第一回インタビュー【元東神崎区長の岡本郁夫さん:故人】


今回、私たちは元東神崎区長の岡本郁夫さんにお話を伺った。岡本さんはもともと神崎出身であり、大阪で商売をされたのち帰ってこられ、当時あまり普及していなかったスケートボードの店を開いた。また、その後宮津でもスケートボードパークを開いた方である。

   

岡本さんは区長時代に「穴観音大祭[1]」の参拝者激減を憂い、地域住民と共に周辺環境の整備をし、神崎を海水浴以外で有名にした。その甲斐もあり、世界各国の外国人審査により世界が共感する"クールジャパン"を発掘・認定する[2]「クールジャパンアワード2019」に「穴観音と由良川橋梁を走る列車」が選出され、神崎への観光客は増加した。

今回はそんな神崎にとってかかせない存在である岡本さんにヒアリングをした。

                           

 

Q1.まだ知られていないと感じる神崎の良さとは?

神崎海水浴場は遠浅なので小さいお子さんにも優しいんですよね。また、神崎は駐車場が広く、一か所になっているのも強み。(‘宮津の)由良は民宿ごとに駐車場があるけど、京都北部でこれだけ駐車場あるところは少ないんですよ。料金も金いですし、駅にも近いですし。

岩場の上をずっと歩いていくと、キスなど良い魚が釣れ、野生のビワを食べられる。あとはKTRの鉄橋の絶景。これも神崎の魅力だね。

 

Q2.神崎の課題とは?

やっぱり人口減でしょう。人口流出を止めるために新しく施設を建てたいんですけど、市街化調整区域なので難しいんですよ。もちろんリノベーションはできるけど。また、どのような人が入ってくるか分からないという怖さもある。それでSNSの発信が弱くなってしまったり、積極的な仲介をすることが難しいというジレンマを抱えてます。

 

Q3.夏以外の海の活用方法はある?

意外かもしれないけど、神崎は冬場にサーファーがよく来るんだよね。サーフィン以外にも、たとえばグランピングとかをしたらいいと思う。

     

 

Q4.KaDOの取り組みについての印象は?

マリーさんやKaDOの取り組みは地元の人間には気づかない切り口でとても良いと思う。どんどんと新しい目で神崎を見てくれたら嬉しい。ただ、地域の理解者を増やすためには翻訳者も必要だよね。

 

(編集後記)

岡本さんもスケートボードパークを開いた当時は、スケートボードへの理解が少なかったと言う。その意味で、「地域に何か新しい変化をもたらすかも」という期待感やワクワクがあり、マリーさんやKaDOの動きには共感されていた。

私たちゼミ生も「何か新しい」を埋めるよう、このnoteを通して、神崎の魅力発信を続けていきたい。(文責)田中

 

                     

 

【注】岡本さんは2024年3月29日に逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。



[1] 大きな岩が重なるようにしてできた天然の洞窟の中に霊験あらたかな観音様がいることから穴観世音大菩薩」、通称「穴観音」と呼ばれている。毎月14日には穴観音の例祭が、4月14日と9月14日には大祭が行われ地元産品を販売する売店も並び賑わいを見せている。

トラベルjp『京都「穴観音」の穴に入って願いを叶えよう!』https://www.travel.co.jp/guide/article/38482/  (2024年1月9日閲覧)

[2] COOL JAPAN AWARD「アワードについて」

www.cooljapan.info/about.html  (2024年1月9日閲覧)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?