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扁桃体

午前9時。

まず目に飛び込んでくるのは、心地よい朝の日差しではなく、人間の叡智が詰まった機械的な光。

「また電気を付けっぱなしで寝てしまった。」

朝7時に起きるという決意とは裏腹に、最近は夜にダラダラすることが多く、よく眠れない日々が続いている。

そんな自分から目を逸らそうと、携帯でYouTubeを開く。


午前12時。

気づけば3時間も動画を見ていた。

予定を完璧に遂行できないと理解してしまうと、途端にモチベーションの低下と共に理想の1日が崩れ落ちる。

ようやく起こした重たい体に白湯を入れる。

カロリーメイトをかじることで、今日も生きていることを感じる。


午後13時。

カフェで読書をするという、何か落ち着く別世界での刺激を求めに外に出る。

チーズ付きのトーストとホットコーヒー。

いつもの注文。

ふと、煎った豆から抽出される黒い液体や、何層にも重なるクロワッサン生地のふわふわ食パンに、美味しさへの追求を感じ、人間の進化を誇らしく思う。

本だってそうだし、腰痛持ちの僕を支えるこの椅子も。

僕らの周りには、人間の進化の歴史がたくさん詰まっている。

便利なもの、使いやすいものを追求してきた思いが込められている。

個人的には、「少しアナログでもいいかな」なんて思う。

少ない情報量、余白の割合が大きいものに何を感じるか、そしてどう楽しむかが人としての魅力のような気がしている。

人類の進化に対応しながら、少しは戻りながら生きていこうと思う。


「僕も少し進化してみようかな。」

柄にもなく、そんなことを思う1日でした。

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