マガジンのカバー画像

短編小説まとめ

12
2000字~10000字程度の短編小説です。ジャンルは主に不思議な話、ホラー、日常系、ドラマなどです。シリーズモノも全部放り込んであります。シリーズ別マガジンもあります。
運営しているクリエイター

記事一覧

短編小説『赤い夢』悪夢シリーズ

 通い慣れた高校までの通学路と、その周辺の街並みは、アスファルトの凹みや、民家の塀の汚れ…

kay
1年前
4

短編小説『同窓会の夢』悪夢シリーズ

 車窓に張り付いた雨粒は、過ぎ去る夜街の光をにじませて、まるで抽象画のように再構築した。…

kay
1年前
3

短編小説『異形の夢』悪夢シリーズ

 イヅアが死んだ。  みんながイヅアの亡骸を食べようとしたから、私がイヅアを山の中に隠し…

kay
1年前
5

短編小説『結晶の夢』悪夢シリーズ

 僕はキラキラと煌めくカラフルな大地に立っていた。  歩くたびに、ジャリジャリと音を立て…

kay
1年前
1

短編小説『箱の中の蛇』成瀬編

 紅葉とはつまり、リストラだ。  光合成という仕事の成果が落ちた葉は養分の供給を絶たれて…

kay
1年前
4

短編小説『メルカトルとクレメル』

 メルカトルには悩みがあった。  親友のクレメルの事だ。 「いいかメルカトル。恐れて何も…

kay
1年前
2

短編小説『無敵の毛布』成瀬編(お題:ブランケット)

 あおぞら公園に「人間の指」が落ちているから見に行こうとヨシオに誘われたのは、授業を終えて、教科書で重くなったランドセルを背負おうとした時だった。季節は夏で、あと数日で夏休みだった。 「え、指って誰の指」 「あの噂の人のだよ、たぶん」  僕は少し考えたが、断ると怖がっていると思われるんじゃないかと子供じみた考えが頭をよぎって――実際、子供だったのだけど――、折衷案を出すことにした。 「まじ、じゃあ大ちゃんも誘おう」  僕らは仲の良かった大ちゃんを誘って、三人であおぞら

短編小説『黒猫』成瀬編(お題:再生回数4回)

 改札を抜けると、駅は人で溢れていた。  ある人は笑顔で、ある人はまるでこれから人を殺し…

kay
1年前
4

短編小説『はじめの一歩』

 僕は病院の屋上で車椅子を押している。  彼女が夜風に当たりたいと言ったからだ。 「寒く…

kay
1年前
2

短編小説『痒い』 #2000字のホラー

 彼は逃げていた。  追われているからだ。追手が何者なのか、なぜ追いかけてくるのか、何も…

kay
1年前
15

短編小説『あじさい』 #2000字のホラー

 何でもない日なんて一日とて存在しないのかもしれない。  誰かにとって今日は重大な意味を…

kay
1年前
9

短編小説『タイプミス』

 カーテンの隙間から漏れる月明かりに照らされて、窓際に置いた小さなサボテンの鉢が枯れて…

kay
1年前
6