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この人の本、書店に並べたいなぁ【出版社を作ろう2】

※画像は娘に荒らされた僕の本棚。

さて、出版社立ち上げを思い立った僕だが、社名を思いついていない以上、法人登記ができない。そういうわけでまだのんびりと夢想中である。

昨日の記事にも書いたが、ゆくゆくは自分の書いた本だけではなく、noteでフォローしている他の人々の本も出版したいと目論んでいる。そこで、誰の本を出してみたいか、ちょっとメモしていきたい。

むろん、かなり先の話である。まずは自分の本を出してファーストペンギンにならなければならないのだから。

しかし「夢だけ持ったっていいでしょ?(『A・RA・SHI』より)」である。ちょっくら書いていく。


※フォロー順なので特に優劣はない。

※相互フォローの人も、勝手に僕がフォローしているだけの人もいる。勝手に紹介してすんません。


■「ゆるふわ無職」さん

僕も参加しているニートマガジンの主催者である。

無職、ニート、寝そべり族といったテーマの歴史や文化について妙に造詣が深く、これらの解説記事をよくアップしている。それだけではなく独自の視点からのニート論、無職論みたいなものを哲学的かつユーモア風味を交えつつ論じる記事も多い。単に情報をまとめるだけのSEOブロガーとは一線を画す一家言と筆力を持つ人物である。さながら在野のダメ人間研究者といったところだろうか。

すでに電子書籍は2冊発売されているので、それを紙書籍化するだけでも十分に良いものができそうだけれど、ニートや無職の文化史的なテーマで書いてもらえると面白そうだ。


■「世界の普通から」さん

グローバル企業に勤められていて、香港やスイスといった海外経験が長いお方。

日本以外の国の価値観を踏まえつつ、独自の視点で日本の文化に切り込んでいる。が、ありがちの「日本はダメ! 海外ではぁ…」といったアメリカかぶれの外大女子のような主張ではなく、深く切り込んだ論考を展開してくれる。それでいて肩肘張ったテーマばかりではなく、ビジネスを中心にしつつ恋愛、人生哲学、子育てなどバリエーション豊か。ライトに見せかけてヘビーなエッセイ集的なものを出すだけでも面白そうだ。


■ダニエルさん

名前がコロコロ変わるが、とりあえず僕はダニエルで慣れ親しんでいるのでダニエルで。彼は基本的にYouTubeで活動しているが、noteも書くし、本はもう7冊出しているらしい(そしてたまに僕の本を宣伝してくれるいい人)。

ぶっちゃけ言ってることはよくわからない(シンギュラリティのことや落合陽一のことをよく語っている)。それに、よく人に喧嘩を売っている。かつ、東浩紀のオフィスに乗り込んだり、謎に行動力がある。炎上系YouTuberなのか、なんなのか、とにかくわけがわからない。わけがわからないがなんか面白いので渾身のネタを書いてほしい。あらゆるものに喧嘩を売る本がいいなぁ。


■無職詩人さん

僕はシニカルな人があまり好きではないが、シニカルもここまで極まると痛快である。斜に構え過ぎて、もはや寝そべって世界を眺めている、そんな印象のお方。

本業(?)というか、主な生息地はYouTubeなのだろうか? 大阪ミナミを歩き回るだけのサイバーパンクな映像と共に日雇い労働の同僚や家賃を催促してくる管理会社、そしてフォロワーに対する愚痴を詩的に語るだけの動画をアップしていて、そのテキスト版をnoteにあげている。批判ではなく、愚痴である点が重要なのだ。批判は他人事のように語られるが、愚痴には血が通っている。そういうエモーショナルな存在なので、僕の言葉で紹介するより、みてもらう方が早い。

この方も既にアマゾンで詩集を出しているが、ぜひこれを本屋に並べてみたいのである。


■高山唯さん

あまり更新頻度は高くないが、ついつい読んでしまうこの人。林業に携わっている女性らしい。中村うさぎがバイブルというだけあって、泥臭いし血生臭いけれど、クセになるエッセイを書く。テーマは林業を通じて感じたことが中心のようだけれど、たまに過去に携わった風俗の話を書いたりする。

出すならエッセイ集だなぁ。すごいパンチのあるタイトルをつけたエッセイ集だなぁ。


■ymana201さん

草木染めを中心に、俗に言う丁寧な暮らし系のコンテンツを発信されている方。最近、古民家的な家に引っ越されたようで、そこで虫と戦ったり、植物を育てたり、草木染めをしたりといった様子を記事にしてくれている。

なんと説明すればいいのか、俗っぽく浮ついた「丁寧な暮らし」でもなく、かといって諸行無常について語るようなインテリぶった隠遁生活でもない。書かれているのは単なる暮らしの描写と、本人の目で見て感じたことなのだ。地に足ついたというか、地に全身をうずめて生きているというか、そういう感じがする。なんと説明すればいいのかわからない。とにかく生活を記録するだけで、何か良い本ができそうだ。


■Yama18さん

全然更新していないし、たぶん昔の記事は削除されている気がするが、どうにも忘れられないのがこのお方。どうやら建築に関して一家言ある方らしいが、正体は不明。それに結構むずかしいことを書いている。が、なにか面白いことを書いているという感覚がつきまとう。一言で説明するなら哲学的建築マニアといったところか。

この人の本を出すのは苦労しそうだ。何を言っているのか僕が理解するまで徹底的にファミレスで会議するようなプロセスが必要だろうなぁ。


■NeverAwakeManさん

ゲーム記事をこの人より面白く書ける人は世界に存在しないんじゃないだろうか? とにかく筆力高く、ユーモアあふれる語り口で、褒めるときは褒め、貶すときは貶す(たまにグレーバーの記事を翻訳してアップしてくれたりするので、それも助かっている)。

この人の本を出すなら、単にゲーム紹介を羅列するだけでも面白いものができそうだが、何かもう少し欲張ったテーマにしてみたい。なんだろう。ゲーム紹介を通じて、1本の壮大な社会批評につなげていくような、1話完結にみせかけて全てが繋がったストーリーだった…的な本がいいな。


■織原然さん

マクロ経済について書いているお方。なのだが、教科書的な説明ではなく、どうにもラディカル臭い。僕は経済学に関しては素人なのだが、それでも一般的な語り口がどんなものなのかは薄ら理解している。しかし、この方の視点はどうにも一味も二味も違う。正直、いまだによく理解できていないが、読むたびに自分の中にある経済に関する常識がひっくり返されていく感覚がある。それでいて、素人臭いトンデモ理論ではなく、しっかりと知的な基盤に乗っているような印象がある。何者なのだろうか? わからないが本業の研究者ではないはずだ。

この方の本を出すのも苦労しそうだ。でも、経済一般をマスにもインパクトがある形で論じてもらえそうな気がする。


■江草 令さん

お馴染みの江草さん。本業はお医者さんなのだが、医療問題に関して書くだけではなく、労働問題、子育て、読書感想、ハウツー、ベーシックインカム、などなど多岐にわたるテーマを論じられている。なんとなく僕と似通った問題意識があって、そこに惹かれるのだろうと思う。

個人的に江草さんが本領を発揮するのは、世間に漠然と存在する暗黙の常識みたいなものを論破していく記事だと思っている。論破と言っても、語り口が穏やかで、論理的で、多方面の気持ちにも寄り添っているのであからさまに攻撃している感はなく、「気づいたら斬られていた」といった印象なのだ。

どうやらご本人も労働関連のテーマでAmazonでの出版を目指してコツコツ執筆をされているらしい。きっと良いものができるだろう。それをAmazonのサーバーにとどめるのはもったいないだろうなぁ。


■MonkeyGardenerさん

翻訳記事と織り交ぜながら、持続可能なオルタナティブ農業に関する記事を書かれている方。有機栽培や自然農を語る人はついつい「大自然のチャクラがみなぎる!」とか「ゆく川の流れは絶えずして…」的なスピリチュアルなことを語りがちなのだが、そうではなく科学的な裏付けや、ビジネス観点での継続性といった側面も織り交ぜて語られているので、なんというか…イケてるのだ。

細かい農業事例の紹介から、壮大な農業論、国家論にまで至るような、そういう一本筋の通った農業本を書いてもらえると面白そうだ。普段、そういう大局感みたいなものはnoteでは表明されていないのだけれど、そういう視点がきっとあるのだろう。そうでないなら、きっとこんな活動はしないだろうから。


■縄文エリーさん

縄文人の暮らしや価値観を紹介する方…と説明するとものすごく教科書的に思えてくるのだが、そうではない。縄文人が国家と衝突する中での価値観の変遷の部分にかなり踏み込んだことを書かれていて、(こんなことを言うと語弊があるかもしれないが)アナキスト気質がある人なら楽しめると思う。

おそらく趣味で縄文を研究されている方で、この方の意見が学界のメインストリームでどれだけ受け入れられているのかはわからないけれど、教科書的な縄文の説明ではない面白い本を書いてもらいたい。現代社会のシステムと価値観の源流として、縄文人(と他の人々との対立)を描くと多くの人に読んでもらえそうだ。


■makitoさん

「幸せなセレブになる恋愛成功変身術」というタイトルのマガジンを更新されているのを見て、ありきたりな恋愛論を語る俗っぽい人かと思いきや、ユニークすぎる視点と謎の説得力のある科学的説明で、今まで見たことのない論考に仕上がっている。特に、人間の身体と、それに適合していない現代のライフスタイルや社会システムについての語り口は、目から鱗の連続である。何者なのか、全く謎だ。

この人の頭の中を殴り書きにして、タイトルをつけるだけで良い本ができそうである。


■まとめ

気づけば多くなった。正直、他にも紹介したい人はいるのだけれど、書籍映えというテーマで絞ればこのラインナップである。

改めて見返すと、おそらく多くの方は本業ではないながら、質の高い記事を書かれている。職業ライターが書く教科書通りのSEO記事や、ビジネス芸人が書く売れ線を意識した金太郎飴のような自己啓発書よりも、よっぽど面白い。

実を言うと最近僕は本をほとんど読んでいない。読むとしても昔の本を読んでいる。最近の本はつまらなく感じるし、noteを読めば面白い人が見つかるからでもある。

そう考えると、僕の役割も明確になってきたのではないだろうか。僕は古典と呼ばれる本を作りたい。知名度や権威がなくとも古典を生み出せる人はこの社会に燻っているわけだ。ニーチェの『ツァラトゥストラ』も初版は40部しか売れていないわけで、決して彼も著名人ではなかった。

(ていうか、金がなくなったらnote社に出資してもらおうかな。これ、うまく回り出したらnoteにとっても願ったり叶ったりじゃないか? 自分のところのプラットフォームを盛り上げようとしてるわけなんだから)

いやぁ、いよいよやりたいことが明確になってきた。さて、早く社名を決めなければ…。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!