アレックス

一日の大半は西武ライオンズのこと考えてます。映画、音楽、キャンプ、登山も好きです。合間…

アレックス

一日の大半は西武ライオンズのこと考えてます。映画、音楽、キャンプ、登山も好きです。合間に広告会社でサラリーマンやってます。

最近の記事

ライオンズメモ② 成長

今シーズンは森のFA移籍という大きな穴を抱えてのスタートだったところに、源田の負傷、山川の離脱という事態まで起きてしまい、スタメンのほとんどを昨年まで控えや二軍だった選手たちが占めるという試合が多くなっている。 ライオンズは伝統的に、主力の流出は新しいスター選手の誕生のきっかけにしてきた球団だけど、ただでさえ秋山の穴が埋まらない悩みを抱えていたところに、この緊急事態はいかんともしがたく、かなり厳しい戦いを強いられている。 ただ、である。 前半戦はひたすらに歯がゆく物足りな

    • ライオンズメモ① 髙橋光成のこと

      もう何年前になるだろう。おそらくコウナが新人の頃だから7~8年前のことだ。 当時yahooに「スポナビブログ」というサービスがあり、ぼくもたまに書いていた。野球好きが集まるだけあって記事への反応もよくて、書くのが楽しかったし、ほかの人のプロ野球愛がほとばしる記事を読むのも楽しかった。 当時の記事はすべて消えてしまっているので読み返すこともできないのだけど、自分が書いた中で記憶に残る一つが、コウナについてのものだ。 10代ながら先発を任され懸命に腕を振る姿を見ていて、涌井

      • ノラ・ジョーンズ JAPAN TOUR2022の記憶を記録しておく

        何もかもが最高だったライブで、一番印象に残ったのは彼女の「笑顔」かもしれない。 どの曲でも演奏が終わるその瞬間、観客に向けて、そしてバンドの仲間に向けて、毎回控えめに微笑む表情がとても、とても温かった。 ノラ・ジョーンズの歌声はよく「ハートウォーミング」と称されたりするけれど、ひと声で誰をも虜にするあのボイスは、彼女が心のうちにもつ優しさや、人間としての包容力が音としてあふれているもののように感じた。 ぼくも多くの人と同じくデビューアルバムで心つかまれ、その後の20年間、

        • 勝敗を背負うエース魂・松坂大輔【100%応援目線の獅子図鑑】

          ライオンズファンにとっての松坂大輔は特別だ。それは残した実績や貢献度が群を抜いているからというだけではない。松坂に抱く感情は、清原に対してのそれと似ている。ライオンズの選手でありながら、日本中の子どもからおばあちゃんまで知らない人はいない「国民的スター」。そんな選手はライオンズ史上においていまだに清原と松坂の二人だけと言っていい。 だから、ほかの選手に感じる愛着とは少し違う。めちゃくちゃ誇らしく感じる一方で、どこか、ちょっと遠い存在に感じて勝手に寂しくなる。名選手だらけのラ

        ライオンズメモ② 成長

          【心に残る一冊】風よあらしよ(2020年 村山由佳 著)

          どんな言葉でも言い足りない、表現しきれないような、魂が宿った作品だった。 最後の1ページが結ばれ、まるで一年間欠かさず見続けた大河ドラマが完結したときのような、茫然とした気持ちで余韻に浸っているときに考えたのは「幸せ」についてだった。 伊藤野枝の生涯が、いつも貧しい生活を強いられ、最後は残酷な仕打ちによって終わりを迎えるものであっても、やはり幸せな人生だったんだろうなと思えてしまう。 ひとがどれだけ幸せかというのは「どれだけ自由でいられるか」と同義なのかもしれない。

          【心に残る一冊】風よあらしよ(2020年 村山由佳 著)

          【心に残った映画】すばらしき世界(2021年 西川美和 監督)

          なんというか、すごいものを観た。映画を観たという感覚ではない。ひとりの男の人生そのものを、そばにいて見届けた。そんなリアルで実体のある重さを備えた作品だった。 ストーリーが派手に展開するわけではない。どちらかといえば、見終わった直後にはしみじみとした気持ちにさせられる話だ。だけど、数日経った今あの映画のことを思い返すと、頭に浮かぶのは登場人物たちのエネルギーにあふれた「激情」ともいえる熱いことばだ。それらは熾火のようにぼくの胸で静かに、しかしいつまでも赤く高温を保ち続けてい

          【心に残った映画】すばらしき世界(2021年 西川美和 監督)

          【心に残る一冊】夏物語(2019年 川上未映子 著)

          本や映画などストーリーが存在するものは何でもそうだけれど、感動するポイントとして大きな要因は「共感」にあると思う。たとえばぼくは昔から父と息子の愛情物語に弱いのだけど、それはやはり父と自分を重ねてしまうからだし、今はそこに自分と息子も重ねてしまうからますます感動することになる。 そういう意味において、この作品に対する共感ポイントはゼロに近い。ぼく自身はそれなりに両親の愛情をうけて育った実感があり、食うには困らない程度の定職があり、結婚して、かわいい盛りの子どもが二人いる。そ

          【心に残る一冊】夏物語(2019年 川上未映子 著)

          【心に残る一冊】少年と犬(2020年 馳星周 著)

          ふだんは読んだ本に関して、あまり他人の評価を気にすることはないのだけれど、この作品については、ほかの人がどんな感想をもったのか興味が湧いた。人によって、とくに犬を飼っている経験があるかどうかで、だいぶ共感の度合いが異なるだろうと思ったからだ。 もっといえば、犬を飼っている人の中でも、その種類によって違うのかもしれない。先にぼく自身の話をすると、子どもの頃、実家ではシェパードを飼っていた。まさにこの小説に登場する多聞とシンクロしてしまうような犬だ。 ぼくが6年生の頃に、生後

          【心に残る一冊】少年と犬(2020年 馳星周 著)

          【読書感想文】流浪の月(2019年 凪良ゆう 著)

          いきなり違う本の話で恐縮だけど、最近話題になっている「13歳からのアート思考」を読んだ。たとえばサイコロを描いたイラストを見るとする。そこに「一」の目が書かれていれば、人はその裏に「六」があることを自然とイメージしている。目で見ているように思えて、結局は自分が「見たいように」しか見えていない。そんな視点が面白かった。 この「流浪の月」のテーマである「事実と真実は同じではない」というのは、サイコロの話に通じると思った。一の目が見えている「事実」をもとに、多くの人はその裏に六の

          【読書感想文】流浪の月(2019年 凪良ゆう 著)

          「濃厚接触者の親」としての気付き

          次男が新型コロナウイルスの濃厚接触者となった。 結果的には陰性だったのだけど、当事者となってみて初めて気づいた発見があったので、備忘として記しておきたい。 朝早くに学校から電話がきて、次男が濃厚接触者になった旨と、今後検査を受けることになる旨が告げられた。 家族は特に保健所の指導の対象ではないらしく、同じ小学校に通う長男は普段通りに登校した。 ぼくは最近はほぼ出社勤務だったのだけど、次男の検査結果が判明するまでは在宅に切り替えようと思い、上司をはじめ勤務先の関係者に連

          「濃厚接触者の親」としての気付き

          西武ライオンズ2020年シーズンを終えて、感想を書いておく

          2020年のライオンズのシーズンが終了した。 もちろん残念な結果だ。でも最大で借金8まで膨らんだ苦しい時期を考えたら、最後盛り上げてくれたことへの感謝の思いも強い。それも、過去2年のような爆発力を秘めた戦力ではない中だから、辻監督の手腕と選手の健闘は称賛に値すると思う。 何しろチームの総得点は4位、失点はワースト、得失点差がマイナス64もある中で勝率5割・Aクラスを確保したのだ。 残した数字を客観的に見たら上出来の順位。でも過去2連覇したチームの成績としてはやはり寂しい

          西武ライオンズ2020年シーズンを終えて、感想を書いておく

          【心に残る一冊】火山のふもとで(2012年 松家仁之 著)

          映画や小説などの物語との出逢い、それをどう感じるかには、タイミングがとても影響する。 それほど印象に残らなかった作品が、時を経て目にしたときにとても感動したということがよくある。 たとえば司馬遼太郎の「竜馬がゆく」。父親が大好きな作品ということで高校生の頃に薦められたけれど、数ページ読んだきりどうしても興味が続かずやめてしまった。 それが20代も半ばを迎える頃に、どういったきっかけがあったのか、ふと読んでみようとページを開くと、これがとんでもなく面白い。それこそ寝る間も惜し

          【心に残る一冊】火山のふもとで(2012年 松家仁之 著)

          【読書感想文】壬生義士伝(2000年 浅田次郎 著)

          日本人は比較的、宗教に関心が薄いと言われる。かくいう我が家にも仏壇すらない。それは「平和」の裏返しとも言えるのかもしれない。そんなことを考えた。 ときは幕末。勤王・尊王を合言葉に日本人同士が殺し合う異常な時代。南部藩の下級武士である吉村貫一郎は、文武ともに秀でたその能力を見込まれ、上士の子どもたちを指導する立場にあるが、藩は貧しく食べることもままならない。生まれてくる赤子が冬を越せるかどうかを心配するほどの状況で、彼は脱藩を決意する。収入を得るために新選組に入隊。腕を買われ

          【読書感想文】壬生義士伝(2000年 浅田次郎 著)

          「当たり前」のすごさ

          今年もライオンズは強い。 いや、土曜・日曜と続けてしんどい試合を見せられて、もやもやする月曜日を過ごしているのはぼくも同じです… でも、そんなピリッとしない対オリックス戦の中にも「今年も強い」と感じさせてくれる場面があった。 それは3戦目となる2日の8回裏の攻撃。金子の右前打で、スタートを切っていた1塁走者の木村が一気にホームインしたシーンだ。黒田コーチの判断、一切スピードをゆるめず駆け抜けた木村のベースランニング、ともに素晴らしかった。 でも正直、中継を観ていたぼく

          「当たり前」のすごさ

          2020年ペナントレース開幕。待ちわびた瞬間を迎えて。

          何も変わらなかった。 ニールのツーシームは鋭く沈み、山川のバットから弾かれた球ははるかスタンドへ消え、源田のグラブには静かに打球が吸い込まれた。 ついにプロ野球が帰ってきた。 選手たちに、そして球団オーナー、関係者すべてに感謝したい。 開幕に踏み切ることのリスクは、それこそ山のようにあったはずだ。 感染拡大を防ぐための物理的な対策、日程・移動の調整、それにかかる費用は相当なものだろう。なにより無観客開催による大幅な減収。それによる選手年俸への影響。 選手会と球団側

          2020年ペナントレース開幕。待ちわびた瞬間を迎えて。

          【野球バカの本棚】暴れん坊列伝(1988年 文藝春秋)

          プロ野球の開幕も決定し、テンションが上げ潮に向かいつつある今。 ふとこれまでの野球(バカ)人生における愛読書を振り返ってみたいと思いました。 1回目は、当時小学5年生のぼくが購入した初めての「書籍」。 活字といえば藤子不二雄のマンガくらいしか読んだことがない頃。ばあちゃんの買い物に付き合ったついでに、スーパーに隣接する本屋さんで「好きなものを買っていい」と言われ思わず「ジャケ買い」したのがこの「暴れん坊列伝」である。 すでに熱心なライオンズファンだったぼくは、表紙の東尾が

          【野球バカの本棚】暴れん坊列伝(1988年 文藝春秋)