コーチリフレッシュ研修へ行ってきました。のさらに書きなぐり。

昨日(2/17)のコーチ研修会の件はこちら。

 この行以降はほぼ自分用のメモなので他人が読んでもあまりわからないかもしれませんが、あくまでも自分用のメモですからご了承ください。

 主体性というコーチ自身だけではどうにもならないことが主題でした。ポイントとしては行える権限の範囲を選手に受け渡ししていくイメージがあります。ゲーム(試合)をイメージしたとき、今おこなっている練習はどれくらいの違いがあるのか。違いがあるのだとすればどのようなことが考えられるのか。ということを選手に考えさせます。1対1の練習でも勝ち筋をわかっているとおこなうプレーが判断できるようになる。ひとつひとつのプレーについて判断ができていなかったのか、判断できたけれどもプレーを遂行することができなかったのか。その違いにより修正のアプローチが異なるはずです。そのことを選手自身で修正点が分かるようになれば、主体的におこなわなければならないことが少しずつ分かってくるというものです。また、その周りのチームメイトがそのことに気が付き声をかけることの重要性は、集団集中状態の重要性を知っていると、自然とおこなわなければならない行動だと理解できます。試合に勝ちたいのであれば、練習の時から勝ち筋を考えることをおこなわないと、優位に試合を進めることが難しくなってきます。

 パリオリンピック最終予選でのカナダ戦最終Q残40秒くらいの山本選手のルーズボール確保からのゴール下のシュート。本人も会見で「ひょいっと投げました」と表現していました。そのことについても、実際はあのようなシュートをたくさん練習していると講習会で教えてもらいました。たくさんの反復練習からの直観であのプレーを選択しそれが正解だったということになります。会見でも本人が「ゴール下の相手のほうが大きいからそのプレーを選択しました。」と発言していました。日本の弱点は体格だ。とよく言われることですしそれは事実です。だからこそ練習から試合となれば対戦相手のほうが大きいことが前提として練習を行うことが大切なのだと。チーム内での練習で自分が一番背が高く一番技術があり大した工夫なくシュートが打てたとしても、実際の対戦相手のほうが体格や技術が勝れば、その練習してきていることはほぼ無意味なものになります。あくまでも試合を前提とした練習にどれだけとりくむことができているかが、重要な行動となります。未経験では対処することが難しくなるからです。そういったときにはひらめきも重要なこととなります。ひらめきについてもある程度選手に裁量権がなければ、きっと行動に移すことは難しいでしょう。普段の練習から選手の裁量の範囲で行動をおこなうことそのものが上位での試合の勝ち筋につながっていくのです。

 工夫は一重ではなく、二重、三重に重ねることが重要です。上位に上がると当然相手も上手くなり簡単なシュート(カジュアルフィニッシュと表現していました)では太刀打ちできなくなります。工夫についても1つでは体格差で負けている日本は不足してくるので二重三重のうえにさらにもっと、と重ね合わせていく技術が必要ということです。相手に飛ばれると負けるので“飛ばせないため”にどのような工夫をおこなうのがよいのか。この点についても重要なことは「他者」です。まずは「自分」ではないということです。“飛ばせないため”にファーストヒットする。“飛ばせないため”にタイミングをずらす。そのうえでエクステンドフィニッシュをおこなう。そういった他者発信の自分行動が重要となります。技術力はあるのに試合では活躍できない選手。そんなに技術力はないのに試合で活躍できる選手。の2者の違いはここにあります。

男子代表の比江島選手のことをそういった目線で表現していました。「棒をもってシュートの邪魔をする練習の時に全然邪魔できないんだ。ここって思ったところからずらしてシュートリリースをしているから。そう思って聞いてみたんだ。そのずらして打つシュートはそのような練習をしているのか?って。そうしたらそういった練習はしたことないし、自分ではそんなこと(ずらしてリリースする)をしているとは知らなかった。自分発信ではなく他者とのやりあいの中で自然に身についたプレーなのかもしれない。」と。

あくまでも集団闘争であるバスケットボールは自分発信だけのプレーではすぐに上位では太刀打ちできなくなることになります。闘争なのだから他者への影響があって初めて勝利につながることになります。しつこいと思えるほどに「他者を感じるということの重要性」を説いていました。

 ディフェンスはフラットフットだと横移動に強い。だから、どのようにしてトップフットを作り出すのか。実際にフラットフットの状態で横から押してみてどのような強さがあるのか。だから、トップフットができたときにどちら方向にドライブするのが良いのか。という勝ち筋が分かると行動が変わる。そのうえでヒットファースト、ショットフェイクワンステップで相手の状態を感じ取り、カジュアルフィニッシュにならないように工夫すると、実際の試合に活かすことができる練習になる。相手を感じるという「闘争」の前提条件を受け入れたうえで、自分が行う技術を発揮するという練習を行うことが大切。

 ドライブで抜けたとしてファーストヘルプがくる。ということを想定し、自分の行動を決定する。ファーストヘルプのOFがダイブ(ヘルパーダイブ)するとセカンドヘルプがよらざるを得なくなる。自分のプレーでは実はあまりそのプレーを選択することがなかったので、ちょっとした視点の転換になりました。確かに3Pラインの外に留まるよりも、ディフェンスをブレイクすることができる動きにつながるのかもしれないなと、考えています。ヘルパーダイブをするとよりアウトサイドの密度が下がるのでフリーになりやすいです。

 ディフェンス目線で見るとボールマンディフェンスが抜かれたときにファーストヘルプは誰なのかが分かるようになると、だれがセカンドヘルプなのかがわかります。セカンドヘルプが移動した時点でゲッツーポジションは、キックアウトにローテーション、エクストラパスにさらに別の選手がローテーションとなることが、ディフェンスの勝ち筋につながります。

 日本代表のロスターは小さいから、スクリーンプレーでスイッチをするとすぐにミスマッチ(相手からするとチャンス局面)になります。が、スイッチをしないことで発生するオフェンスのずれの優位性から創造されるチャンス局面のほうが、ディフェンス対応できないので1番5番でも基本的にはスイッチ。背の高さのミスマッチにはダブルチームで対応したほうが良いディフェンスになりやすいと判断していたようです。女子代表選を見ていると確かにその動きがたくさんあるなと思います。1番5番だとたいていドロップ+ロックアンドチェイスで対応することが多いですが、日本代表だと5番といっても185cmですから、スイッチを積極的に選択するということを決めたのだろうと思いました。

 ゾーンディフェンスに対するオフェンスの練習は世界的な目線でいうとほぼ練習はしていないそうです。ゾーンに対するオフェンスは結局のところ、3つの局面(チャンス局面、ブレイク局面、フィニッシュ局面)が分かっていると、基本的には同じということになるから。だから、ゾーンに対する特別な練習を行うことはないそうです。言われてみれば確かにそうだなと思います。小さく守られているマンツーマンディフェンスともいえますから、ドライブでブレイク局面になって、ヘルパーダイブしてセカンドヘルプがきて、だからサークルムーブして、逆サイド展開してチャンス局面をついてブレイク局面からフィニッシュ局面へ移行するだけ。ともいえるからです。抽象化を上げると行っている行動は同一行動となります。ちょっとした考え方の角度を変えるとすっきりとしました。


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