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【I-042】人間ドックを毎年受診していて良かった~という話

 サラリーマン時代、会社から毎年健康診断の案内がありました。確か35歳あたりから「人間ドックも選択可能」みたいになったと記憶しています。通常の健康診断と異なり、検査項目も増える分、差額を自腹で払うシステムでした。人間ドックという響きは、課長になったら受診する、部長はみんな受診しているみたいな雰囲気があり、‘ワンランク上のおじさん’感が漂う一種の憧れでした。

 昭和の頃、「いつかはクラウン」という名コピーがありました。トヨタの高級車クラウンの宣伝文句です。昭和の時代は、自身の年収に合わせて車を買い替えるという文化がありました。トヨタで言えばカローカから始まり、自分の出世に合わせて、エンジンの排気量や車格が大きい車へ乗り換えていくのです。そのゴールがクラウン、という訳です。時代が進むにつれて、このようなすごろく的な自動車ライフはなくなり、今や「若者のクルマ離れ」などと言われ、マイカーを所有することが、憧れやステータスでなくなりました。

1969年生まれの私は、かつての自動車ライフと人間ドックを受診するということが重なり、「私も人間ドックを受ける年になったかぁ」と妙な感慨に浸るのです。

40代になってからは、通常の会社の健康診断ではなく、オプションであるところの人間ドックを選択してきました。40後半で起業して以降も毎年人間ドックを受診しています。

ただし、受診する場所はサラリーマン時代と異なり、自宅から徒歩で行くことが出来る地元のクリニックに変わりました。以降、毎年同じクリニックで同じ時期に受診しています。

父が胃がんで亡くなっているので、胃カメラでの検査は必須です。
初めて胃カメラ検査をした際に、のど周辺の麻酔だけで挑戦したのですが、散々だったので翌年からはきっちりと麻酔対応で、寝ている間(麻酔が効いている)に検査が終わる、という方法に変更してもらいました。麻酔を使うこともメリット、デメリットがあり、医師によっては勧めない方もいるようですが、私自身は「検査の快適さ」を優先し、この方法を選択しています。

さて、毎年検査結果は、ほぼ同じで「ちょい肥満なので運動しましょう!食事管理しましょう!」というものです。どちらもその場は反省し、今年こそは!と意気込むものの、3日と持たずに、また次の人間ドックを迎えるというルーティーンとなっています。

そんな人間ドックですが、受診していて良かった!ということがありました。

それは2022年の5月下旬。
その日は、お腹の違和感で目が覚めました。5時過ぎだったでしょう。もうひと眠り出来る時間でしたが、ジワジワと違和感が強くなってきました。右の下腹部が内側から、今まで経験したことのない痛みがこみ上げてきたのです。お腹を壊した時の感じとも違うものです。盲腸か?と思い、その箇所を指で押していくのですが、特に押して痛いというところもありません。しかし、ずっとジワジワと痛いのです。横になっていてもおさまりません。というか、横になっていられないのです。ベッドから立ち上がり、部屋を行ったり来たりと動いている方が、いささか楽なことに気が付きました。

しかし、痛みは全くおさまりません。それどころか、益々ひどくなる感じでした。人生で初めて救急車を呼ぶべきか否か、ということを考えましたが、もうちょっと頑張ってみようと、家じゅうをウロウロしました。

そう言えば、朝起きたにもかかわらず、尿意をもよおさないことに気が付き、取敢えず、水を数杯続けて飲みました。体も火照っているような感じもしたので、さらに水を飲みました。

そうこうしているうちに家族も起きてきました。心配してくれましたが、自分で動けるし意識もあるので、8時30分過ぎたら病院にいくと伝えました。病院に行くと思ったものの、さて、何科にかかればよいのだろうか?

近所のかかりつけの内科に行くべきか、それとも人間ドックのクリニックに行くべきか迷いましたが、設備の良いクリニックに行くことにしました。受付開始前から並びました。とにかくじっと立っているのが辛く、その場でずっと足踏みをするという奇行で何とか時間を稼ぎました。

受付で、「とにかく痛くてじっと座っていることが出来ない」と告げ、廊下をウロウロしていました。かなり待たされることも覚悟したのですが、意外と早く診察に呼ばれました。

診察室に入ると先生は、過去の人間ドックの結果を見ていました。
私のお腹を触り、「おしっこもほとんど出ていない」と告げると、すぐに確信したように「MRI取りましょう」と言いました。昨年の結果に「結石疑いアリ」的なコメントが記載されており、これを真っ先に疑ったようです。

結果は「尿管結石」。

MRIの画像にもはっきりと白いものが映っていました。
原因がわかったので、私もホッとしましたが、この時点で痛みはおさまっておらず、変な汗をかきまくっている状態でした。

具体的な処置はなく、「非ステロイド性消炎鎮痛剤」を処方され、「とにかく水を飲んでください」とのコメント。薬を飲んで、とにかく水を飲みました。飲んだ分だけトイレに行きました。お昼頃には薬も効き、座っていられるようになりました。何か不思議な感じです。その後も「水時々トイレ」を繰り返しました。

気が付くと、変な汗も火照った感じもなくなり、かなり楽になりました。夕食の頃には、すっかり元に戻りました。

尿管結石は、「最後に出す時が凄く痛い」という話しを体験者から聞いていたので、その痛さがいつ来るのか、トイレに行くたびに覚悟していましたが、発症当日には「最後の激痛」はありませんでした。

翌日も「最後の激痛」はありませんでした。おそらく、そこまでの「大きさ」ではなく、いつの間にか「一緒に流れ出た」のでしょう。

この一件で、私は人間ドックの大切さを実感しました。毎年受診しているクリニックに過去のデータがあったので、いち早く原因がわかったのです。もちろん他に行っても最後にはわかったのでしょうが、多くの検査を行い、その分時間も費用もかかったと思います。

毎年健康診断を受けること、それも同じ場所で受け続けることが非常に大切だと思います。今回は「同じ場所で受け続けた」ことに意味がありました。今年も10月に予約しますかね。


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