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読んだ:「幸せをお金で買う」5つの授業

読みました。

最近節約に興味が出てきたので。
ただなんか格安SIMにしろとか家賃や保険を見直せとかそういうんじゃなくてもっとこう……魂のありかた的な……と思って。

よかったです。

本書は節約ノウハウではなくて「お金を最高効率で使う方法」として心理面からアプローチしてきます。
同じ5ドルでも、それをどう使うかで気持ちが変化する。どうせなら心のコンディションを最適な状態にできる使い方をしようね、という姿勢です。
貯金のため老後のために節約しよう、浪費はやめよう! ではないんです。今の自分の心を健康に健全にするための使い方を覚えよう、です。

  • 豪華な家や高級車を入手しても、人生そのものへの幸福度は普通の家や車とあまり変わらない

  • 同じ金額でも人のために使うほうが満足感が高い

  • 先に支払って後で消費するほうがよい

  • 社会貢献をしていると感じられる活動に参加するとよい

こういう「まあそうだよね」みたいな話があらためて、山ほどの実験例を出して説得力補強してきます。アメリカの本、いつもエビデンスの山。

あと本書ではお金と対岸の存在として「時間」という概念が置かれてるかんじです。この5ドルをどう使うか? ではなく、これからの1時間をどう過ごすか? と考えるほうが精神状態のスコアが良い。みたいな、お金と時間を対比させた提案がいくつも出てきます。ある実験ではAグループにはお金の書かれた絵を見せて、とか、ある実験ではお金いっぱいもらえるけど報酬は二週間後、もう一つのグループはちょっと少ないけど報酬は今、とか。

日本だとお金の対岸に置かれがちなのは精神性かもしれない……
個人的には時間を置かれるほうが納得感あります。お金も時間も、どっちも要は利益の話だから天秤の両端になるだろうなと思える。

実験例でなくいろんなエピソードも面白いです。

社交性あおりガチャの虚しさ、逆に福袋には魅力がある、という話。このガチャと福袋(的なギフト)の違い、けっこう難しいかも。

あとキスとチョコレートの話。
これおもしろかったし「え〜? そうかな〜?」からの「あ〜〜〜なるほどわかる!!」への自分の変化も面白かったですね、思う壺。気になる人は読んでみてほしい、一番印象に残ったかもしれない。
というか食と性の話ってやっぱすごく人間の印象に残りやすいようになっちゃってるからその二つを組み合わせたこのエピソードの記憶残留率すごすぎてずるい、これだから学者の本ってやつは。

ところでこの本、節約系Youtuber複数人が話題にしてたので気になって探したんですよね。できれば紙で欲しかったんですが品切れで、電子で買いました。
メルカリでは紙の本が5桁前後で取引されてて「そんなんだから……! そんなんだからお前たちは……! 売る方も! 買う方も!」ってなってました。




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