郵便を投げ捨てるペテン師

匿名希望 健忘録というには長たらしく、とりとめもなく、かといっておざなりにできない脳内…

郵便を投げ捨てるペテン師

匿名希望 健忘録というには長たらしく、とりとめもなく、かといっておざなりにできない脳内を徒然と独り言つ。

最近の記事

レジームチェンジ

お休みしていたノート再開。書けやーって圧力が強くてね(笑 自伝的なことでも書いていこうと思うんだけど、今日は違う。文字ばっかで写真使えや!という圧力があってね(苦笑 最近ですね、低温調理器を購入したんです。これの調子がなかなか良くて思うところ大だったのでそのことを書こうと思います。低温調理器ってのは電気でお湯をあっためて、ジップロックなどに入れた肉などを低温調理器する調理器具です。なんで買ったかというと、クリスマスにローストビーフを作ろうと思いましてね。YouTubeで色々

    • 経済学と貨幣

      マルクス経済学(宇野派)の財政学(つまり発展段階論的福祉国家論)と現代貨幣理論の融合を図りたいとする岡本英男の研究についてメモしておこうと思う。今年の前半は新型コロナ感染やそれに伴う激しめの体調不良で低調オブ低調だったので、ノート描く気力なかった。いまは、遅れた仕事に圧殺されそうだけど、気力が回復してきたんだと思う。 岡本の理解はこう。純粋資本主義の理論(原論とか原理論とかいう)には国家がない。国家の登場は純粋資本主義が不純化していく過程として捉えられる。重商主義・自由主義・

      • 投資で雇用を作る

        来年から大学院に来るY氏のことを念頭に、公共事業について考えてみようと思う。スタートラインはミクロなら公共財、マクロならISLMが分かりやすいだろうか。財源調達の学である財政学からすれば、公債論と雇用がポイントとなろう。マンデルフレミングをベースに考えれば、単なる公債発行と公共事業の組み合わせはΔGとして把握されるため、国民所得増と金利の上昇に帰結することになる。国民所得の増は、直接的な賃金払いのみならず産業連関の中で生産の刺激となる。もっとも、公共事業による生産性の向上は、

        • 現代貨幣理論と社会的共通資本でグリーンニューディールを解く:資本主義、市場、国家による生産性向上

          意欲的な感じで報告する機会を得られそうなので、これまでの研究を一旦まとめるような話をしようかなと計画しています。これは、そのためのメモ。MMTとGNDがお題なのですがドーンと来いという感じ。さぁ、メモレベルでもまとまるのかどうか!? 主題と副題、どちらが主題でどちらが副題なのかわからない感じですけど、いくつかアイディアが散りばめられている。この間の気づきとして。資本主義を労働者にとって悪夢と見るか、福音と見るかは色々な見方があるものの、そこに鍵があるということに最近気がつい

          対人社会サービスが基盤産業となる貨幣的条件

          ちょっと故あって介護労働者の賃金水準のことについて少し調べていました。政府は処遇改善加算をして雇用環境の底上げを図ってきたわけですが、実態がどうなっているのかというのは、準市場においてはそれぞれの社会福祉法人等の俸給表などによるのであって、必ずしも賃金に直接反映されるとは限らないからです。山田先生らの研究では、介護労働の賃金が相対的に低いのは勤務年数が短いからなんだというのがあったわけですが、そういうことが起こるのは公務員とは異なり、俸給表はそれぞれの法人で用意されていて、運

          対人社会サービスが基盤産業となる貨幣的条件

          新しい経済学と財政学

          安田洋祐氏の議論に触発された。以前より、効率性と公平性の関係について研究していることは知っていて、注目はしていた。そこでの議論は、効率性を追い求めて=パイを最大化して、それを再分配するって本当に可能なんだろうか?ということだった。効率性と公平性のトレードオフについては、経済学の非常に基礎的なテーマである。一応、決着はついていて、厚生経済学の考え方では、任意のパレート最適な配分を達成することができるとされている。これを一般均衡の枠組みで考えれば、資源の初期配分をいじってやって、

          新しい経済学と財政学

          続き

          日差しがヒリヒリする。雨にしてもなんにしても、もう少し手加減していただけないものかね。かといってノッペリとフラットな世界がいいようにも思わないし、苛烈に分散が大きく/拡大する世界も地獄。中庸とはよくいったものだが、そこそこの近傍でそこそこばらつきがあって、循環が持続するエコロジーはないものかね。 さて、何を書いていたのか忘れ気味だけれども、経済学の種類について書いていたんだったと思う。ミクロ経済学、マルクス経済学、制度経済学と、マクロ経済学という分類をしたんだった。なぜこの

          アンバランスな3+1の経済学(前)

          ○○経済学って多い。環境経済学とか公共経済学とか医療経済学とか教育経済学とか。これらほとんどの経済学は、分析対象や分析の分野を示している。なので、どのような世界観(規範や問題意識)を持っているのか、理論(その世界を理解する仕方)の構成になっているのは、別の話。昨日、とある原稿について共同研究者と議論をしたのだが、少しずつ、我々(だれやねんってことだけど私とy氏)の議論が理解されつつあることを感じた。が、かなり長い時間をかけてy氏に理解してもらって、それが広がっているので、人口

          アンバランスな3+1の経済学(前)

          ヒップホップが流行っていると聞いて

          若者の間で、ヒップホップが流行っていると聞いて。フリースタイルのラップバトルがテレビで放映されるようになった影響は、本当に計り知れないと思った。飲み会で、どのラッパーの何の曲が好きなのか、という話で普通に何時間も盛り上がれる環境って、少なくとも私が学生をしていた15年前にはなかった。むしろ、モーニング娘。などのアイドルで語る方が多かったのではないか。上半身裸でタッキー&翼を歌っていた同級生が思い出される。 YouTubeでいつでもフリースタイルの名勝負を聞くことができたり、

          ヒップホップが流行っていると聞いて

          逆システム学とベーシックインカム

          依頼がありまして、ベーシックインカムについて書いていました。以前、簡単な整理をエコノミストに書いたことがあったんですが、それは文字数が少なかったこともあって、比較的表面的なことに終始していたんですね。で、今回は結構突っ込んで書いてみました。神野派も金子派も、現金配ればハイおしまい!みたいな政策じゃダメでしょってことで一致はしているわけですが、その部分をチューニングしていったらどうなんだろう?と言うことには十分に答えてこなかったと思うんですよね。で、もっというと、給付付税額控除

          逆システム学とベーシックインカム

          専門用語

          専門用語は正しく使わなければならないと思う。でないと、議論が成り立たないからだ。専門用語には長い研究史があって、その中で成立した独特の意味を持つ。なぜこんなことを書き始めたのかというと、ある高名な学者の書いたものを読んでいたら、間違いを発見したからだ。本人は財政社会学者であって経済学者ではないと公言しているので、経済学の用語を間違えてもいいだろう。そして、この程度の誤植によって主義主張の可否が変わるわけでもない。しかしですな。学生に専門用語は正しく使えと教えている身からすると

          資本主義と内生的貨幣供給

          マルクス経済学が分析対象とする資本主義。新古典派経済学が分析対象とする市場。全く方向性もアプローチも違うように見えて、共通の要素を多く抱えていることは知られている。現代的貨幣理論や内生的貨幣供給理論が広く知られるようになって、そのいずれもが激しく動揺しているようにみでる。もちろん、MMTの思想的な源流に、マルクスの影響があるかどうかで言えばあるんだろう。ケインズの直系という位置付けの方が正確ではあろうが。多くの意味でMMTはマルクス経済学の発展を否定するものだ。最近気になるの

          資本主義と内生的貨幣供給

          地方自治論の穴

          あまりにも時間がないので、要点だけ書いておこうと思う。 地方自治をベースにした民主主義、財政民主主義には決定的に穴がある。それは、ティボーモデルの正反対のものだ。つまり、地域の住民は、誰を住民として受け入れるのかについて、排除されている、ということ。 地域おこし協力隊なんかで、地域の一員として受け入れるかどうか、丁寧にマッチングしているところは、事前によくすり合わせて、住民がOK(しかも厳密なコンセンサス)の場合にのみ受け入れる、ということをやっていたりする。そうすると、

          市場と国家の四象限

          レッセフェールという言葉がある。自由放任政策を示すフランス語で、しばしば市場中心主義を表す政策として語られる。ただ、この市場を軸とした自由か規制(民主主義による統制)かという問題は、国家の政治的機能を軽んじている。その意味を説明したい。 国家、それをLeviathanと見ても良いし、人間を抑圧する機構とも、想像の共同体と見ても良い。しかし、どうやら規制を取り払った先にあるのは、完全市場の機能する世界ではなく、クローニー資本主義だったようだ。全てを自由にすると、例えば長州閥と

          水と油

          最近は財政の話ばかり書いていますが、俄に盛り上がりを見せているので、仕方がない。テーマは移民の財政需要を満たすって話。その議論の過程で、ものすごいディスコミュニケーションを目の当たりにしたので、ここに記しておこうと思う。 そのディスコミュニケーションは、財政学と財政社会学の、もしくは神野直彦と井手英策とのディスコミュニケーションなんだよね。前者は、実は規範的な議論をしている。つまり、どうあるべきか、を示そうとする。だから、現状批判になる。神野直彦の言葉を使えば、現状に対する

          移民と社会有機体説

          このところ日本でも移民問題の議論が盛んである。2017年の『社会的分断を越境する-他者と出会いなおす想像力』(https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787234117/)や、2019年の『ふたつの日本-「移民国家の建前と現実』(https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000321022)など、予兆はあった。財政学界にもその波が押し寄せているとみて良かろう。この問題について、何人かの財