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オタクにとっての「アイドルらしさ」

最近在宅時間が長くなったこともあって、ハロプロをよく見るようになりました。

研修生時代を知っているメンバーが昇格し、活躍しているのを見ると、特別な思い入れを抱いてしまうのも大きいと思います。


それにしても各グループの「エース」と呼ばれるメンバーの存在感には惚れ惚れします。

たとえば

  • 浅倉樹々(つばきファクトリー)

  • 宮本佳林(元Juice=Juice)

  • 清野桃々姫(BEYOOOOONDS)

みたいなメンバーたちは、いわゆる「ハロプロらしさ」みたいなものをまとっているような気がします。


別にハロプロに限らず、AKB48グループでも

  • 岡田奈々(AKB48)

  • 小栗有以(AKB48 チーム8)

  • 古畑奈和(SKE48)

など各グループのセンターたちは、いわゆる「AKBらしさ」をたたえているような気がします。

こういったグループの雰囲気って、一体いつどこで手に入れるものなのでしょう?


環境決定論とアイドル育成

AKBとハロプロに共通するのは、研究生や研修生といった育成システムを持つところです。

この時期に一流の先輩方に触れる経験をすることで、「ハロプロらしさ」「AKBらしさ」を体得するのではないかと思われます。


ドイツの地理学者ラッツェルが提唱した考えに環境決定論があります。

人間活動は自然環境の強い影響を受け、それに対する適応の結果として地域性が生じる

Wikipediaより

まあ小難しいことを言わなくても、「みんながそうしているから」という理由で同じ行動を取れば、同じ考え方になるような気がしますよね?


とくにアップフロントは今でこそ即戦力を獲得することも増えましたが、伝統的にアイドル未経験の年少者を育成する傾向にあります。

これはダンスレッスンやボーカルレッスンなどの育成環境が整っており、体制が安定してるため焦らずじっくり育成できるからでしょう。


最近でも宮本佳林さんのMVに当時研修生ユニットだったOCHA NORMAのメンバーが出演していたり、

研修生が正規メンバーにタイマンパフォーマンス勝負を挑む、熱い企画「ONE PLUS ONE」も行われています。


トップアイドルになるための一番いい教科書は、トップアイドルそのものなのかもしれません。

研修生たちが立派なアイドルとして成長していくのを見守るのは、オタクの醍醐味の一つといえます。


繋がり解雇するアイドルを責められないワケ

周りから良い影響を受けることもあれば、悪い影響を受けることもあるでしょう。


地下アイドルにありがちなのが繋がり解雇です。

「契約上重大な違反を犯したため」だったり、「一部ファンとの私的な交流が発覚したため」という文言がしたためられ、突然姿を消すことになります。

僕は「どうして同じ事務所でも決まったグループばかり繋がるんだろう?」というのが不思議だったのですが、これは環境決定論から考えれば当然です。


周りが繋がっているから、自分も繋がる。


ただそれだけのことなのです。

つまり、繋がったメンバーだけを責めるのはお門違いということになります。たぶんオタクにできるのは、お気持ち表明してスッとその現場からいなくなることくらいなのでしょう。


オタクが楽しむ「ゲーム」

ここまで書くと、圧倒的に地上アイドルに分があるように感じてしまうかもしれません。

逆に、推しが突然いなくなるリスクを背う地下アイドルを推すことには、何の合理性も感じられないでしょう。


しかし、地上と地下ではそもそもプレイしているゲームが違うのです。


地上オタクは愛でる

地上アイドルオタクは、純粋に「かわいい/かっこいい推しを愛でること」を楽しんでいるように思います。


先述のように、確かに地上アイドルのほうが可愛い推しに当たる確率は高いでしょう。
オーディションの倍率も桁違いですし、周りのレベルも高いうえに先輩からの薫陶も受けられる、圧倒的に恵まれた環境だからです。


オタクは、「推しを推している自分」のことも愛でています
だから推しが全て。推しが推しでなくなったら、自分も自分でなくなる。

だから、地上アイドルは可愛くなければ意味がないのです。


地下オタクは騒ぐ

一方の地下オタクは、推しメンそのもの以上に、推しメンを取り巻く「環境」も含めて楽しんでいるように感じられます。


残念ながら、平均的なルックスやダンス、歌唱力を比べたら、地下アイドルは地上アイドルにかなわないでしょう。

しかし、別に「かわいい」「うたえる」「おどれる」だけがアイドルの全てではありません。

上を目指そうという心意気・逆境をはねのけてレベルアップしていく推しの姿・喜びや悲しみを他のオタク仲間と分かち合うといった経験は、地下アイドルオタクならではの醍醐味と言えます。


もはや地下アイドルオタクにとっては、繋がりすらもエンタメの一つです。


もちろん、これらの解釈には僕の偏見が含まれています。地下オタクでも、純粋に推しを愛する人もいますし、地上オタクでもライブで騒ぐのが大好きな人だっていると思います。

しかも、最近ではSNSのおかげで地下アイドルも知名度を獲得してきていますし、純粋な「アイドルとしての実力差」は縮まりつつあるようです。

だから、あとはアイドルを比較するには、環境も一緒に比較する必要があるように思えます。


そもそも、推しは別に作らなくてもいいものですし、作ったとて誰を推すのも自由です。

そこで自分は「誰をどんなふうに推す」のが好きなのか、まさにオタクの品格が問われ始めていると言えると思います。


終わりに

まとめます。


好きになったなら、地下も地上も関係ない。


以上です。

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