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雪を掻き分け、春を手繰る。

4月になり、ようやっと雪が消えた。散歩すると、道すがらに色とりどりの花を見かけるようになった。冬は雪天に積雪で白しかない景色が広がる豪雪地帯では、色がある日常というのは久しぶりの光景だ。車を走らせる山道でふきのとうを目にすると、春の訪れを一気に実感する。


当たり前だけれど、グラウンドにも雪が降る。
12月に入った頃からFC越後妻有は体育館での練習が続く。廃校を活用した施設のため、同じ建物内に体育館がある環境は有り難いものの、芝生が恋しい気持ちもある。ここに住む動物たちが春を夢見て冬眠するように、外でボールを蹴れる日を思いながら限られた環境での練習に励む。


3月中旬になると、上越や柏崎といった妻有に隣接する地域では雪が消えるため、少しずつ屋外の練習が始まる。隣接といっても、流石は車社会というだけあって距離はある。仕事を切り上げてから車で片道1時間ほどかけてグラウンドに通うのがこの時期の恒例で、身体を動かす時間と同じくらいの移動を週4日こなす。好きじゃないとできない。好きでも、「ハードだな」と思うこともしばしば…。それでも、理解を持って練習に送り出してくれる職場の人や、チームに関わってくれる人たちの顔を思い浮かべると不思議と力が湧いてくる。

屋外のグラウンドに向かう、ある日の朝


そんな私たちを最も近い場所から応援してくれているのが、集落の方々だ。
3月下旬。選手と監督、そして有志で集まってくれた地元のお父さんたちとグラウンドの雪掘りを行う。雪を掘り穴を開けることで雪解けを早くさせる、という生活の知恵と力を借りて、みんなで春を手繰り寄せるのだ。

穴がまばらになるようにポジションを決めて、いざグラウンドへ。


とはいえ、そう簡単なものではない。私たちが拠点とする奴奈川キャンパスがある室野集落は十日町市内の中でも積雪が多いエリアで、小雪だった今年でさえ1.5mほど雪が残っている。
お父さんたちの手際の良さを横目に、時間をかけ汗をかきながら自分の背丈くらいの穴を一つ二つと掘っていく。2時間弱の作業で全体で20〜30の穴を作って、あとは気温が上がるのを待つ。

ほんとうにサクサクと掘り進めてしまう後ろ姿がかっこいいのです。
深く掘りすぎて出られなくなることをまだ知らない私。

この時期になると、以前地元の人が「妻有の四季は冬から始まる、冬春夏秋なんだよ。」と話してくれたのを思い出す。

そうこうしているうちに年度が変わり、4月も半ばになり、北信越リーグの開幕を迎える。
いよいよ、明後日、私たちの2024シーズンが始まります。
応援のほど、よろしくお願いします!!
試合日程はこちらをご覧ください🔍

大地の芸術祭公式Instagramより

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