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西武ライオンズ2020年シーズンを終えて、感想を書いておく

2020年のライオンズのシーズンが終了した。

もちろん残念な結果だ。でも最大で借金8まで膨らんだ苦しい時期を考えたら、最後盛り上げてくれたことへの感謝の思いも強い。それも、過去2年のような爆発力を秘めた戦力ではない中だから、辻監督の手腕と選手の健闘は称賛に値すると思う。

何しろチームの総得点は4位、失点はワースト、得失点差がマイナス64もある中で勝率5割・Aクラスを確保したのだ。

残した数字を客観的に見たら上出来の順位。でも過去2連覇したチームの成績としてはやはり寂しい。ファンとしてはなんとも複雑な心境だ。

「秋山の穴」と言ってしまえば簡単かもしれない。でも辻監督の就任以来わずか4年間で、投手では岸・牧田・菊池・野上、野手では浅村・炭谷・秋山を失っているのだ。

2020年は、年々積み重なる戦力の大幅ダウンを、驚異的な能力・努力・精神力で補ってきた主力選手たちが、さすがに「限界」を迎えたということなのかもしれない。

たとえば開幕戦のスタメン、スパンジェンバーグを除く8人は源田・森・山川・外崎・中村・栗山・木村・金子。おなじみのメンバーだ。彼らの18・19年の合計出場数は全員が200試合を超えている。一番少ない木村でも205試合。「源外森山」の枢軸にいたってはそれぞれ278・262・271・286(全試合)だ。パワプロでいうなら「疲労ゲージ」が始めから赤色になっていたような状態だろう。

選手層の薄さ、若手の底上げ不足を指摘する声もあるだろうが、日本代表クラスの炭谷や、不動の3番セカンド浅村の穴を森・外崎・木村らの成長で埋め、2連覇を成し遂げたのだ。その「底上げ力」は他球団の追随を許さないレベルだと言っていいと思う。それでも追いつかないほどの「流出」のダメージが顕在化したのが、今年のペナントレースだったということだろう。

まして今年は特殊な環境で、調整やシーズン途中の補強も難しい状態。圧倒的な資金力で選手層の厚さを保つソフトバンクが独走したのも、必然だったのかもしれない。

CSやシリーズを戦わずにオフに入ることは、体力の回復という面ではプラスにはたらくだろう。そして主力の離脱により、貴重な一軍の経験を積んだ若手の成長にも期待したい。特に柘植・山野辺・鈴木将平・西川・高木渉などは、数年後に予想される現主力の流出に備える意味でも、来年にはレギュラーを脅かす戦力になってもらわなければ困る存在だ。

もちろん、リーグ屈指の布陣となったリリーフ陣もさらなるパワーアップを遂げてくれるだろう。

今年はライオンズにとっては雌伏の年。より牙を鋭く研いで、来年あらためてその強さを見せつけてほしいと思う。

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