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初ILETS体験談。

さて、学生生活もあと4ヶ月、試験も残すところ3つのみ。海外なので就職活動は卒業まで無理だが、準備段階には入った。
ネイティブ英語スピーカーでも日本国民なので僕がやらないといけないのはわかるが、何故かイギリス人も受ける試験「IELTS-Academic」、つまり英語診断テストの時期だ。
NHSで医者として働くのであればイギリス外大学卒業者(イギリス国民でも)はListening, Reading, WritingとSpeakingで平均7.5以上(9点満点中)、またどの科目でも7以上は取らなくてはいけない(看護師用は少し低めの点に設定されている)。ネイティブなら1日勉強すれば大丈夫と聞いていたが、本当にギリギリだった。
まず、試験前日。YouTubeで実際やった人たちの体験談動画を何個か拝見し、IELTSのオフィシャルサイトでReadingとListeningの過去問(模試)をやってみた。WritingとSpeakingは過去問はあっても自分で点数のつけようがないので、後回しに。最初の模試3個は両方とも普通に落ちた。4個目のReadingはすごく良い点だったものの、それは「読んで答えよ」の「読む」部分が医学部生なら誰でもわかる簡単な脳科学の話で、読まなくても答えられたからだ。これでは実際Readingで点を取った事にならない。だいぶ焦りながら、徹夜でILETSオフィシャルサイトのReadingとListeningの模試は全てやり、両方とも必要最低点である7は簡単に取れるまでになった。試験会場までのバスの中でWritingはどういう問題が出るのか、またその答え方についての解説動画を一つ観て、やった気になっていた。
試験当日。開始前、一緒に受けに行った友達と待合室でSpeakingの練習を冗談半分でやり、緊張をほぐした。試験の順番は聞いていたのと変わらない、Listening 30分, Reading 1時間, Writing 1時間、休憩、そして順番に一人ずつSpeaking(かかる時間は人による)。
個人の感想としてはListeningとReadingは模試よりも簡単だった。この二つが終わり、「絶対受かった」と余裕の構えでWritingのセクションへ。ここは2問、表やグラフを見て何が書いてあるか簡単に150字以上で説明するという問題と(Writingの33%の点)、お題の文に答えるエッセイを300字あまり書く(残り66%)というものがある。練習しないで挑んだ自分が馬鹿だったが、1問目が終わる頃に時間を見たら残り20分しかなかった。あわてて2問目を始めるも、まとまった考えがないまま最低文字数の250字を目指して適当に書いたので文法やスペルミスは多かったに違いない。もはや問いに対しての答えになっていない文をただ書き続けた。頭の中はパニック、絶対に落ちたという思いで、Conclusionも書かないまま文の途中で試験終了となった。まさか英語の試験で落ちるとは思っていなかったので、ショックでボーッとしていた僕に「時間配分がダメだっただけで英語の問題ではない」と友達が慰めてくれた。たしかに、と思うももう少し勉強すれば良かったと後悔。重い気持ちのまま、すでにどうでも良くなっていたSpeakingの試験に並んだ。Speakingはもう諦めていたのもあって、スムーズに進んだ。試験官がペンから手を離し、僕のジョークに3回も笑ってくれたので手応えバッチリ。きっとWritingは落ちたのでまた会うだろう、次来た時は試験官を5回笑わせるぞ、と考えながら3−5日間採点されるのを待った。
そして昨日授業中に採点結果が届いた。Listening, Reading そしてSpeakingはどうでもいい。Writingだけでも落ちていたら丸ごと取り直しだ。やり直すだけならまだ良い。ただ、このご時世250ユーロは大きい。もう少し勉強していればと過去の自分を呪いつつ、先生がただただ薬の名前をパワーポイントから読むだけの授業の最後列で「採点結果をみる」をクリックした。

結果:Listening 9, Reading 8.5, Writing 7, Speaking 9、総合平均:8.5

良かった。本当に良かったが、まさか受かるとは思っていなかった。受かってみると欲張りになるもので、もし次受ける時が来たら絶対もっと良い点とってやろうと思う。そしてReadingの残り.5ってなんだ、どこを間違えたんだ、と気にしてしまう。一緒に受けたイギリス人の友達も、Writingは同じ点だったらしい。お互い高校生時代は高校によっては取れる大学レベルの国語クラス(AP English)を取っていたバリバリの文系というのもあって(僕の時間配分が下手だったのはさておき)、彼の点数には驚いた。後からIELTSに詳しい子に聞いたところ、IELTSのWriting問題は解き方、文章の作成型があって、試験官はその答えかたでないと得点に繋ぎにくいらしい。なるほど。次もし受けるときになったらちゃんとその「解き方」を勉強してから行きたい。本音はもう2度と受けたくない。


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