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【ショートショート】夏祭りの思い出/riraさん企画参加

大学時代のサークルの後輩女子が、会社の同僚を紹介してくれるという。

「先輩ももうアラサーでしょ。そろそろ年貢の納めどきじゃないですか。」

いつも通りはっきり言ってくるのが気に入らないが、紹介してくれることはありがたい。しかし、いきなり二人で会えとは少し乱暴じゃないか。


カフェで待ち合わせた花凛ちゃんの第一印象は、プチプラを上手く着回す、いまどきの若手OLといった感じ。シンプルだけど安っぽく見せない。アクセサリーを上手く使っていて、オシャレ感も失っていない。結婚するならこんな子がいいんだろうな、と漠然と考える。

どちらも昔からEXILEのファンということがわかり、ラテを片手に音楽話にひとはな。そこから、小学校の運動会で踊ったChoo Choo TRAINダンスの話でひと笑い。花凛ちゃんは、とてもよく笑う。あいつにしては、いい子を紹介してくれた。今度おごってやる。


「これからどうする?ウィンドウショッピングでもする?」

「わたし買いものとかあまり興味ないんだ。それよりも、ゲーセンやカラオケに行くほうが好き。」

これまた好感度高め。俺、魅かれていってるのか?


ぷらっと入ったゲーセンで、太鼓の達人を少し叩き、明るい時間からカラオケに入る。

「花凛ちゃんから先に歌ってよ。俺、後でLovers Again歌うから。」

「まかせといて。さっき太鼓の達人叩いてたときに、夏祭り歌いたいなと思ってたんだ。」

「いいねぇ!夏の定番。俺も大好き。じゃあ、ホ ホ ホ…」

「ちょっと待って。ホワイトベリーじゃないよ。夏祭りは、ジッタリン・ジンだよ。子供ながらに、入江さんのドラムにしびれながら見てたの。」

えっ?…

「花凛ちゃん。いくつなの?」

「聞いてなかったの?38」


Choo Choo TRAINダンスはzooの方のようだ。

10歳年上の花凛お姉さまと、この夏結婚する。


補足

夏祭り/ジッタリン・ジン1990 ホワイトベリー2000

Choo Choo TRAIN/zoo1991 EXILE2003







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