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blossomdate【04 アールグレイな午後】

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01 café au lait

02 Iced Coffee

03 アサガオノサクミライ

04 アールグレイな午後

05 café mocha


04 アールグレイな午後


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 あの日は確か、午後2時15分を回ったところだった。店の客も落ち着き、ネルドリップ用の布を切ってセットしておくようにとのマスターの指示に、タカは黙って従っていた。


 スコールのような雨が降りだした時、事件は起こった。


 それまで楽しそうに小石と話していたピンヒール女の顔が凍りついた。小石は初めて、その常連のお客を強い口調でたしなめたのだ。その声は奥で作業しているのタカにも、マスターにも届くほどだった。


「お客様、申し訳ございません。どうぞお帰り下さい。お代は結構です。今日は僕が出させていただきますから」


「あんたね、客に向かってその言い方はなんなの! 私、もうずっと小石君の珈琲ばかりを飲みに来てるのよ。あんな子と付き合って、何がいいのかしら。二股してんじゃないの?わたし、この目でちゃんと見たんだからね。縁日で、あの子とイチャイチャしてる誰かさんをね」


 ピンヒール女はそんな捨て台詞を吐くと、火をつけて間もないタバコを灰皿にねじ込み、カツカツと床板を鳴らしドアを乱暴に開け、代金を払わずに立ち去った。

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