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詩『脇役』

人生の主役は自分のはずだ
でも、知らず知らずのうちに
ピントの合わない背景を通り過ぎる
どうでもいい脇役として生きている
いつからだ
僕のセリフはまだか
幾多の困難や僥倖を乗り越えて
成長するエピソードはまだか
いつまでだ
倒すべき悪役も
守るべきヒロインもいない
後味の悪い絶望や
カタルシスのハッピーエンドもない
立体感のない
灰色のキャンバスに
虚ろな影を落とすだけだ

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