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クライマックスシリーズ第2戦。敗戦の中に見えた光。

序盤で0-7と一方的な展開になったこの試合。今井の投球は期待を裏切るものだったが、将来のエース候補として糧にしなければならないだろう。そもそもまだシーズンは終わっていないし、次のチャンスがあると信じて、そのときこそ名誉挽回の投球を期待したい。


ひとつだけどうしても不可解だったのは、3回表の継投の判断だ。中村晃に直球を完璧に捉えられた2ランを浴び0-5となってもベンチは動かなかった。今井は初回から荒れ失点を重ねていた状況を考えると、ブルペンの準備ができていなかったとは考えにくい。長いペナントレースであれば「立ち直り」を期待するのも分かるが、初戦を落とした短期決戦の2戦目という重要な場面だ。投手を代えることで、できるだけ早く流れを断ち切って反撃につなげる、という決断がされなかったことは理解できない。百歩譲って続投させたとしても、二死後に松田に対して四球を出した時点で見切りをつけるべきだった。結果として高谷にタイムリーを浴び6点目を許す。もちろん継投は、テレビで観ているだけのファンには知る由もない事情があってのことだとは思う。でも試合展開上、6回にグラシアルに喫した一発が痛かったと言われるが、個人的には3回の6点目が最も悔いが残るものだと思えてならない。


そんな苦しい投手起用にあっても収穫だったのは、佐野・マーティン・ヒース・増田と初戦に登板しなかった投手を送り出し「見極め」ができたことだろう。この中ではヒースと増田が「使える」投手としてメドが立ったことが大きい。特に増田は圧巻だった。登板間隔が空いた懸念もどこ吹く風。絶好調の柳田に真っ向勝負を挑み空振り三振を奪える実力はさすがというほかない。12日の試合が中止になったことも、層の薄い西武投手陣にはプラスと思える。先発予定だった松本航をリリーフにまわせるほか、11日の試合では平良・ヒース・小川・増田ら「使える」投手を、連投を気にせずつぎ込むことができる。場合によっては劣勢で増田の回跨ぎもありえるだろう。


そして打線の粘りは見事だった。同じ負けでも、一方的なままで終わる負けと昨日の負け方では大きく意味が異なる。ファーストステージから連投が続くソフトバンクの勝ちパターン投手を軒並み引きずり出し追い詰めたことは、今日以降の展開に必ず生きてくるだろう。

また最後の最後で秋山にもタイムリーが生まれた。これもチームに、そして何より本人に勇気を与える一打になったことだろう。今日の第一打席からどのようなバッティングを見せるか注目したい。


今日11日の先発投手は千賀と十亀。日本一の投手である千賀が相手というのは、ライオンズ打線が一丸となれる材料として前向きにとらえたい。そして十亀には、今年体得した「7分の力」で、力まず気負わず丁寧な投球を期待したい。打線を信じ、失点してもとにかく最少失点で食い止める。そうすれば必ず勝機が生まれるはずだ。


ここまできたら調子うんぬんではないだろう。2年越しの「勝ちたい」気持ちをすべてぶつけて全員で勝利をもぎとってもらいたい。

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