おーい、おばさん!①
甥っ子ちゃんは1歳と少し。おばさんは41歳と少し(だったと思うが、もう歳を数えたくはない)。
ツボに入った時の甥っ子ちゃんの笑い声がたまらなく好きで、本気で体を張って笑わせにかかって、ゴロゴロ回転までして、変な筋肉痛を発生させているのがおばさん。本気でかくれんぼして、カーテンの裏で息を潜めているのがおばさん。いないないばぁが派生して、追いかけっこして、また隠れるというシンプルな遊びを楽しんでくれる。
アニメの『モンスターズインク』の中で、最初は子どもたちを驚かせて叫び声を電力として収集していて、それがある日、笑い声がその何倍ものエネルギーになるって気づくシーンがあったよなぁって、そんなことを思い出した。あれはホントだ!
ママではなく、祖母でもない、いい距離感にいるおばさんって、甥っ子ちゃんにとって友達の延長線上にあるようなバカでかい子ども。
あの笑顔、また見たいな……ってなるのだ。
寝転がって読み聞かせだった『はらぺこあおむし』は、1歳になる頃には、お膝の上で同じ方向を向きながら、ページを捲ってくれるようになり、さらにその3ヶ月後には、「土曜日食べ過ぎクライマックスシーン」がお気に入りになってしまい、日曜日に生まれたあおむしは、いきなり食べ過ぎるページにぶっ飛び、美味しいシーンを味わっている。
別の本も、何度か読んでいるとまたもやお気に入りのシーンにスキップする。内容はきっとよく覚えているんだろう。その中でも、好きなポイントがおそらく作者の仕掛けたシーン(起承転結でいうと「転・結」)で、ピタリと狙い通りなようで、ちょっと羨ましいなと思ったり……。
1〜2歳の記憶って、自分自身には残っていないんだけど、昔、録画したアニメビデオで小学生の頃はツボのところを何度もリピートしていたから、きっとあんな感じなんだろうな。
最近は、ひとりごとなのか、よく喋ってくれる。翻訳出来ず、ごめん!と思う。なんとなく私が聞き取れるのは「ブーブー(車)」「いないいない、あー」「じゃーじゃー(水)」「まんま(ご飯とママ)」 くらいかな。
お気に入りは、くるくるダンスと謎のステップと、手をぐるぐる。段差の昇り降り。ところかまわず披露してくれるので、このピュアさに心が奪われる。ああ、できるならこの純粋な楽しみを味わいたいもの。
妹はまだ「ともちゃんと遊んだら?」と言ってくれるが、私自身は「おばさんはね…」と言ったりする。
いつの日か、「おーい、おばさん」って呼ばれるのかな。まだ走るには追いつけるけど、追い越される日も、きっと一瞬でやってくる。
2023年5月13日 香月にいな
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