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【#私の遠征話】関ヶ原オタク感想合戦2022

noteを書くまでが遠征です。

地下アイドルオタクのかべのおくです。


先週末の7月23,24日に、岐阜県の桃配運動公園で行われた「SEKIGAHARA IDOL WARS 2022 -関ヶ原唄姫合戦- 」に行ってきました。

僕は2019年の秋頃から地下アイドル現場に通い始めました。しかし2020年、2021年は現地開催されなかったので、自身としては初めての関ヶ原となりました。


それはもう「フェス」ではなくて、まさに「合戦」でした。

僕はそのフェス・ライブが独自性を発揮する要素として、「場」というものが重要であると考えています。その意味で関ヶ原というものはまさに「最高の舞台」が用意されていました。

残念ながら初日は参加が叶わず、2,3日目のみの参加となりましたが、「関ヶ原がどのような場所だったのか」という感想を中心に据えつつ、自分自身のライブ参戦記を綴っていきます。


ステージの感想

まずは各ステージの感想を簡単に記します。つまり、「そのステージは関ヶ原の中でどんな価値を持っていたか、そこでパフォーマンスをすること、見ることはどんな意味を持つか」が中心になります。

今回は5つのステージがありました。

・徳川:野球場を使った大規模ステージ・VIPあり
・豊臣:テニスコートに作られた中規模ステージ・VIPあり
・戦国:公園を使った中小規模ステージ・VIPなし
・桃配:入り口に作られた小規模ステージ・VIPなし
・下剋上:川を隔てて作られた小規模ステージ・VIPなし

そのうち「下克上」を除く4ステージでライブを見たので、その各ステージの印象・見どころを振り返ります。


①徳川ステージ

まずメインとなる徳川ステージは、「とにかくものすごいことが起きる場所」でした。イメージとしてはZepp Hanedaくらすのステージが、そっくりそのまま野球場に出現したような感じです。しかも特典会エリアのすぐ近くにあるので、多くのオタクが必ずこのステージの近くを横切ることになります。

果たして、徳川は「騒げる系楽曲」の強みを最大に活かす絶好の場所でした。砂地でだだっ広い野球グラウンドは、ツーステも横移動もサークルもなんでもありです。

当然のことながら、このステージに立つどのグループも、徳川を一番重要に考えて、とっておきのマスターピースをぶつけてきてました。これはたとえば、

  • OIDEMASE!! ~極楽~(FES☆TIVE)

  • SHOUT(真っ白なキャンバス)

  • 走れ!(ナナランド)

  • 3WD(Task Have Fun)

と言った、オタクからすれば瞬間湯沸かし器よりも秒で沸ける楽曲たちです。なので時々、「どのグループのオタクが一番盛り上がれるか」という別競技が始まっていました。

まさに、「徳川を見ずして関ヶ原を語るべからず」と言えるでしょう。


②豊臣ステージ

豊臣ステージはテニスコートの中に作られ、規模的には500人程度のライブハウスくらいのステージが置かれていました。「可もなく不可もなく、だがそれがいい」という印象のステージでした。

ただ徳川があるので少し見劣りしてしまいますが、もちろん豊臣も十分立派です。残念ながら徳川には立てずに豊臣止まりというグループも多く、「来年こそは…!」という熱のこもったパフォーマンスがたくさん見られました。

しかし、フツーに楽しく野外ライブを見るだけでは、関ヶ原は許されません。後方の一般スペースはただ突っ立って見るには少し広く、騒ぐには少し狭いので、「何か」が起きれば間違いなく巻き込まれます。それがイヤなら柵にしがみつくか、VIPスペースに入るしか無い感じでした。

まさに「豊富からの下剋上を見逃すな」といった感じでしょうか(下剋上ステージの意味)


③戦国ステージ

戦国ステージは公園の中に作られていて、規模的には200~300人のライブハウスくらいでした。観覧エリアには鉄棒やブランコなどの遊具も見られ、なんとなく平和な雰囲気です。徳川や豊臣と比較すると、「明確に分かる裏ステージ」という印象を持ちました。

しかし、個人的には戦国ステージが関ヶ原で一番好きなステージでした。その理由のひとつは圧倒的なロケーションの良さです。ステージの回りが木々で囲まれていて、さらに桃配山をバックにして歌う様子は「森の中でライブを見る」という感じになります。これは他のフェスではなかなか経験できない景色でした。

もうひとつの理由は、裏ステージだからこその距離感です。戦国では、アイドル側も大きな2ステージに備えて人気曲を温存した「裏セトリ」を組んできていて、普段から通っているオタクには思わぬサプライズ曲も飛び出しました。またVIPステージがなく、アイドルとの距離が近かったのも相乗効果を生んでいたのかもしれません。

まさに戦国ステージは、その名前に反して「戦の合間に訪れる戯れ」と言った感じでしょう。


④桃配ステージ

最後は桃配ステージですが、ここはチケットを切ってリストバンドを巻いてもらい、入場して5秒のところにありました。まさに「最初のアイドルとご対面」するステージです。ステージの横幅自体は戦国と同じくらいありましたが、観覧エリア・ステージともに奥行きがないので、だいぶ狭い印象です。

しかし狭いとはいえその立地ゆえに、今までそのアイドルを見たことがないオタクを取り込めるチャンスとも言えます。逆に普段から現場に通っているオタクからしても「なんか盛り上がってるな、なんてグループなんだろう」と思わせられたら勝ったも同然でしょう。

まさに「出だしから容赦なくオタクの首を取りに行く」気概が必要なステージと言えるでしょう。


対戦したアイドルたち

2日間の間、ライブを「ちゃんと」見たのは以下の6グループです。僕が見たのは2日目以降ですが、ここでは純粋な参加日程だけを書いています。

・FES☆TIVE(1~3日目参戦)
・My Dear Darlin'(1~3日目参戦)
・ベンジャス!(2,3日目参戦)
・elsy(2,3日目参戦)
・I MY ME MINE(3日目参戦)
・Jams Collection(不参戦)

ここから各グループについて、僕がどんな心持ちでライブを見ていたかを少しずつ述べます。「不参戦があるやんけ!」というツッコミは、後で回収するのでちょっと待っていてください。


①FES☆TIVE

僕はこのグループの徳川ステージがたまらなく見たかったので、関ヶ原に行くことを決めたまであります。FES☆TIVEの持つ楽曲は、どれもが押しも押されぬ野外向け沸き曲ばかりだからです。

では実際に行ってみてどうだったかというと、やはり徳川ステージはめちゃくちゃ楽しかったです(これについては後述)。それだけでなく、戦国ステージでは「トーキョードリームパレード」などの普段のフェスでは聞けない曲も多少あったりと、しっかり緩急つけたセトリを組んできました。

期間中、メンバーから感じたのは、FES☆TIVEだからこその期待に精一杯答えようとするプロ意識です。今回の関ヶ原は、昨年10月からの5人体制の集大成とも言える舞台でした。そんな時間を一緒に過ごせたことは、今思うととても幸せなことだったのかもしれないと感じました。


②MyDearDarlin’

2020年発足のMyDearDarlin'(マイディア)は、初の関ヶ原現地参戦となったアイドルです。僕自身も「いったい関ヶ原に行ったらどこまで覚醒するんだ…?」と期待半分不安半分に楽しみにしていました。

期待は良い意味で裏切られました。「トーキョーガール」「MDDシンドローム」などのパンチ強めの楽曲で予想通り、オタクを熱狂の渦に巻き込みます。

しかし、楽しいライブだけがマイディアではありません。王道系やエモ系など幅広いジャンルの楽曲をもち、それら全てを高いクオリティで歌いこなせる実力は、関ヶ原で存分に発揮されていました。

これが結集したのは、3日目の徳川ステージです(後述します)。


③ベンジャス!

ベンジャスは、豊臣ステージで2回、戦国ステージで1回ライブを見ました。大きなステージでのパフォーマンスを見ると、やはり一人ひとりが歌える底力を感じるグループでした。

前体制の高梨、日高、浅倉はもちろんのこと、新メンバーの綿矢、鳴宮、葉室の3名も実力を上げて、グループになじんできたように感じられます。もう既に、誰がセンターをやってもどうにかなります。

また、関ヶ原を見て感じたのは、コレットプロモーションであることの強みです。もともと事務所内での対バンが多いコレットは、推しがいるいないに関わらず、どのグループのライブも見る文化が根付いているように感じます。同時に複数のステージが進行されるフェスでも、ある程度の動員が確保できるのはコレットの戦略勝ちと言えるでしょう。

しかし、もちろんただライブを見てもらうだけでなく、「このグループがいいな」と思ってもらうためには実力や良さを分かって貰う必要があるとは思います。それを感じたのは3日目の戦国ステージです(後述)。


④elsy

多分次のI MY ME MINEと同時に、僕のnoteで初登場するグループですね。対バンで見かけてからそのビジュアルに圧倒されて、ときどき橋本せいなちゃんとお話しに行っています。

今回はSPARK 2022に続き、大きな夏フェスでelsyを見られることもあり、ちゃんと回れるようにスケジュールを組んでいました。

結果、「美人は関ヶ原でも映えるんだな」と。elsyの持ち味でもある、どこか懐かしくて爽やかな楽曲は、関ヶ原でも独特の雰囲気を放っていました。とくに「惚れた病に薬なし」は徳川ステージでもしっかり盛り上がれる曲であることを再認識しました。

人数が安定しない時期が続くelsyではありますが、現在休養中の白羽まいちゃんが帰ってきて5人体制となれば、今後さらに勢いが加速されるのではないかと、期待しかありません。


⑤I MY ME MINE

FES☆TIVEと同じ事務所に所属するグループということで、時々ライブを見に行っていました。IQをぶっ飛ばして盛り上がれる曲を沢山持っているので、関ヶ原で見るのを楽しみにしていました。

結果、良い意味で期待を裏切られました。とくに印象的だったのは2回目のライブとなった豊臣ステージです。セトリの最後、新曲の「アイマイスターマイン」のところで盛り上がりは最高潮に達しました。

この曲は疾走感のある曲調と、今までアイマイではあまり見られなかった切ない歌詞が特徴です。結果として夕陽に染まる豊臣ステージにとてつもなくマッチしていて、今までは感じることのなかった感情になりました。つまり、これが「エモい」ということなのだろうと。

「アイマイスターマイン」に関して言えば、なんとこの日に合わせてMVを公開するというサプライズもありました。

今年のアイマイは3日目のみの参戦でしたが、それでも僕のなかでは強烈な印象を残しました。来年はメインステージで「アピバグハッピーヒロイン」がみたいです。


⑥番外編:Jams Collection

関ヶ原にいなかったアイドルを語るのは反則でしょうか?Jams Collectionは2,3日目にもともと名前があり、徳川ステージも用意されていましたが、結果参戦は叶いませんでした。

しかし「もしここにジャムズがいたらどうなったんだろう…」と考えざるを得ませんでした。関ヶ原がとても素晴らしい場所だったために、そこにいないアイドルの存在がむしろ際立ってしまったのです。Tシャツやグッズを身につけたオタクは現地に何人かいて、ジャムズがどれだけ多くの人を魅了している、どれだけのオタクが関ヶ原を楽しみにしていたのかを感じました。そして、これは僕もそうでした。

ジャムズの魂は、オタクと共に関ヶ原にありました。きっと今回の悔しさや、やりきれなさは、メンバーとオタクの今後に絶対つながると思います。


個人的ベストアクト3

以上のように関ヶ原は、とにかく全てのライブが楽しめる最高の場所でした。しかし、その中でもその場の力を味方に出来るグループとそうじゃないグループがあったのは事実です。

そこで最後に、関ヶ原2日間見た中で個人的に、「これは関ヶ原でしか見られないライブだったな」というものを、アイドル×ステージの組み合わせてランキングしてみました。


3位:ベンジャス!×戦国(3日目)

ベンジャスの関ヶ原での最終ステージです。前述の通り、僕は戦国ステージがとにかくお気に入りだったので、太陽が傾き始める中でのベンジャスのパフォーマンスがとても楽しみでした。

結果として、メンバーの底力と対応力が光るステージとなりました。まさかの音源トラブルによってステージはしばし中断となった時にも、MCを先に。そのあとはセトリが変更となりながらも、関ヶ原の最後に相応しいパフォーマンスを見せてくれました。

ありきたりではありますが、ライブはナマモノであり、またトラブルは一体感を生むこともあって、それを効果的に活かせていたと感じました。セトリがかわっても気持ちを切らさないパフォーマンスは、流石の一言です。


2位:My Dear Darlin'×徳川(3日目)

今年は3日間参戦だったマイディア、関ヶ原ラストを飾るステージは最高の舞台が用意されました。おそらくマイディアを少しでも知るオタクなら、「ある楽曲」を心待ちにしていたことでしょう。

そう、それは「FLOWER」です。ワンマンライブや遠征のラストなど、ここぞと言う場面で必ず披露されてきた、まさにみんなで育ててきた一曲です。今回も夕陽の落ちる徳川ステージという完璧なシチュエーションでした。

そしてマイディアはその期待に見事応えました。奇しくもマイディアが立ったのは、もともとJams Collectionがパフォーマンスするはずだったステージ。まさに、悔しさを噛み締めたオタク、アイドル達に捧げた一曲となったのではないか、と感じました。


1位:FES☆TIVE×徳川(3日目)

ここまで、僕は一面的ではない関ヶ原を語ってきたつもりです。ただ楽しいだけじゃない、場所に映えるパフォーマンスやエモい景色を楽しまなければ損です。

しかし、そんな繊細な感情はその場にいる全オタクを巻き込む「圧倒的な熱狂」の前には無力です。そしてそんな熱狂を作り出して魅力したのが、3日目、徳川ステージのFES☆TIVEです。

FES☆TIVEは2日目、豊臣ステージのトリを務め、そこも相当な盛り上がりを見せました。そして「明日の徳川もすごいんだろうな」と、誰もが思っていたことでしょう。

しかし、FES☆TIVEはその期待を軽々と超えてきました。青葉さんの「今年もFES☆TIVEで優勝しましょう」の前振りで始まったOIDEMASE!!~極楽~。アウトロに来るまで、「関ヶ原が終わっちゃう…終わらないで…」と少し寂しさすら感じていました。

もう一生横移動せんわ。

ライブの前はあんなに元気いっぱいだったオタクたちが息を切らし、横移動に巻き込まれて砂まみれの荷物が転がる、焼け野原のような景色が広がっていました。関ヶ原は我々をタダでは返してくれなかったわけです。


総括

野外フェスや遠征には、海外旅行に近いものを感じることがあります。それまでにない特別な経験を獲得でき、価値観を書き換えることができるからです。知ったらもう元には戻れない、そんな経験をすることが人生の意味なのであれば、関ヶ原は一度くらい経験する価値があると言えるでしょう。

反省点を述べるとすれば、行くのを決めるのが7月の初めだったこともあり、ホテルが名古屋でしか取れなかったことです。もう少し早ければ大垣や岐阜などでも確保出来たでしょう。これは次に参加する事があれば改善すべき点と言えます。

アイドルオタクというのは、大抵都心の場違いな場所で多少の羞恥心と戦いながら、推しを応援しています。しかし、アイドルとアイドルオタクしかいない関ヶ原は、まさに夢のような時間でした。この思い出を胸に、夏を乗り切りたいと思います。


おわりに

まとめます。

関ヶ原のダメージ、TIFまでに治るかな。

以上です。

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