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何度壁が立ち塞がっても折れない彼女

相手の話をフラットに聞くことは、意識をしないとなかなかに難しいな、と思うのです。

わたしが、個人の仕事として行っているキャリアコンサルティングやコーチングの場面では、
" 意識をして" 相手と自分を重ね合わせないように、話を聴きます。

けれども。
日常の何気ない会話の中では(スイッチをいれないと)、相手の話を聞きながら、自分を相手に重ね合わせてしまうことは、正直よくあるのです。


今日は、わたしが、彼女の立場だったら、どう感じ、どうしただろう…
そう、何度も考えさせられる友人の話を書こうと思います。


彼女は、某有名企業の会社員。
数年前(コロナ前)までは、部長という役職で、多くの部下を率いて、働いていた、いわゆる、絵に描いたバリキャリさん。

友人である私たちの前にいる彼女は、柔和で、とても穏やかな空気を纏っている女性だけど、彼女が語る仕事の話の端々から、会社では、パリッと仕事をこなし、部下や同僚、そして上司にも毅然とした態度で、ハツラツとコミュニケーションをとっている様子が伝わってきました。

けれど、そんな彼女は、コロナ時期に、人事異動で活躍していた舞台から異動を命じられたのです。
本人が全く望まない部署へ。そして部長職も奪われました。

当時、彼女はとても落ち込んでいて。
営業部の部長として、売上もしっかり立てていたし、全く落ち度はなかったはずなのに。
「なんで?なぜ私が?」と、悔しそうに、心の内を話してくれました。

ちょうどその頃、彼女とよく二人で皇居ランをしてまして。
内側に抱えているストレスを、一緒に汗をかいて大いに発散して。
やがて、彼女のマインドが切り替わっていく様子が伝わってきました。

辞めてやろうか、とも思ったけど。
わたしには、食べさせていかなきゃいけない家族もいる。
だから、やっぱり今のところには留まる。
だけどね。
わたしは、これを機会に、コーチとしての腕をもっと上げて、たくさんの方の支援ができるようになる、って決めた。

皇居を背に、鮮やかな灯りに囲まれた東京駅方面のひらけたビル群を見ながら、そう決意を語ってくれた彼女は、何かが吹っ切れたようで、とても清々しい表情をしていました。

その後、社内のFA制度に志願するも、叶わず。
それでも、彼女はめげません。

有言実行の彼女は、その後も、着実にコーチングの腕を磨き続け、機会、人脈を広げて、チャンスを掴んでいきました。

そして、このまま拍車をかけていきたい、と思ったようで、会社に、勤務体系の相談をします。

勤務日を減らし、その分、今後、自身で一番力を発揮したいと思える、コーチングの道を切り拓いていこうと試みたのです。

しかし、やはり会社は首を縦にふることはありませんでした。
理由は「前例がない」、から。

社名こそ明かさないものの、外から見たら、その会社こそ、これからの時代の働き方、生き方を社会へ提起し、その道を牽引していけるような存在なのに。

ですが、実態は決してそうではなかった…
話を聞きながら、わたしの方が心が萎えそうになりました。

「前例がないなら、わたしに作らせてください!後に続く人にとっても、会社にとっても決してマイナスにはならないはずです!」
もし私が彼女の立場だったら、そんな風に戦ってしまったかもしれない…
なんて思いが頭を掠めた。
我ながら、幼い発想だとは思います。
だけど、前例がない、なら、どうすれば?と考える機会になぜしない?と話し合う機会を会社側へ望んだことでしょう。

でも、ここでも彼女は折れませんでした。
今回も会社の方針に従うことを決意して。
外の環境でさらに新い人脈・機会作りに励むことにしたのです。
そして、落ち込んでないで、新たな種まきをし始めました。

彼女は50代半ば。
自分の人生をとてもポジティブに歩いている女性。
定年まであと少しだし、このまま大人しく…なんて発想は彼女には、どうやらなさそうです。
定年後のその先の先…
どうしたら自分がたくさんの刺激を受けて成長し続けられるか。
それを糧にしてコーチングで、多くのクライアントのサポートができるか。
そんな使命感が彼女の原動力になっているのだろうな、と伝わってきます。

だから、壁が何度おとずれても、彼女はめげない。
少し落ち込んでも、また前を向いて、先へ進む。

かっこいい生き方だな、って彼女を見ていて心から思います。

<おまけ>
そんな彼女も、酔っ払うとちょっとだけHな部分が顔を出す(らしいです笑)。
そこも含めて、彼女は本当にチャーミングだよな、って思うし、そんな彼女が本当に好きです。

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