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【I-039】それは‘言論の自由’ではないゾ!?

それは郵便局に寄った時のことです。
カウンター越しに何やら物凄い勢いで話しをしているおばさんが目に入りました。明らかにクレームを言っている感じです。
すぐに野次馬根性スイッチが入り、耳をダンボにしました。

このおばさん、しきりに「先ほど、自分に対応した男性を出せ」と言っています。対応している女性局員も絵にかいたような困った顔です。上司らしき方が登場し、カウンターの隅へとおばさんを促しました。おばさんも「望むところ」と言わんばかりに移動します。
歩きながら、カウンターの奥にいる男性局員を一々確認し、自分と話した男性を探していました。結局目当ての局員はわからず、‘外れクジ’を引いてしまった局員が、このおばさんの相手をすることになりました。
おばさんは、最初から話しを始めました。これは状況がわかるので、私の耳はさらにダンボ状態です。おばさんの言い分は以下に要約できます。

・先ほど行列になっていた。
・自分も仕方なく並んでいた。
・どのくらい待つのか、を近くにいた男性局員に聞いた。
・その対応が気に食わなかった。
・あんな態度で良いのか?
・あのような対応は、おたくにとってマイナスなので意見したい。

…という、自分のうっぷんを晴らすための模範的なクレームでした。

まぁ、いい大人なのだからおさめましょうよ…、と思いながら、おばさんのクレームを聞いていたところに、近くに座っていた若い男性が立ち上がりました。その方の順番が来たらしく、窓口に向かうようでした。するとこの男性、窓口に向かう途中で、おばさんに「うるさいよ!迷惑だよ」と言ったのです。郵便局にいた客や局員の視線が一気に集まり、「若者よ!良く言った!!」という空気になった…、と私は思いました(笑)しかし、相手はクレーマーですから、こんなことではひるみません。すかさず「私の言論の自由を妨げないで!!」と言ったのです。
「げ、げ、言論の自由??」私の頭の中は「?」マークが飛びまくりました。言論の自由って、こういうことだっけ??としばらく整理がつきませんでした。おばさんの主義主張ということでは、言論の自由なのかもしれませんが、この場面では、ただの迷惑行為で、もうちょい行けば、「営業妨害」になるような事態です。こういう方々は、自分が全て正しいと思って発言していますから、何を言っても一切聞かない、受け入れないが基本です。対応されている局員の方がただただお気の毒でした。

さて、このおばさんの発言は続きます。
「イタリアとかフランスならわかるのよ、サービスがなっていなくても。でも、ここは日本だよね!日本では通じないのよ!わかる??」

これを聞いたとたんに、昔フランスに旅行した時のことを思い出しました。ある店に入り、店員が接客中だったので、少し離れたところにいた別の店員に聞きに行ったところ、「あそこは、私の持ち場ではないので、知りません」と冷たく言われたのです。当時は、こんなこと日本では考えられない、と思いましたが、今では「そうしないとダメだ」という意識に変わっています。犠牲の精神が当たり前で、それが日本の良いところと思っている老害がまだまだ多いです。こういったことが、日本をダメにしていると私は思っているので、このおばさんの時代錯誤な発言に一言いいたくなりましたが、ちょうど私自身の順番になり番号を呼ばれました…。

おばさんは、若者に「うるさい」と言われたことが、少々気になったのか、「小さい声でしゃべるから、あなた、ちゃんと聞いて!」と局員に‘大声‘’で言っていました(笑)ほどなくして、パーテーションで仕切られた商談スペースへ案内されて行きました…。

その後、どうなったか、大変気になりましたが、パーテーションの中を覗く訳にもいかず、用事を済ませて郵便局を後にしました。

おばさんのクレームを目撃した話しでした。


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