言しているので、経済学の用語を間違えてもいいだろう。そして、この程度の誤植によって主義主張の可否が変わるわけでもない。しかしですな。学生に専門用語は正しく使えと教えている身からすると、勘弁してくださいという感じなのだ。よくある、アロケーションとディストリビューションの違いなんだがね。

で、なんの気無しに調べてみたのです。そしたら、おそらくその源泉は、さらに高名なマルクス経済学者によるものだったのですね。で、恐ろしくなって引用元の原文探したら、やはり正しくディストリビューションのことだって書いてあったわけです。自戒を込めて、孫引きはいけない、と。なお、別の有名なベーシックインカム論者の先生も、おそらく同じ出典からの孫引きで同じ失敗をしていた。

それはさておき、政府の3機能論の展開を、現金給付と現物給付でやったんですね。これがまた自分で言うのも秀逸でね。すぐに教科書に書いていないことを開発して話してしまうんだけど、、、、ちゃんと断ってますよ。これは教科書には書いていませんって。ここまでは書いてあって、ここからは書いていないって。こう言う話を披露する機会がないのは残念ですな。研究論文にはならないし。

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