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おじさん投資術実践編:株価を先読みしよう②

 こんにちは😊
 前回はトレンドを先読みするために必要な知識のうち、「地合い」と呼ばれる市場全体の雰囲気がどうやって作られていくのか、基本になる世界のマネーの流れを説明しました。
 今回は2つ目の企業業績(レーティングや決算)や配当支払いによる変動について説明します🥸
 前回同様、株価の動きを先読みして「何だかよく分からないけど株価が上がった」「何だかよく分からないけど株価が急落した」といったギャンブルのような要素を排除していくことが目的です😉

レーティング

 証券会社や投資会社は企業を格付けして、顧客の投資家に情報を提供しています。もちろんお得意様向けにしか出さない情報もありますが、WEBサイトに出ている情報がたくさんあります。
 この格付けのことをレーティングと呼んでいて、証券会社によって少し違いはあるもののクラス分けと目標株価(証券会社が予想する将来の株価)が発表されています。
 SMBC日興証券の例を見てみます。前回取り上げたJR東海をサンプルにすると、1月末発表のレポートには次のように書かれています。

SMBC日興証券 レポートの例

 投資評価「1」がレーティング(格付け)で目標株価も書かれています。SMBC日興証券では各銘柄を1~3の3段階で格付けしていて、それぞれの意味は次のようになっています。

SMBC日興証券 レーティング

証券会社によって5段階だったり、数字が大きい方が強気評価だったりしますので注意してくださいね😊(参考:kabuka.jp.netさんのまとめ
 さて、このレーティングと目標株価ですが不定期に更新されていきます。特に国内外の大手証券会社がレーティングや目標株価の変更をすると、投資家はそれらを参考にしていますので株価に大きく影響します前回紹介したように日本市場への海外投資家の影響は大きいので、海外の証券会社が発表する日本企業のレーティングも無視できません。つまり、このレーティング情報をタイムリーに入手することで株価の動向が予想できるというわけです。
 では、どうやって情報を得ればよいのでしょうか🤔
 もちろん、証券会社のサイトを回ってこまめにチェックするのも確実な方法ですが、証券会社の数や発表が不定期であることを考えると効率的ではないですよね。そこで、各証券会社では株アプリやサイトでレーティング情報がニュースとして入手できるサービスを提供しています。おじさんはSBI証券のアプリを使っていますが、毎日配信されているレーティング情報はチェックしています。また、Trader's WEBさんやグレイル-NETさんのようなまとめサイト、株式新聞さんのような有料専門サイトでは、証券会社各社の情報をまとめて入手できますので便利です😊

Trader's WEBさんのレーティング情報の例

 さらに、目標株価の入手はkabuka.jp.netさんが最新情報をまとめてくれています。これらの無料サイトの運営者の皆さんには頭が下がります😊

コンセンサス

 株取引に慣れてくると「コンセンサス」という言葉に出会うようになります。コンセンサスは、各金融機関のアナリストやエコノミストが分析した見通しの予測値を集計して平均化したものです。専門家たちの意見をまとめたものと言えます。一般的にはIFISコンセンサスが有名ですが、各証券会社からも口座保有者向けに所属アナリストの分析結果として発表されています(注:IFISコンセンサスは有料情報です)。
 金融機関のアナリストは専門知識を武器に各企業を徹底調査して(場合によっては企業担当者から直接聴取して)、その企業の業績見通しを算出しています。企業が発表する業績見通しは「誇大にならないように」という意識が働いて保守的で慎重な数値を発表する傾向があるのに対して、コンセンサスではそのような忖度はなく、企業業績をズバリと予想します。したがって、企業の業績予想とコンセンサス予想には開きがあることが多くあります。例えば、次回決算の純利益が会社予想では100億円、コンセンサス予想では120億円となっていた場合、市場は120億円を期待しているのに対して会社はかなり保守的な数値を発表していることになりますので、仮に実際の純利益が110億円だったとすると、会社としては「よく頑張った」と言いたいところですが、市場からは「期待外れ」と見られてしまうのです😢 少し理不尽な気もしますが、株主から会社経営の透明性を求められている昨今では仕方ないこととも言えます。
 つまり、会社業績の見通しの分析では、会社発表値とコンセンサスの両方を見て、状況を分析することが必要になってきます。
 TradingViewでもコンセンサスは見ることができて、「予想」と書いてあるところがこれに該当しています。「会社四季報」でも東洋経済社の予想を見ることができます。

TradingViewのJR東海 業績予想
TradingViewのJR東海 株価予想

決算

 最近の会計制度では、四半期ごとに年4回の決算発表が企業に義務付けられています。決算では「決算短信」と「説明資料」が発表されるのが一般的で、企業WEBサイトのIR情報から入手することができます。
 下の例はJR東海が発表した令和5年度の第3四半期決算で、ここまでの実績と見通しがまとめられています(どの企業の決算短信も同じ様式で書かれています)。

JR東海 令和6年度3月期 第3四半期決算

 読み方に関する詳しい説明は省略しますが、決算短信は企業の成績表ですので内容によって株価が大きく変動します。好業績であるかどうかも大切ですが、上記のコンセンサス(市場の期待)に達しているかどうかが重要です。この時のJR東海業績はかなりの好業績でコンセンサスに到達していましたので翌日から株価は大きく上昇しました😉

決算発表後の株価

 注意しないといけないのは、多くの企業の決算発表は株式市場の取引時間後(15時発表がほとんどです)に行われ、インサイダー取引防止のため事前に情報が漏れることはありませんので、決算が良いか悪いかを判断して株の売買ができるのは発表後の翌日(PTS市場という時間外取引もありますが取引量は小規模です)ということです。「決算跨ぎは危険」と言われることがありますが、決算前に株を保有していて予想より悪い決算が発表されると、翌日朝に売ろうと思ってもすでに株価は大きく下がってしまっています。逆に、予想より良い決算が出れば、株を保有していることで大きく利益を上げることができます。つまり、業績を自分で予想できないようなケースではギャンブルになってしまいますので、決算前に株をいったん手放すのも選択肢になるということです。
 決算直前の株価の動向は参考になりますが(上がるようなら好決算期待・下がるようなら悪決算予想)、当たる確率はそれほど高くないことは知っておいてください😣

配当

 高配当株が人気していますね。配当金は株の魅力の一つです🤩
通常、年に2回の配当が行われ、「権利確定日」と呼ばれる日までに株を購入しておく(この日までに買えば配当時の株主名簿に掲載される)必要があります。「権利落ち日」というのは「権利確定日」の翌営業日のことで、権利落ち日以降に株を買っても配当権利はもらえません。(株主優待も同じです。)
 権利落ち日には、理論的には配当相当の分だけ株価が安くなります。例えば株価1000円の株に50円の配当が付けば、権利落ち日には株価は950円になります。しかし、理論通りにならないことも多く、特に好業績の銘柄では権利落ち日にも株価が上がったり、一旦下落してもすぐに元の株価に戻ることもあります。
 つまり、権利落ち日前の株価が高いうちに株を売るのがよいか、権利落ち日後に下落したところで買うのがよいか、ずっと保有しておくのがよいか、銘柄や地合いによって何が起きるかは変わりますので、状況と傾向の分析が必要です。最近は高配当株が人気ですので、高配当銘柄は権利落ち日前に人気する傾向があって、このような銘柄では権利落ち日に株を売ってしまう投資家も多く見られます。
 配当は決算とは異なって株価の見通しに大きな影響を与えるものではありませんが、権利落ち日前後ではタイミングを間違えないように気を付けましょう

2023年のトヨタ 配当と株価チャート

テレビやWEBニュース

 最近の株価変動の特徴として、マスコミやWEBニュースに取り上げられた銘柄の株価が翌日に大きく変動するケースがあげられます。株取引がそれだけ一般的になったためと言えますが、この手のニュースは無視できない影響力がありますので注意が必要です🥸
 例えば、経済番組で「世界シェア技術を持つオンリーワン企業」のような企業が特集紹介されると、翌日の株価上昇は確実と言ってもよいかもしれません(ただしブームのようなもので株価上昇は持続しないことが多いです)。
 しかし、海外で流れる日本銘柄のニュースは気づかないことの方が多いので海外投資家による人気銘柄はタイムリーに気づくのが難しいのも事実です。
 これは1月に富士フイルムが急上昇したときのおじさんのXのポストですが、海外サイトの記事をきっかけに海外投資家が買ったことで株価が上がりました。おじさんはたまたまTradingViewのニュース配信で気づきましたが、毎日見ているものでもないので難しいですね🥹

まとめ

 前回と今回、説明してきたことは「テクニカル分析」に対して「ファンダメンタル分析」と呼ばれる分野の分析です。チャートの動きを分析するのがテクニカル分析、経済の動きや企業業績を分析するのがファンダメンタル分析です。先を読むために株価に影響を与える情報を分析するこれらの方法2つを身につければ勝利の確率は格段に上がってきますよ。
 株取引は情報戦です。「よく調べて、納得して、自分で決める」が勝利の鉄則です。勉強して知識を増やしましょう。

 次回は実際の株取引の事例を紹介して、おさらいをしたいと思っています。

 ではまた!😊

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