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忘れ物はなんですか?

ルヴァン杯決勝。過去4度敗北しているこの舞台。4回分の忘れ物を持って帰ろう。
そんな気持ちで準決勝からの2週間を過ごしていた。
フロンターレに限らず今まで忘れ物をしたことない人などいない。いや、いるのかな?
少なくとも僕は今まで数えきれないほどの忘れ物をしてきた。

「先生、国語の教科書忘れました。」
「じゃあ今日は先生のを貸してあげるから二度と忘れないようにね。」

〜1週間後〜

「先生、国語の教科書忘れました」
「君、この前も忘れたよね?二度と忘れないようにって言ったよね!」

僕が小学生の時、僕のクラスでは2回同じ忘れ物をすると罰として教室の清掃だったり、先生の手伝いだったりを居残りでやらされた。
僕は忘れ物が多い方だったので、かなり居残りをした記憶がある。

普通は同じものを2回忘れたら怒られるしそれ相応の罰がある。
にも関わらず4回同じ忘れ物をしたフロンターレに5度目のチャンスをくれるサッカーの神様はなんと寛大なのだろうか。

そんなこんなで試合が始まる。

スタメンは大方の予想通り。
GK新井
DF車屋 谷口 山村 ノボリ
MF阿部 大島 碧  脇坂 家長
FWダミアン

ベンチには憲剛、悠が控えている。
そして川崎が誇るファイター。[漢]奈良が復帰。

開始早々に良い位置でフリーキックを与えてしまう。蘇る2年前の悪夢。
なんとかしのいだ。ありがとうダミアン。

しかし、前半10分。菅のシュートがポストを直撃し、それが新井の背中に当たりゴールイン。

再び蘇る2年前の悪夢。

そこからはフロンターレがボールを握り、札幌がカウンターを狙うという構図に。

札幌の前線3枚のカウンターから最後は逆サイドのウイングバックを使うという攻撃はかなり迫力があった。

前半19分のダミアンのシュート、44分の脇坂のシュートはポストに当たってしまう。

ポストに呪われているとしか思えない。

フロンターレ関係者でポストに恨まれるようなことをした人がいたら正直に名乗り出て欲しい。大丈夫。怒らないから。

対する札幌もカウンターからいくつかチャンスを作るが決めきれず試合は0-1のまま前半アディショナルタイムへ。

このまま前半終了かと思われたがコーナーキックから阿部ちゃん!!

シュートの名手の一撃で試合は振り出しに。

そして後半。

家長が中心となってサイドから、中央から、いくつもチャンスを作るがシュートは枠の外へ。

脇坂。大丈夫。外したシュートが君を強くする。気にするな。

フロンターレは憲剛、悠を投入しゴールへ迫る。

そんな中で迎えた後半43分。
大島から悠へのホットラインが開通!
悠が落ち着いて決めてついに逆転!!

〜神様からの試練〜

残り時間はわずか。

もう優勝はすぐそこにあった。

響き渡るAVANTE

しかしラストプレーでコーナーキックから深井に決められてしまう。

一言で言うと絶&望。被劇場。

冒頭でも触れたように、同じ忘れ物を繰り返したら、普通は罰則がある。
僕が小学生の頃は居残り清掃だったように。

そう。この延長は忘れ物の罰則だ。罰則の居残りだ。

前言撤回。サッカーの神様全然寛大じゃない。
ちょー厳しい。教習所の鬼教官より厳しい。

延長はハラハラドキドキの連続だった。

谷口の退場。福森のスーパーフリーキック。

悠。いや、悠様の同点ゴール。

僕が1番感動したのは得点後のみんなのディフェンスだ。

全員が身体を張って、走って、闘って。

家長は足がつりながらも走り続けていた。

〜PK戦。歓喜の瞬間〜

試合はPK戦へ。
フロンターレは先行。そしてフロンターレ側のゴールでPKを行った。負ける要素は0

しかし4人目の車屋が失敗。

札幌の5人目。決められたら負け。
そんな絶望的な状況のなか秩父のジルーこと新井がスーパーセーブ。
6人目も止めてフロンターレの優勝!!5回目にして初めて忘れ物をしなかった瞬間だった。
フロンターレの選手、監督、コーチ、スタッフ、そして僕なんかより長くサポーターとして多くの悔しい思いをしてきた皆さん、本当におめでとうございます!

新井はそのままの勢いで勝利のトライ!!

脇坂がシュート外した分は新井がトライして5点取ってくれたからこれでチャラ。


〜気まぐれなサッカーの神様〜

サッカーとは時に残酷だ。

今日の試合、フロンターレがリードしていた時間は10分にも満たない。
リードしていた時間で言えば札幌の方が断然長かった。
でも、フロンターレが勝者となった。
両者に差なんてない。実際データ上では今日の試合は引き分け扱いとなる。

両者同時にダウンして、「優勝したもんねー」と先に言ったのがフロンターレだったというだけだ。(伝われ。この想い)

〜新たな忘れ物〜

居残りの罰を乗り越えてついに忘れ物癖を脱却したフロンターレ。

だが、個々人で見れば忘れ物はいっぱいあった。

誰とは言わないがいっぱいシュート外したり、誰とは言わないが退場してみたり、誰とは言わないがPK外してみたり…

チームとしても試合の入りの悪さ、前半立ち上がりの失点、後半アディショナルタイムの失点

決して試合内容が完璧で相手を圧倒したわけではない。

この忘れ物は来年また取りに来ようではないか

〜そして厳しい現実へ〜

優勝は素直に嬉しい。しかしいつまでもこの余韻に浸っているわけにもいかない。

またすぐにリーグ戦が始まる。

大逆転優勝に向けてもう1つも落とせないという状況でホームにサンフレッチェ広島を迎える。

しかしながら次節は谷口、車屋、家長が出場停止であり厳しい戦いが予想される。

個人的キープレイヤーは山村だ。
谷口不在の中、山村がどれだけリーダーシップをとってラインを統率できるかが鍵だ。
得点力にも期待したい。

笑って終わろう。









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