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Connecting the dots/点をつなぐこと

将来を見据えて、点(出来事)と点(出来事)を結びつけることはできません。後で振り返って見たときにしか、点と点を結びつけることはできないのです。だから、あなた方は、とにかく点と点が将来、結びつくことを信じなくてはなりません。自分の直観、運命、人生、カルマ、たとえそれが何であれ、信じなくてはならないのです。なぜなら、点と点が将来結びつき、道を切り開くと信じることは、自分の心に従う自信をあなたにもたらすからです。たとえそのせいで、あなたが多くの人が通る道から外れるとしても、それこそが大きな違いをもたらすのです。

「Stay hungry, Stay foolish」で有名なスティーブジョブズの演説の一部だ。

昨日の記事「そろそろ読書の時間です。」で、のんちゃさんにすすめてもらった書籍「賢者の書(喜多川泰)」を読んでいて思い出した。


「賢者の書」は、14歳の誕生日をむかえたサイード少年が旅に出て、9人の賢者から最高の賢者になるための教えを学んでくるというもの。

第一の賢者からの教えは「行動」。

行動の結果として我々が手に入れられるものは、成功でもなければ、失敗でもない。我々が手にするものは、一枚の絵を完成させるために必要な、パズルのピースに過ぎない。であるから、行動を起こすときに何かを期待したり。失敗することをおそれたりすることには、何の意味もない。大切なのは、必要なピースを集めるためにできるだけ多くの行動を起こすこと、そして、行動の結果返ってきたものをよく見て、どうやってこれを使うのかを考えることだ。

ジョブズが言っていることと同じだ。


労働者階級の養父母の下で育ったジョブズは、高い授業料を払って大学に通う価値を見出せずに半年で大学を退学する。退学後は必須科目を受ける必要がなくなったため、カリグラフの講義を受ける。後に、ウォズ二アックとマッキントッシュを開発するときにそのときの記憶がよみがえり、美しいフォントを備えた最初のコンピューターが誕生したのだ。

もし、ジョブズが裕福な家庭の出身で、大学を退学することがなければ、今のコンピューターも無機質な1種類のフォントしか備えていなかったのかもしれない。


出来事のつながりや意味を後になってから理解したという人は多いと思う。私もそんな体験を何度もしている。弟の変死も、手ひどい失恋も、うつ病の経験も、2年近い失業期間も、娘の反抗期も、会社からの懲罰も、今の私を形作るうえで無くてはならなかった経験だったと思える。今、noteでやっていることも、特に何かを目指してやっているのではないが、将来振り返った時になんらかの意味をもたらしてくれているものとは信じている。


この後、サイード少年は、旅の中で次々に賢者から教えを吸収していく。第二の賢者からは「可能性」、第三の賢者からは「自尊心と他尊心」。「目標」「今」「投資」「幸福」「言葉」が第八の賢者までの教えとして続く。

最終的に最後(第九)の賢者の教えを手にするのだが、ジョブズにはこれが足りなかったのだと思う。私は、彼を最高のビジネスマンだと認めるが、最高の賢者とは見ていない。

まあもっとも、自分でもfoolishと認めているのだが。


さて、昨日推薦された本は全部読むつもりにしているが、さわきゆりさん推薦の「白夜行(東野圭吾)」は、文庫本800ページもあるんですが...


推薦してくれたのんちゃさんのページ↓

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