見出し画像

キヨタツ先生の手法で割安株を探す!

 こんにちは😊

 伝説のファンドマネージャこと清原達郎さん
 キヨタツさんの本が発売されると聞いて、発売日(2024.3.1)にAmazonで買いました。Xでも話題です。おじさんはもう2回読みましたよ🥰。
 「わが投資術」とても勉強になります。特に3章「割安小型成長株の破壊力」以降がおもしろかったです。なんて魅力的な章タイトルなんでしょう!🤩笑

Amazonより

 この記事は本の宣伝ではありませんし、本の内容をネタバラシしてしまうようなことはしません。この本の中に出てくる「ネットキャッシュフロー比率」についての考察を紹介したいと思います。
(最後に恒例のオマケをつけました!😉)

※もしこのnoteに清原さんの著作権に問題のある記載がありましたらご連絡ください。許していただけると信じてます😊

PBRではなくてネットキャッシュフロー比率

 キヨタツさんは指標としてPERを重視していますが、「PERだけで将来株価を見通すことはできず、バランスシート(貸借対照表:BS)の資産や借金を評価しないといけない」と仰っています。低金利の日本では借金を増やしても金利負担がありませんから、資金調達は借金にして発行株数を減らすことが簡単にできて、こうやって一株当たりの利益を増やしてしまえばPERは低くなるので割安銘柄に見えてしまいます。
 自己資本を小さくしていることはPBRで評価できるじゃないか、と言いたくなるわけですが、キヨタツさんは「PBRは役に立たない」と解説しています(PBRは一株当たり会社資産に対しての株価の大きさを示しています)。なぜなら、そもそも会社は解散しないので固定資産(工場設備など)を帳簿上の価格で売れる想定をしても意味がないし、仮に赤字決算のときに固定資産を売ったりすれば資産が減ってPBRが一夜で大きく変化してしまうから、という明確な理由があるからです。
 おじさんは、PBRの定義では「資産が少ない会社は割高」という評価になってしまうことに常々疑問を感じていたので、キヨタツさんの説明にはなるほどと合点がいきました。(と言いつつ、おじさんはPBRもMIX係数も使っているのですけどね😭笑)

 キヨタツさんがPBRに代えて使っている指標は「ネットキャッシュフロー比率」です(「わが投資術」の102ページ以降に詳しい解説があります)。

 ネットキャッシュ(円)=流動資産+投資有価証券-負債
 ネットキャッシュ比率(%)=ネットキャッシュ÷時価総額✕100

と定義されていて、キヨタツさんは投資有価証券の価値に0.7をかけて使用されているそうです。
 つまり、「短期間で現金化できて借金を返済しても使える資産」がネットキャッシュで、ネットキャッシュが時価総額に対してどれくらいの大きさかを示しているのがネットキャッシュ比率ということになります。

 ネットキャッシュがプラスの会社は「いつでも借金を返せる」ことになって、マイナスなら「借金で資金繰りをしないと当面の経営ができない」ことになりますよね😢(銀行から借金せずに不動産や設備のような保有固定資産を売ってしまえば事業が存続しません)。
 もしネットキャッシュ比率が100%を超えていたら、株を買い占めてしまえばかかった費用以上の現金と資産を手に入れることができてしまうわけですから「タダで会社をもらって現金と固定資産が付いてくる」という、信じられない状態です。こんなことがあったら超割安ですよね!😊

 このネットキャッシュ比率の方が、PBRよりもリアリティのある割安度を測る指標になるというわけです。おじさんにはとてもしっくりとくる説明でした🥸。

どうやって算出するの?

 このネットキャッシュ比率を算出する方法ですが、実はかなり簡単です😅。四半期ごとに企業から発表される決算短信には貸借対照表(BS)が付いていますので、ここから読み取るだけです。

 下図は日立製作所の決算短信です。流動資産、有価証券(及びその他の金融資産)、負債合計の数値が書かれていますね。株価の時価総額は証券会社のサイトやアプリで入手できます。これらを上の式に当てはめるだけです。

バランスシート:日立製作所 2024年3月期第3四半期決算短信

どうやって使うの?

 算出したネットキャッシュ比率は、PERやPBRと同様に複数銘柄を比較して使うのがよいと思います😉。
 まず第一に、ネットキャッシュ比率を使うのは中小型株に絞るのがよいと思います。というのも大型株は大企業銘柄が多くて大型の設備投資をしている上に時価総額が巨大ですので、ネットキャッシュ比率が小さくなるのが一般的だからです。つまり中小型のバリュー株(割安株)を狙うための指標なわけです。
 中小型株ではネットキャッシュ比率がマイナスの銘柄は投資を避けた方が無難です。マイナスということは負債が大きいことを意味していて、中小型株銘柄ではリスクが生じる可能性が高くなるからです。キヨタツさんのファンドでもマイナスの場合は投資対象外だそうですよ😊。
 ネットキャッシュ比率が100%に近い、もしくは100%を超えるケースも要警戒です。会社を買えば必ず儲けられるわけですから、いつ会社が乗っ取られてもおかしくない状態が続いているということは何か理由があるはずです。財務状態をしっかり調べましょう。

 おじさんが試算したところでは、株価総額が5千億円を超える企業でネットキャッシュ比率が20%を超える企業はほとんどありません。時価総額が1千億円を下回ると、ネットキャッシュ比率が100%を超える企業がそれなりの数あります🤩! 信じられませんが、実際にあるんです。しかもROE(自己資本利益率)が20%を超えているような銘柄もあるんです。キヨタツさんは「このような非常識が日本株市場では起きている」と書いています😎。

でも調べるのが面倒では?

 貸借対照表(BS)は四季報や証券会社のサイトには掲載されていませんので、決算期になったら各企業のサイトを見て、決算短信を読んで、時価総額を調べて、それを表にまとめて・・・ってかなり大変じゃないの?って思いますよね。おじさんはキヨタツさんの本を読んで、さっそくネットキャッシュ比率を調べ始めましたが10社くらいで心が折れました😭笑
 そうなんです。非常に優秀な指標なのですが、調べるのに非常に手間がかかるんです!🥹

 (おなじみのパターンになってきていますが)今回もそんな皆さんのためにネットキャッシュ比率(NCR)を表示させるTradingViewのインジケータを作りました! 😘
 このインジケータを使えば、銘柄を選ぶだけでチャート上にNCRの推移が表示されます。
 
NCRインジケータを作成するにあたって少しアレンジを加えています。というのも、TradingViewは米国企業が作ったソフトなので下図のように貸借対照表の項目が企業発表の項目と微妙に違っていて、TradingViewの提供データを使うにはアレンジが必要になるからです。

TradingViewのBS:資産の部(日立製作所)
TradingViewのBS:負債の部(日立製作所)

 それから、保有有価証券の額に0.7を掛けるのはキヨタツさんと同じですが、キヨタツさんの「流動資産は全部簿価で売れるわけではないので在庫は簿価の70%で評価するのがよいかもしれない」というコメントを反映して、棚卸資産にも0.7を掛けて計算することにしました。
 インジケータの設定でFQ、FH、FYが選べるようになっていますが、それぞれ、FQ:四半期 FH:半期 FY:通年 のデータを使って算出することを意味しています。四半期ごとの決算でBSの数値が替わりますので、デフォルトはFQになっています。
 なお、金融セクター(銀行、保険、など)と不動産セクターは、資産の扱いが他のセクターとは異なるのでNCRが表示されません。ご注意ください。

 表示は下図のようになります。数値は%表示です。
 日立製作所はNCRの値が小さくて動きが小さいのでサンプルとしてはよくなかったかもしれません・・・😅。目安となる100%のラインに点線を示してあります。

例)日立製作所のNCR:水色線

 実演販売みたいですが、いつもXやnoteを読んでくださっているフォロワーの皆さんには、今回もこのインジケータのコードを期間限定で無料配布します。

お願い

 インジケータ使用にあたってのお願いです。

  • 使用は自己責任でお願いします。おじさんは関連する損失や不具合の責任を負いかねます。これまでのnote記事(基礎編実践編TV使用方法)を読んでいただいていることが使用の前提です。

  • 設定値や色表示はお好みで変えてください。

  • コードの変更はもちろん自由ですが、無断流用や有償化はやめてください

  • できれば使用した感想や改良ポイントを教えてくださいね😊。


ではまた!😊

コードの配布(動作検証済)

 今回の配布も期間限定にしますのでご理解いただければ幸いです😊。
 交流のある方には期限が過ぎてもご提供しますので遠慮なく連絡下さい!

 ダウンロード可能期間:2024.4.20~4.21(終了しました)


[コードの再配布]

 このページのコード無料配布期間は終了しました。
 おじさんのページで公開したTradingView向けのすべてのファイル/コードを有料ページで配布しています
😊
 配布ページ:TradingViewオリジナルインジケータの配布

↑ 画像ですのでDLできません!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?