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”擬人化”のファーストペンギンはダテじゃない

今年でサービス開始7周年を迎えた『艦隊これくしょん』
私はこのゲームが大好きで、現在一年以上『元帥』という提督(プレイヤー)ランキングの最上位に当たる称号を維持し続けている。

私は元々軍艦が大好きで、中でもステルス性を重視した結果カクカクの箱みたいになった現代の軍艦ではなく、先の大戦で使われた武骨にして力強いデザインの軍艦にたまらなく惹かれる人間だった。
そして、そんな軍艦と同じくらい可愛い女の子が好き。二次元とか三次元とか関係ない。可愛ければみんな好き。

そんな人間が艦これを始めるのは、まあ道理というか自然な流れだったのかもしれない。

しかし、艦これを先駆けとして現在では様々な擬人化ゲームが世に出回っている中、軍艦フリークの私がソーシャルゲームとしては相当年季が入った艦これだけをプレイし続けるのには確固たる理由がある。
このnoteはそんな艦これの魅力をひたすら語り続けるだけのnoteである。

※当ページで使用しておりますロゴ・画像等は全て著作権法32条1項に基づき引用しております。
また、「艦これ」開発/運営様の以前のツイートよりプレイ画面のスクリーンショットも動画に準じるものと判断いたしましたが、「艦これ」開発/運営様ならびに他の権利者様より削除の申し立て、警告がございました際には速やかに対処いたします。

艦これの魅力その①〜史実に対して忠実な設定やイラスト〜

艦これに登場するキャラクター、通称艦娘(かんむす)は全て第二次世界大戦に登場した艦艇なのだが、彼女たちのステータスには実際の設計コンセプトや戦歴が反映されている。

例えば、日本の海軍は大艦巨砲主義に基づく『漸減邀撃(ぜんげんようげき)作戦』という戦略を採用していた。
これは広い太平洋を西進してくるアメリカ軍を航空機や軽巡洋艦・駆逐艦・潜水艦といった小型艦による魚雷攻撃で少しずつ減らし(漸減)、最終的に戦艦大和をはじめとする決戦兵器で叩き潰す(邀撃)という戦略。
戦術兵器である艦船や兵装は全てこの戦略に基づいた設計がされているため、日本の艦艇は他国に比べ小型艦の雷撃値がずば抜けている。
文字通り世界最強の火力を誇る戦艦大和が開発されたのも、最後の決戦でアメリカに撃ち勝てるようにするためである。
周知の通りこの戦略は上手く行かず、逆に漸減邀撃作戦に拘り続けた結果最後までアメリカの航空機に対抗する術を持たず敗戦したため、日本の艦船は対空値が低く設定されている。

イギリスの艦艇は科学力が世界一なドイツの誇る潜水艦、Uボートと長年戦い続けてきていたため、対潜値が非常に高い

アメリカはどうだろうか。
高性能な対空レーダーと連携した対空砲、そしてその砲弾に採用された『VT信管』という特殊な信管によって、日中戦争から真珠湾攻撃、南方方面、蘭印方面と勝ち続けてきた日本の精鋭航空隊のことごとくを撃ち落とした点が反映されてか、日本とは裏腹に対空値が非常に高く設定されている

また、細かな設定はステータス面にとどまらない。

Screenshot_2020-09-30 艦隊これくしょん -艦これ- - オンラインゲーム - DMM GAMES(4)

こちらは先も触れた日本の最終兵器にして、世界最大最強の46cm三連装砲を搭載したことでギネスブックにも載った戦艦、大和である。
正確に言えば改装を済ませた後の姿、大和改なのだが、左足の黒いソックスに白字で何か書かれているのが分かるだろう。

これは『非理法権天』と書かれていて、ざっくり言えば「天皇陛下は何にも勝る」という意味。尊皇が首相から農民に至るまで周知されていた当時ならではの言葉だ。
大和を旗艦として日本の連合艦隊最後の出撃となった沖縄への水上特攻作戦である天一号作戦において、大和の甲板に掲げられた幟に書かれていた文言であったそうだ。
また、艦の側面(イラスト正面)に小さな砲がいくつかついているが、これは1943年の修理のついでに実際に取り付けられた、対空用の高角砲を反映したものである。
イラストにも細かな史実が反映されているのだ。

艦これは艦娘が中破(体力の半分)以上のダメージを受けると着ている服が破けてしまうのだが、大和の場合は服の左側が徹底的にボロボロになる。さすがに肌色面積が多いので画像の引用は差し控えるが。
これは史実における大和型戦艦の設計があまりにも頑丈で、大和の同型艦である戦艦武蔵が推定で魚雷20本、爆弾17発、至近弾(艦の近くに落ちた弾。要するに的を外した弾だが、破片が舷側や艦の構造物に突き刺さるので十分脅威)20発以上を受けても沈まなかったことを踏まえ、アメリカ軍が左舷を集中して狙うことで艦の転覆を狙い、より効率的に大和を沈める戦術を取ったとされていることから。

戦力温存のため実戦経験の少なかった大和という艦娘ひとりを取っても史実由来のエピソードはまだまだ語り足りないほどあり、プレイしていると「あ、このセリフは〇〇海戦の□□だな」というような発見がある点が私のような軍艦好きの心を捉えて離さないのである。

どうでもいいことではあるが、広島県呉市にある大和ミュージアムの日本語音声案内は声優の竹達彩奈さんによるもの。そして竹達さんは艦これにて大和の声を担当されている。んーすげえ偶然!偶然なのか!?偶然ってすげえ!

艦これの魅力その②〜もし○○だったらを叶えてくれる改装〜

艦これでは、レベルが一定に達すると『改装』によって艦を強化することができる。ポケモンならば、ヒトカゲがリザードを経てリザードンへ進化するようなものだ。

この改装は艦によって様々で、史実で施された改装に基づきパワーアップする艦もいれば、計画こそあったものの戦況悪化により実現しなかった艦のIF改装などもあり艦娘によって様々である。

伊勢型戦艦の改装はそのどちらも満たしたものであって、まさに艦これの魅力を象徴するような艦でもあるのでご紹介したいと思う。

Screenshot_2020-09-30 艦隊これくしょん -艦これ- - オンラインゲーム - DMM GAMES(2)

まずは通常の状態。ポケモンならマサラタウンでオーキド博士から預かった直後のヒトカゲ
フレーバーテキストにある『扶桑型戦艦』とは伊勢型の前型で、日本が初めて一から設計を手掛けた超弩級戦艦である。
ちなみに超弩級とは主砲の大きさがイギリスの戦艦ドレッドノートの12インチを上回る戦艦のこと(扶桑型と伊勢型は14インチ、35.6cm)。一般的に”とてつもなく大きい”ものの比喩として使われる超ド級という言葉の由来でもある。

建艦技術が未熟だった日本は扶桑型で続出した欠点を伊勢型で克服し、試行錯誤を繰り返しながらも戦艦の新たなスタンダードとしての長門型、ネーバルホリデーと呼ばれる軍縮条約と関東大震災により戦艦から空母に変わった加賀型を経て大和型戦艦の大和と武蔵を作り上げるのである。

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こちらが開戦前の伊勢の写真。画像はクリエイティブ・コモンズより。
向かって右側が進行方向。
後方に三つ並んでいるのは偵察機で、写真内偵察機右に主砲が一基設置されている。

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続いてヒトカゲからリザードへ進化した伊勢改。

正面に構えていた主砲がなくなり、代わりに盾のようなものを装備している。そして艦種も”戦艦”から”航空戦艦”へ変わっている。

この盾のようなものはカタパルトを使った航空機射出用の甲板で、一部の航空機(艦上爆撃機『彗星』と水上偵察爆撃機『瑞雲』の二機種。零戦のような戦闘機はカタパルトの衝撃に耐えられないので運用不可)を運用できるよう後部の主砲を撤去して施された改装だ。
ゲーム内では二機種のうち瑞雲を運用可能で、搭載すると航空戦と砲撃戦のどちらにも参加することができるようになる。

これは史実でも実際に行われた改装で、その目的はミッドウェー海戦で一挙に4隻も失った空母(砲撃戦に参加せず、甲板を滑走路にして航空機を飛ばし、航空機によって攻撃を加える艦)の補充にあった。
そして改装の結果、戦艦であるにも関わらず空母を中心とした航空戦隊の一員として戦争末期の激戦に身を投じることとなる。

史実ではカタパルトを使った発艦にこそ成功するものの、着艦は陸上基地か艦隊に随伴している他の空母、どちらも不可能なら水上に着水という形であった。甲板が短すぎて伊勢自身に着艦ができないのである。じゃあなんでそんな改装したし。

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こちらもクリエイティブ・コモンズより引用、後部砲塔を撤去し航空甲板を設置した伊勢。
先の写真と見比べてみると、中央にそびえ立つ環境の後方、偵察機等が置いてあった艦の後部が一段高くなっているのが分かる。これが航空甲板で、本来ならばここからカタパルトを使い航空機を発艦させるはずだった。

実際には搭載するはずだった航空機の開発の遅れ(当時の日本はエンジン開発の技術が未熟で、不具合が続出した。馬力はアメリカの半分強しか出せず、有名な零戦が軽量性を突き詰めた設計なのはエンジンの馬力不足を軽さで補うため)や航空隊の配置転換があり、戦闘において航空機を飛ばすことはないまま呉の軍港で空襲を受け、終戦を迎える。じゃあなんでそんな改装したし……。

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そして満を辞してリザードンへ進化した、装いも新たな伊勢の最終形がこちら。

その名も”伊勢改二”、艦種は”航空戦艦”から”改装航空戦艦”へ。

これは完全なIF改装で、実際に行われた後部だけの簡易的な改装ではなく「空母として運用できる戦艦」をとことん突き詰めた形である。
艦これ運営様のツイートにて伊勢改二の実艦図が公開されているが、こちらの図を見ると後部のみ航空甲板が装備された改の状態とは異なり、戦艦のシンボルとも言える艦橋が撤去され甲板が艦前方まで延びているのが一目で分かるだろう。

機体が大型であるため長い滑走距離が必要な攻撃機(航空魚雷という巨大な空対艦兵器を積んだ航空機)の運用こそできないものの、機体が比較的小型である爆撃機と戦闘機を空母として運用しつつ、戦艦として砲撃戦も行うという伊勢型が目指した本来のコンセプトの完成形がこの形なのだ。

艦橋を撤去するということは、改の状態ではできなかった航空機の着艦スペースを確保できるというメリットこそあるものの、広い海原を遠くまで見渡せないというデメリットもある。
そのためか伊勢改二の砲撃戦における射程距離は他の戦艦より一段低く設定されている。

余談だが、伊勢の姉妹艦である日向も同様の改装を受け、伊勢と同じく航空機を飛ばす機会がないまま終戦を迎えるのだが、日向は戦艦として潜水艦に向け主砲で砲撃を行い、輸送船団のピンチを救うという好プレーをしている。
この件が反映されてか、ゲーム内にて伊勢を含めた他の戦艦は対潜値を持たないものの、日向改二のみ対潜値を持つ唯一の戦艦となった。

こういったIF改装は伊勢型改二にとどまらない。

アメリカの主力駆逐艦(空母や戦艦といった大型艦の護衛や輸送船団の護衛、対地の砲撃までこなす小型艦)であるFletcher級駆逐艦のネームシップであるFletcherは史実では終戦の直後に退役するのだが、退役せず順当に強化されたIF改装である改二相当のFletcher改 Mod.2、そして戦後に日本に代わる脅威となったソ連や中国の最新鋭潜水艦に対抗するために新型対潜兵器を搭載し再就役、朝鮮戦争やベトナム戦争に参加した史実の姿のFletcher Mk.Ⅱの二種類が用意されている。

ミッドウェー海戦で壊滅した後の日本航空戦隊を支えた翔鶴型航空母艦(空母)の2隻は、改二甲というジェット機運用を想定し装甲化された航空甲板を持つ姿に改装可能だ。
通常の航空甲板ではジェット機の熱に耐えることができないため、ジェット機運用には特別な改装が必要なのである。現在海自のヘリ搭載護衛艦「かが」がF-35Bという戦闘機を運用可能にするために改装工事を行っているのもこのため。こちらの動画をご覧いただけば、ジェットエンジンがいかに甲板を痛めるものかよく分かるだろう。

つまり翔鶴型の改二甲は、プロペラ機用のレシプロエンジンの開発すらままならなかった日本がジェット機の量産に成功し、空母での運用を可能としたIFの姿なのである。

こうしたIFと、IFを叶えるため緻密に練られた設定が艦これの大きな魅力なのだ。


艦これの魅力その③〜充実した装備群〜

先ほど熱く語ったIF改装は、艦娘だけでなく装備にも及ぶ。

例えば軽量性による圧倒的な格闘性能と航続距離で太平洋戦争序盤の空を支配したものの、後続機の開発が遅れたため日本の主力航空機として最後まで戦い続けた零式艦上戦闘機、通称”零戦”は、様々なバリエーションが実装されている。
開戦時の姿である零戦21型、翼端を切り落とし速度向上を図った零戦32型、濃い緑色のカラーリングで「零戦と言えばコレ」といった装いの、アメリカのヘルキャットやコルセアといった新鋭機に圧倒的劣勢を強いられた零戦52型
さらには特攻機としての使用を意識し、爆弾を積む前提で製作された零戦54型/64型、そして『零戦虎徹』を自称し敵戦闘機を80機撃墜(自己申告では200機超、正確な数字は現在確認不可能)した岩本徹三氏がもし零戦部隊を率いていたらというIF装備の零戦53型(岩本隊)などなど……

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これらの装備のパラメーターも艦娘同様史実を丁寧に反映していて、通常の零戦では空対空戦闘から爆撃までこなすアメリカの最新鋭機”F4U-1D コルセア”に対空値で及ばないものの、徹底した軽量化による航続距離でコルセアとの差別化ができている。

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艦これの開発を手がける方々には史実で活躍できなかった艦船や兵装にスポットライトを当てたいという思いがあり、その思いが行き過ぎた(?)結果、先ほど伊勢の改装について語った際に少し触れた航空機『瑞雲』の精密なモデルまで製作・販売をしている。

業界初史上初てあんたたち……

ちなみに私は元々軍艦や航空機が好きだったが、瑞雲については詳しく知らなかった。
瑞雲は偵察、爆撃、空対空戦闘の全てをこなすマルチロール”水上機(カタパルトによって射出され、機体下部についたスキー板のようなフロートを使って海に着水する機体)として開発されたものの、当時の日本あるあるで開発が遅れに遅れ、実戦配備された頃には日本の艦隊は壊滅状態という悲しき機体だそう。

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フレーバーテキストからも瑞雲に対する並々ならぬ想いが伝わってくる。

艦これの魅力その④〜ゲームを彩る豪華な音楽〜

神ゲーと呼ばれるゲームには、優れたBGMが付き物である。

ファイナルファンタジー、ドラゴンクエスト、ポケモンなどなど、世界規模で支持されているゲームはすべからくBGMの評価も高い。

艦これは大越香里さんという作曲家がボス戦のBGM等を担当されているが、このBGMがまた素晴らしいのだ。

時に明るくポップな曲で、作中で中学生くらいの年代である駆逐艦娘たちが元気に暴れまわる様子を表現したり、デスボイスを基調としたヘヴィメタルにストリングス、コーラスを掛け合わせた構成で沈んでいった軍艦の無念を表現したり……

ストリーミングアプリでの配信が無く、公式による動画投稿サイトでの発表もないのでご紹介する手段が無いことが残念でならないのだが、艦これ運営様がボス戦で流れる曲をある方がカバーした動画を投稿していたのでこちらをご紹介したい。


Toshlさんやんけ!!!!X JAPANの!!!!!


なんとToshlさん、艦これの世界観を気に入ってくださったようで……緊急事態宣言中のある日、ご自身のチャンネルでとある曲をカバーした動画を投稿されていた。

私が護り抜くよ
提督(あなた)を独りにはしない
硝煙もこの痛みさえ
私のドレス

魂が震えました。はい。フォーエバーラブ!!

この”提督(あなた)との絆”という曲は金剛型戦艦の声を担当されている東山奈央さんが歌っている曲で、ゲーム内ではレベルの上限突破であるケッコンカッコカリというシステムで流れる曲なのだ。ToshIさん俺とケッコンしてくれ。

他にも艦これ主催のライブには”冬の女王”でお馴染みの広瀬香美さんや、日本のヘヴィメタル界における伝説的なバンドであるLOUDNESS高崎晃さんといった豪華な面々を招聘している。

そんなに豪華なメンバーを集めても見劣りしないどころか、相乗効果で曲の良さが一層際立つのが艦これのBGM。ほんとにブラウザゲームなの??

このBGMの魅力はぜひ実際にプレイして体感していただきたい。

艦これ最大の魅力〜甘えが一切許されないシビアなシステム〜

ここまで長々と6000字に渡って艦これの魅力について語ってきた私であるが、他の艦船擬人化ゲームには無い艦これの特徴がキャラロストという仕組みだ。

これは戦闘によって轟沈(死亡)してしまった艦は搭載していた装備と共に二度と戻ってこないというシステム。

私も今年のGWに史実における激戦の一つである第二次ソロモン海戦をモチーフにした海域で、我が鎮守府の主力にしてケッコン間近であった空母赤城改二と軽巡洋艦夕張改二を轟沈させてしまった。
彼女らには先ほどご紹介した零戦53型(岩本隊)をはじめとした、私の鎮守府が用意できる中では最高の装備を持たせていた。当然それらも戻ってこない。
何百時間かけて育てた艦娘であっても、何万円かけて作った装備であっても関係ない。一度轟沈させてしまえば全て永久に戻ってこない。

このユーザー軽視とも取られかねないシビアなシステムが、『艦隊を運営する』ことの難しさを表現しているのだ。

実際の戦争ならばどうだろうか。
沈んだ艦船は場所によっては回収、復元できるだろう。とんでもない額のお金さえかければ、ミッドウェー海戦で沈んだ赤城や加賀のように今もなお深海で眠る艦も引き上げられるかもしれない。
だが国や愛する家族を守ろうと決意し、艦船に乗艦していた乗組員たちは、決して戻ってこない。
戦争とはそういうものだ。

だから艦これでも轟沈のリスクがある以上「ワンチャンクリアできればラッキー」といった考えで難易度の高い海域に挑むことはできないし、大規模な作戦に備えて日頃から艦娘たちのレベル上げ、装備の改修による艦隊強化を計画的に行わなければならない。

艦船擬人化はファンタジーの領域だが、その実態は限りなくリアルなのである。
これが艦これの最大の魅力なのだ。


番外編〜艦これを作ってる人たちも素敵なんです〜

艦これの開発と運営を手がけているのは、C2機関という方々。
この方々は元々美味しい食品を紹介する同人誌を作っていた同人サークルで、艦これを通して様々なイベントを手がけ、美味しいものや楽しいことの紹介をされている。
先述の瑞雲ダイキャストモデルの販売もその一環だ。

また、地方自治体と連携したオフラインイベントを積極的に行っていて、広島の呉・神奈川の横須賀・京都の舞鶴と並んで軍港としての高い知名度を持つ長崎県佐世保市とのコラボイベントでは、佐世保市の観光統計に直接「艦これ」の名前が書かれるほど盛大な賑わいを見せた。

コラボは地方自治体にとどまらず、富士急ハイランドとのコラボである『瑞雲祭り』では実寸大の瑞雲レプリカを作成・展示するイカれっぷり(最大級の褒め言葉)であり、八景島シーパラダイスとのコラボである『烈風祭り』では零戦の後継機にして開発が間に合わず実戦で使われることの無かった戦闘機”烈風”の実寸大レプリカを作成・展示している。普通そこまでしますか!?

艦これが爆発的人気を博した理由の一つに二次創作に対して寛容な開発側の姿勢が挙げられるが、それは彼らが元々同人サークルとして活動していたからなのだろう。
二次創作を認めるだけでなく、一貫して新たな創作を楽しみ続けている姿は、見ていてとても幸せな気持ちになる。ずっと応援していたいとも思う。

自分たちの好きなものを紹介しながら、様々なところに良い影響を与え続けているC2機関。ひとりのクリエイターとして心から尊敬しているし、私も彼らに負けず好きなものの魅力を発信をし続けていこうと思う。

艦これは本当に「終わコン」なのか?

ここまで長々と語ったが、私が言いたいのは艦これって最高に楽しいよ!ってことである。

仲のいい友人に艦これの話をすると「お前まだ艦これやってんのかよ」という反応をされるが、艦これは8年目を迎えた今でも成長し続けているゲームで、決して延命に延命を重ねているサービス終了間近のゲームではない。

今後は”奇跡の駆逐艦”として主要な海戦のほぼ全てを無傷に近い形で戦い抜いた雪風と、大和と共に沖縄に特攻し大和と共に沈んだ軽巡洋艦矢矧の改二、さらには艦これの顔とも呼べる金剛型戦艦の3番艦榛名、4番艦霧島と、先述の雪風と並び『呉の雪風 佐世保の時雨』と呼ばれた武勲艦時雨の三艦の改二を超える改装など、目玉と呼べる改装が多く予告されている。

そして開戦直後からミッドウェー海戦までをモチーフとし炎上する一面もあったアニメ艦これ、こちらの二期も製作が決まっている。
二期は時雨を主役とすることがすでに発表されているが、史実での時雨の見せ場といえば……ミッドウェー海戦よりも悲惨な負け方をし、日本の敗戦が決定的なものになったレイテ沖海戦
どういうアニメになるか楽しみでならない。

艦これの世界はこれからもどんどん広がっていく。ファンとしていつ訪れるか分からないサービス終了までついていく所存である。



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